26.10.2018
細身の男性におすすめのゼニス|エルプリメロ・オリジナル1969 ~エルプリメロ搭載の“未開の名作”~
Komehyo
ブログ担当者:須川
今週は、“細身の男性”に向けた、おすすめの高級時計を紹介します。
それは、ゼニスの「エルプリメロ・オリジナル1969」です。
↑エルプリメロ・オリジナル1969
この時計は、
・デザイン良し
・ムーブメント良し
・モデルイメージ良し
と、三拍子揃ったモデルなのです。
そして、最近のモデルには珍しい38mmサイズであることが、私のおすすめポイントです。つまり、わりと小ぶりなサイズで、細身の男性にちょうど良いのです。
また、「“従来のゼニス”に名機エルプリメロ(※1)を搭載している」という点は、他のゼニスにはない魅力です。
つまり、エルプリメロ・オリジナル1969は、現在のゼニスの中心スタイルの「現代的サイズ感」・「オープン仕様」・「新素材」を敢えて外しているのです。そのため、“最新のゼニス”ではなく、“従来のゼニス”を体現する稀少な存在なのです。
ただし、エルプリメロ・オリジナル1969は“最新のゼニス”ではないために、現在のゼニスのラインナップの中では隠れた存在となっている現実があります。この現実があるために、私はエルプリメロ・オリジナル1969を、「まだ多くの人に目をつけられていない、“未開の名作”」だと思っています。
これらの点を、以降で詳しく紹介させていただきます。
■エルプリメロ・オリジナル1969とは?
では、“未開の名作”であるエルプリメロ・オリジナル1969について説明します。
エルプリメロ・オリジナル1969の登場年は、2011年です。しかし厳密に言うと、登場当時、名称が異なっていました。このモデルの当時の名称は、「エルプリメロ36000VpH 38mm」です。エルプリメロ36000VpHシリーズは、42mmサイズが標準として存在していました。その追加バリエーションとして、ユニセックスサイズである38mmサイズが登場したのです。このユニセックスサイズの誕生が、エルプリメロ・オリジナル1969の誕生に繋がります。
ちょっと誕生の経緯がややこしいので、もう少し説明を加えます。エルプリメロ36000VpHの38mmサイズは、いくつかの文字盤カラーがありました。例えば、冒頭で紹介した1969文字盤(青、グレー、シルバーの組合せ)以外に、下の画像のカラーなどがありました。
↑エルプリメロ36000VpH 38mm
しかし、エルプリメロ36000VpHの38mm(ステンレスモデル)は、僅か一年でラインナップを整理します。なんと、下の画像の文字盤カラー(1969文字盤)のみを残し、他のカラーを生産終了にしたのです。
↑左:03.2150.400/69.C713
↑右:03.2150.400/69.M2150
もうお分かりいただけましたね。このモデルが、「エルプリメロ・オリジナル1969」です。ある時期を境に「エルプリメロ36000VpH」という名称を改めて、「エルプリメロ・オリジナル1969」にしたのです。
つまりエルプリメロ・オリジナル1969は、「エルプリメロ36000VpHシリーズのバリエーションのひとつ」という存在から、急に「1969年のオリジナルモデル」をイメージさせる名称に変わったのです。エルプリメロ36000VpHの42mmサイズには「エルプリメロ・オリジナル1969」の名称が与えられませんでしたので、38mmサイズだけが特別な名称を与えられたのです。1969年の元祖エルプリメロ搭載モデルと同じサイズ感、同じ文字盤カラーである点が、その名称になった理由でしょう。その後、エルプリメロ・オリジナル1969はバリエーションを増やし、現在に至ります。
しかしゼニスは、最近になっても製品シリーズの整理を積極的に行っております。そのため、現在、ゼニスの公式HPを見ると、エルプリメロ・オリジナル1969は別の名称で表現されています。その名称は「クロノマスター・エルプリメロ」です。私にとっては、どんどんと名称が変更になっている点も、興味が尽きないモデルなのです。なお、クロノマスター・エルプリメロは多くのラインナップが存在しますので、今回は便宜上「エルプリメロ・オリジナル1969」と表現します。
■エルプリメロ・オリジナル1969の魅力
私は冒頭で、エルプリメロ・オリジナル1969を
・デザイン良し
・ムーブメント良し
・モデルイメージ良し
と紹介しました。
ここでは、これらの良さを解説します。
①デザインの良さ
なんといっても、エルプリメロ・オリジナル1969はデザインが魅力です。そのデザインバランスが最高なのです。個性的な「1969文字盤」により個性を主張しながら、「オーソドックスな本体ケース」を採用することで腕時計デザインを破綻させないようにしています。
また、38㎜というサイズも最高のデザインバランスをもたらします。なぜなら、「そもそもエルプリメロは38㎜ケースに合うように作られたムーブメントだから」です。それは、初代エルプリメロ搭載モデルが38㎜サイズだったことからも明らかです。つまり、ムーブメントと本体ケースのサイズが合っているため、インダイヤルや日付の位置に無理がないのです。
②ムーブメントの良さ
