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17.7.2022

【モデル新旧比較】オメガ「シーマスター300」はモデルチェンジでどう変わったのか?

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■【モデル新旧比較】オメガ「シーマスター300」はモデルチェンジでどう変わったのか?

 

今回の企画は、オメガ「シーマスター300」新旧比較です。

↑シーマスター300の新旧モデル

※上:Ref.233.30.41.21.01.001

※下:Ref.234.30.41.21.01.001

 

上の画像のように、現在の系譜のシーマスター300は、2014年に初登場し、2021年にその後継機が登場しました。そのため、すでに、新旧モデルが存在します。

 

ただし、シーマスター300がモデルチェンジを果たした2021年は、同年に、「スピードマスタームーンウォッチのモデルチェンジ」がありました。つまり、オメガで最も有名なモデルのモデルチェンジとタイミングが被ってしまったので、シーマスター300のモデルチェンジは少し影が薄くなってしまった感があります。

 

そういった背景もあり、私としては、シーマスター300の新旧比較をすることで、そのモデルチェンジがとても興味深いものであったことを皆さんにアピールしたい意図を持っています。是非、最後までご覧ください。

 

 

※シーマスター300については、過去の投稿でも触れていますので、そちらもご覧ください。

↓↓↓

オメガ|シーマスターの人気モデルを比較! ~「シーマスターダイバー300m」と「シーマスター300・マスターコーアクシャル」~

 

 

 

 

 

 

■シーマスター300の新旧比較

 

では、シーマスター300の新旧比較を行います。

 

今回は、比較を分かりやすくするために、シーマスター300の中でも、“黒文字盤のステンレスブレスモデル”で比較をします。

 

ということで、今回は、

↑2014年モデル/Ref.233.30.41.21.01.001

↑2021年モデル/Ref.234.30.41.21.01.001

 

この2モデルを比較します。

 

主なスペックは以下のリストの通りです。

 

このリストでもわかりますが、スペック上の違いはそこまで多くはありません。

 

 

・厚みを抑えた

 

・マスタークロノメーターを通した

(それに伴いキャリバー名も8912へ変更)

 

という点が、新型モデルの大きな変更点です。

 

マスタークロノメーター」は、スイス連邦計量・認定局(METAS)という機関が行っている検定で、精度以外に耐磁性の検査もあることが特徴です。これまでの精度検定「(スイス)クロノメーター」は、スイス公式クロノメーター検定機関(COSC)が行っている検定ですので、全く別の機関が行っているものになります。しかし、マスタークロノメーターの検定は、“COSC検定を通る基準”が前提ですので、捉え方としては、「クロノメーターより上級の検定」とイメージしても大丈夫だと思います。

 

このように、シーマスター300の新旧の変更点をスペック上から見ると、そこまで大きな変更ではありません。しかし、2014年モデルと2021年モデルは大きく変わっています。その変更要素は、スペック面よりも、“デザイン”“ディテール”面の方が大きいのです。

 

では、2021年のモデルチェンジで、一般的によく紹介される変更点を紹介します。

 

 

 

 

 

 

①「サンドイッチ文字盤」になった

 

2021年モデルは、「サンドイッチ文字盤」になりました。これは、下層プレートに夜光塗料を塗布し、文字盤の一部をくり抜いてその夜光塗料を見せる構造の文字盤のことです。新モデルでは、インデックスとアラビア数字部がくり抜かれています。

 

因みに、2014年モデルはサンドイッチ文字盤ではなく、アラビア数字は印字です。インデックスは文字盤の窪みに夜光塗料を塗布する仕様です。

 

 

②「ロリポップ秒針」になった

 

2021年モデルは、秒針が、先端にドット形のポイントをもつ「ロリポップ形」になりました。因みに、2014年モデルは「アロー形」でした。

 

 

③「アルミベゼル」になった

 

2021年モデルは「アルミ製」プレートをもつベゼルに変わりました。2014年モデルは「セラミック製」ベゼルでしたので、現在のトレンドと逆行する珍しいパターンの変更です。

