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31.1.2020

シャネル|新型「J12」はどこが変わったのか? ~新旧の変更点から見る、新型「J12」の意図~

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■シャネル|新型「J12」はどこが変わったのか? ~新旧の変更点から見る、新型「J12」の意図~

 

2019年、シャネル(Chanel)の代表作「J12」に新型が登場し、モデルチェンジが行われました。

 

しかし、新型J12を目にした多くの方は、

 

どこが変わったの?

 

と思ったに違いありません。

 

なぜなら、外観が大きく変わっていないからです。

そこで今回は、「新型J12はどこが変わったか」を説明し、さらに、シャネルの意図も推察したいと思います。

 

 

 

 

 

 

■新型「J12」の変更点

 

では、新型J12の変更点を紹介します。まずは、比較画像をご覧ください。

おそらく、一見すると、「どこが違うの?」という感想を持つと思いますが、実は、いろいろ変更点があります。ただし、ここでは、あまり細かな点まで言及することは避け、分かりやすい変更点に絞って紹介します。

 

 

 

<新型J12の変更点>

①針

→針がやや大きくなり、夜光塗料の面積が増える

※ブラックモデルの場合、夜光塗料カラーがブラックに

 

②レイルウェイ(文字盤内周の目盛り)

→5分ごとに、強調した目盛りが付く

 

③リューズ

→リューズがコンパクトになる

 

④ベゼル外縁(メタル部分)

→グリップ溝のピッチが細かくなる

⑤ブレスレット

→ケース寄りのコマの長さが長くなる

 

⑥裏蓋

→裏蓋が“全面メタル仕様”でなくなる

※周辺はセラミック製、中央はシースルーバック(女性用は異なる)

↑新型J12の女性用の裏側

※女性用は中央がメタル式

 

⑦ムーブメント

→汎用から“自社ムーブメント”へ(男性用)

※ケニッシ社ベースの自社キャリバー「12.1」へ

 

 

 

上で紹介した変更点は、J12が新型に変わった際の“比較的分かりやすい変更点”です。その他にも、ケース形状、文字の書体など、細かな変更点があります。

 

 

 

 

 

 

■新型「J12」の意図とは?

 

ここまでで、新型J12の変更点を紹介しましたが、次は、「J12は新型に移行することにより、何を目指したのか」を考えてみます。

私が調べた中で分かったことは、今回のモデルチェンジは、「J12のテイストは残したまま、全てをブラッシュアップをする」という意図があったようです。「変えたいけど、変えたくない」というシャネル側のニュアンスは、とても面白いです。変えることをためらうほど、J12は完成度が高いのでしょう。

 

では、それだけ完成されたものを、なぜ「変える」と決めたのでしょうか。この点は、推測するしかありません。ただし、当てずっぽうの推論を示したいわけではありません。実際にリリースされた新型J12を見て、その意図を推測したいのです。

 

私は、リリースされたJ12を見て、

 

今のシャネルなら、もっと凄いJ12が作れます!

 

と思えるようになったから、シャネルは新型J12にチャレンジしたのだと感じました。

 

その「もっと凄い」の部分は、以下の3点でしょう。

 

 

 

①セラミック技術

セラミックは“焼き物”であり、焼くとサイズが小さくなるので、精密な部品の作り出しは簡単ではありません。その中で、シャネルは時計業界で、セラミックウォッチの第一人者としてJ12を作ってきました。そして、シャネルのセラミック技術は向上しています。新型J12で、その最新のセラミック技術を披露しています。

 

具体的には、ケースの製造において、裏側までセラミックで一体形成できるようになりました。あとは、ラグとブレスレットの繋ぎ目を見ても、部品間の隙間を減らすことに成功していることが分かります。

 

 

 

②使いやすさ

また、“使いやすさ”を改善する意図も感じます。例えば、以下の点です。

 

・視認性の改善

→針の夜光塗料の面積を増やした

→レイルウェイに5分ごとの強調したマーカーを追加

 

・操作性の改善

→回転ベゼルのグリップ溝を細かくし、指が引っかかりやすいように

 

・日々の使いやすさの改善

→新ムーブメント搭載により、ゼンマイ持続時間が「42時間→70時間」へアップ

→リューズの高さが減ったことにより、リューズをぶつけて破損するリスク軽減

→ブレスレットのコマを広げることで、着け心地アップ

 

 

 

③ディテール

デザインは大きくは変更しませんでしたが、“ディテールの追及”を感じます。印象としては、「より“スタイリッシュ”を目指した」ように感じます。例えば、ベゼルの形状は、膨らみがなくなり、フラットにされました。また、リューズの高さが抑えられた点も、デザインを良くするでしょう。

 

さらに、シースルーバックを採用した点も、背面からの外観をスタイリッシュにする要素でしょう。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

ここまでで紹介したように、シャネルは

 

今のシャネルなら、もっと凄いJ12が作れます!

 

というところを見せるべく、新型J12を開発したのでしょう。

 

実際に、登場した新型J12は、「技術」「使いやすさ」「ディテール」の面でブラッシュアップを感じさせます。そのような改善を行ったのにも関わらず、価格を大きく上げることはありませんでした

例えば、新旧で価格を比較すると、

 

・従来のJ12男性用

(ブラック:H0685/ホワイト:H0970)

→メーカー価格:590,000円税抜き

 

・新型J12男性用

(ブラック:H5697/ホワイト:H5700)

→メーカー価格;632,500円税抜き

 

です。

 

その金額差は、5万円もありません。多くの改善があるにもかかわらず、普及できる価格にした点は、大きく評価できます。新型J12、素晴らしいです!

 

 

 

※オンラインストアリンク

・J12→こちら

 

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