2.6.2017
ついにロレックスが“ラバーバンド”を解禁! 同社初のラバーバンド採用モデル「ヨットマスター116655」
Komehyo
ブログ担当者:後藤
「ラバーバンド採用のロレックスがついに登場した!」
これが、2015年のロレックスの新作の話題のひとつでした。
その話題のモデルは…
「ヨットマスター40/エバーローズゴールドモデル“116655”」
(より小ぶりな37mmサイズの“268655”もあります)
です。
↑ヨットマスター40/116655
腕時計のバンドは、
①メタルバンド
②革バンド/クロス(布)バンド
③ラバーバンド
のどれかを採用することが一般的です。多くの時計メーカーでも、これらの3つの種類のバンドが採用されています。
しかし、ロレックスは違います。これまで、ロレックスはラバーバンドを採用することがなかったのです。ついに、ヨットマスターで、“ラバーバンド解禁”が行われました。
今週は、ロレックス初のラバーバンド採用モデル、ヨットマスター/エバーローズゴールドモデル“116655”を紹介いたします。
■ヨットマスターとは?
まずは、ヨットマスターについてです。
ヨットマスターシリーズは、1992年に誕生しました。ロレックスが新しいシリーズを作ること自体が“目新しいこと”でしたし、その新シリーズが「船の上で優雅に着用するロレックス」といったイメージでしたので、話題のモデルでした。
↑オールゴールド/型式16628
しかし、当初のヨットマスターは、オールゴールド素材を採用する“高級ライン”として販売されたモデルでした。そのため、ほんの一握りの層に向けたロレックスでした。その後、ステンレスとゴールドのコンビネーションモデルも登場し、少し価格が現実的なものになってきます。そして1999年、ステンレススチールをメイン素材とし、一部にプラチナ素材部品を採用した“普及版コンビーネーションモデル”の「ロレジウム」が登場します。このモデルで、ヨットマスターは一気に一般層に浸透していきます。現在では、ロレックスのスポーツモデルの一角を担う存在になっています。
↑ロレジウム/型式16622
■初のラバーバンドモデル、ヨットマスター“116655”
そんなヨットマスターから2015年の新作発表会(バーゼルワールド)で新たなモデルが発表されます。それが新型ヨットマスター“116655”です。
↑116655
ロレックス初のラバーバンド“オイスターフレックス”を採用し、エバーローズゴールド製のケースを取り入れた大人の一本です。その細部にはロレックスのこだわりが散りばめられています。下で、細部のこだわりを紹介します。
○オイスターフレックス
「オイスターフレックス」は聞きなれない用語だと思います。それも当然、初の“ロレックス専用ラバーバンド”の名称だからです。厳密に表現すると、ロレックスは“オイスターフレックスブレスレット”と呼んでおり、「金属のブレードの周りをエラストマーで覆ったもの」です。エラストマーとは、ざっくりと表現すると「ゴム状のもの(高分子材)」という意味です。細かな事を言うと、エラストマーにも様々種類があり、また、そもそも「エラストマー」という用語自体に複雑な意味が含まれます。「ラバー」と表現することにも賛否があると思いますが、専門的にすると難しくなるので、今回は敢えて「オイスターフレックス=ラバーバンド」と表現します。
それまでロレックスがラバーバンドを採用しなかったのは、おそらくラバーバンドの耐久面に不安を感じていたからだと思います。その不安を払拭できるバンドが完成したからこそ、ラバーバンド採用に踏み切れたのだと思います。そのロレックスの自信作であろうラバーバンドが「オイスターフレックス」なのです。
オイスターフレックスの持つ良さとして挙げられるのは、主に“耐久性”と“着用性”です。従来のラバーバンドの弱点は、「経年劣化に伴う劣化」や「使い込みの磨耗による“てかり”」などです。さらに、時計の本体ケースが重い場合、「柔らかなラバーでは重みに耐えられない」という弱点もあります。このようなラバーの弱点を克服するべく、ロレックスはオイスターフレックスを開発しました。
また、腕に密着するバンドの内側には、特殊な“クッション”が備え付けられています。これによりラバーのべたつきを軽減し、手首の安定感も増します。まさに、使用者の腕にフィットするように計算された構造になっているのです。実はこのクッションシステムは、特許までも取得しています。
なお、オイスターフレックスは、内部が金属のブレードですので、従来のラバーバンドのように「切ってサイズ調整をする」タイプではありません。元々付いているバンドが合わないようであれば、腕にフィットするバンドを購入する必要があります。
○エバーローズゴールド
116655のケースには、ロレックスがこだわるゴールド素材“エバーローズゴールド”が採用されます。エバーローズゴールドとは一般的なくくりで表現すると「ピンクゴールド」の一種です。一般的な18金ピンクゴールドは、“75%の金”と“25%の銅をメインとする金属”を混ぜることであの独特な色合いに仕上がります。
しかし、一般的なピンクゴールドの弱点として、銅などの混ぜ込む金属が変色を起こすことにより、色味が損なわれてしまう事があるのです。そこで、ロレックスはその25%の金属側に、少量のプラチナを混ぜることで変色を抑えることを目指しました。それが、長期間美しい輝きを保ったまま使用する事ができるエバーローズゴールドです。
また、ベゼルにはブラックセラミックが採用されています。セラミック素材は耐傷性には優れており、傷を気にする事なく使用可能です。“ツヤを抑えたベゼル”が特徴のヨットマスターだけに、セラミックベゼルにもサンドブラスト処理を施しました。そのため、マットな仕上がりになっています。
■最後に
いかがでしたでしょうか。今回は、ロレックス初のラバーバンドモデルである“ヨットマスター116655”をご紹介させていただきました。いくつかの特徴を上で紹介しましたが、結局、私がこのモデルに対して抱く評価は次のようなものです。
「ロレックスは116655で、“普通のロレックス”とは違うことをしたかった」
それが、「ラバーバンドの採用」であり、「ピンクゴール色を黒色で引き締めること」です。正直、かなり個性のあるロレックスになっています。このデザインを私なりに表現すると、“余裕を感じるデザイン”でしょうか。つまり、高級時計をたくさん所有している方が、“外しの一本”として選ぶようなデザインです。それは、ヨットマスターシリーズがヨットオーナーのような富裕層をターゲットにしているだけに、納得できるところです。
私は、「普通じゃないロレックス」として、ヨットマスター116655をおすすめします!
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