 

 

④「メタルバンドが細身」になった

 

2021年モデルは、メタルバンドがより細身になりました。具体的な形状としては、ブレスのテーパーが強くなり、クラスプに向けて先細りしていく形状です。

 

因みに、メタルブレスは新旧で仕上げが異なります。2014年モデルは、ブレス中央が光沢のあるポリッシュ仕上げで、両脇が艶消しとなるサテン仕上げです。一方、2021年モデルは、ブレス中央がサテン仕上げで、両脇がポリッシュ仕上げです。

 

 

ここまでに挙げた変更点が、シーマスター300の新旧でよく言及されるポイントです。そして、これらの変更から、オメガ側のモデルチェンジの意図を汲み取ると、

 

よりクラシカルな外観にしたい

 

ということでしょう。

 

具体的には、2021年モデルは、文字盤の色味をヴィンテージライクなベージュカラーで統一し“枯れ感”を出し、ヴィンテージウォッチ時代のテイストであるサンドイッチ文字盤ロリポップ針を採用しました。また、文字盤6時の印字も、筆記体で「Seamaster 300」と印字し、ヴィンテージ時代のシーマスターを彷彿させるようにしています。

↑文字盤には筆記体で「Seamaster 300」

 

また、回転ベゼルも、最新トレンドの「セラミックベゼル」を止め、伝統的なアルミベゼルにしました。これは、「傷に強い」という実用を捨ててでも、ヴィンテージデザインに寄せたい意図なのでしょう。ブレスを細身にした点も、同様の理由でしょう。

 

このように、シーマスター300は、2021年のモデルチェンジによって、大きくヴィンテージライクな外観になりました

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

今回は、オメガの「シーマスター300」の新旧比較を行いました。この新旧比較から判断しても、2021年の新しいシーマスター300は、よりヴィンテージ要素を深めたことがわかりました。

 

しかし、実は、ヴィンテージ要素だけでなく、実用性を高めた部分もあります。

 

例えば、2021年モデルは、ベゼルの目盛りにまで夜光塗料が塗布されるようになりました。それまでの2014年モデルは、ベゼル目盛りがリキッドメタルだったので、特に発光はしませんでした。

↑2021年モデルはベゼルも発光

 

また、リューズ形状も見直され、2021年モデルは操作しやすいリューズ形状になりました。具体的には、2014年モデルまでは、円柱形のリューズでした。そのため、リューズを回すときのスムーズさはある反面、引っ張るときには、根本の窪みを使うというコツが必要でした。しかし2021年モデルは、リューズが“カップケーキ形”になりました。これにより、リューズを回すときのスムーズさを残したまま、引っ張るときのグリップが効くようになりました。

↑操作しやすいリューズ形状

 

そして、私が個人的に好感を抱いた実用面の改善は、フラッシュフィット(弓管)を分離型にした変更です。2014年モデルはフラッシュフィットが一体型でしたので、ケース側から見る“ブレスの第一稼働位置”は、フラッシュフィット先端となります。しかし、2021年モデルは、フラッシュフィットの途中に“ブレスの第一稼働位置”があります。そのため、手首が細い人にとっては、腕馴染みが良くなりました

少し補足をします。このフラッシュフィットを耐久性のある“一体型”にするか、可動域を増やす“分離型”にするかは、ユーザー側のニーズの問題だと思います。そのため、このフラッシュフィットの変更点については、手首が細い私の、個人的な好感の話です。手首サイズのある方にとっては、別の評価になるかもしれません。

 

このように、シーマスター300のモデルチェンジは、変更点が沢山あります。そのため、もっと細かなところまで注目すると、ここでは語りきれないほどの点が挙がってきます。例えば、今回行われた「ベゼル形状の変更」については、個人的には大きな変更だと解釈しています。この点については、別の機会に紹介させていただきます。

 

ともあれ、百聞は一見に如かず。是非、シーマスター300の実物をお店でチェックしていただければ幸いです!

 

 

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