エルプリメロ・オリジナル1969は、もちろん自社製クロノグラフムーブメント「エルプリメロ」を搭載しています。つまり、このモデルを所有することは、伝説的ムーブメントを手にすることでもあるのです。なぜなら、エルプリメロは、「世界初のコラムホイール/キャリングアーム式の自動巻クロノグラフ」なのですから。裏蓋がシースルーバックになっているので、ダイナミックなキャリングアームの動作を鑑賞することもできます。
③モデルイメージの良さ
そして最後は、モデルイメージの良さです。冒頭でも紹介しましたが、エルプリメロ・オリジナル1969は、現在のゼニスの中心スタイルの「現代的サイズ感」・「オープン仕様」・「新素材」を敢えて外した、“従来のゼニス”を体現するモデルです。例えば、現在のゼニスの代表モデルは下の画像の「クロノマスター・エルプリメロ・オープン42mm」です。このモデルは、文字盤の一部をシースルーにする「オープン仕様」を採用しています。まさに、今風な“前面シースルー”スタイルで、現代的なサイズ感もある、花形モデルです。
↑内部が見える「オープン仕様」
しかし、エルプリメロ・オリジナル1969は、「従来のサイズ感」「従来の素材」「オープン仕様でない」という具合に、“従来の時計”なのです。もっと良く言い換えると、“伝統的なゼニス”とも言えます。ただしエルプリメロ・オリジナル1969は“従来の時計”なので、現在のゼニスの製品ラインナップにおいては、「花形ではなく脇役」です。このモデルの存在を知らない人も多いでしょう。でも私は、その存在であることが魅力だと考えます。なぜなら、砕けた表現をすると、エルプリメロ・オリジナル1969は「ミーハーではないモデルだから」です。
きっとゼニスを選択する人は、ロレックスやオメガを選択しない時点で、こだわりをもって高級時計を探す人だと思います。それであれば、ゼニスのモデル選択においても、こだわりをもって「“敢えて”の道を行く」こともアリだと思います。その“敢えて”の選択対象に、ちょうど良いモデルがエルプリメロ・オリジナル1969なのです。特に、エルプリメロ・オリジナル1969のもつ、「伝統的」「ミーハーではない」というイメージがちょうど良いツボかもしれません。
■最後に
ここまでで、エルプリメロ・オリジナル1969の生い立ちを説明し、その魅力を語りました。皆さんは、このモデルをどのように感じたでしょうか。もしエルプリメロ・オリジナル1969が気になった方は、是非、一度実物をチェックしてみてください。きっと、「懐かしいようで、新しい」感じを受けるかもしれません。なぜなら、デザインの起源は1969年の元祖エルプリメロ搭載モデルにありますが、やはり、作りは“今風”ですから。
また、冒頭でも書きましたが、エルプリメロ・オリジナル1969は、細身の男性におすすめです。私の持論ですが、細身の男性に合う腕時計は、ケース径が37~39㎜ぐらいだと思っています。38㎜のエルプリメロ・オリジナル1969はジャストサイズだと思います。
最後にひとつ。きっと、ゼニス、そして、エルプリメロ・オリジナル1969を選択する方は、“こだわりのある人”だと思います。そこで最後に、エルプリメロ・オリジナル1969のマイナーチェンジも紹介しておきましょう。是非、モデル選択にお役立てください。
<エルプリメロ・オリジナル1969の変遷>
・プロトタイプ:「クロノメーター取得仕様」
製品化前のバーゼルワールド時には、文字盤にクロノメーターの文字がありました。これは、先行して存在する36000VpHの42㎜サイズがクロノメーター取得モデルだから、38㎜も同じようにしようと考えていたのでしょう。しかし、実際に世間に投入される製品版では、文字盤にクロノメーターの文字はありませんでした。きっと、価格を抑える方針にしたのでしょう。
・1ST:「尾錠・つや有りラグ仕様」
↓
・2ND:「Dバックル・つや消しラグ仕様」
2011年に投入された最初の仕様は、「尾錠・つやのあるラグ」という特徴をもっていました。しかしその後、「Dバックル・つや消しのラグ」に変更されます。このころに、割とメーカー価格が上昇しました。
・3RD:「36000VpH表記なし・積算計(小針)が赤色」
この第三ジェネレーションに関しては、正直、私もまだ現物を見ておりません。しかし、メーカーHPなどを見る限り、最近のエルプリメロ・オリジナル1969は、「文字盤の36000VpH表記がなくなる」「クロノグラフの積算計(小針)に赤色が入る」という特徴が確認できます。これが、最新の仕様だと考えられます。
上で紹介したエルプリメロ・オリジナル1969のマイナーチェンジが把握できれば、よりマニアックな選び方ができるかもしれません。
ただし、ひとつネックがあるとすると、「生産数の少なさ」という点があります。ゼニスは年産数が3万本ほどと聞いたことがありますので、エルプリメロ・オリジナル1969の生産数も僅かでしょう。
そもそも、「エルプリメロ・オリジナル1969に遭遇できたら幸運」という状況が現実かもしれません。是非、皆さんがエルプリメロ・オリジナル1969に出会えることを願っています!
※1・・・「エルプリメロ」とは、ゼニスが誇る自社製クロノグラフムーブメントのことです。詳しくは、過去の投稿をご覧ください(こちら)。
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