5.10.2018
ロンジン|「レジェンドダイバー」のマニアックな選び方 ~“日付なし”がこだわりの選択肢~
Komehyo
ブログ担当者:澤本
今週は、ロンジン(LONGINES)の人気モデル「レジェンドダイバー」のマニアックな選び方を紹介します。
↑レジェンドダイバー
唐突に文章を始めましたので、皆さんの中には「ロンジン!?」「レジェンドダイバー!?」と、理解が追いつかない方もいるかもしれません。少し補足させていただきます。
ロンジンは、スイス屈指の名門時計メーカーです。今でこそ少し知名度が下がっていますが、以前はオメガとしのぎを削るメーカーで、時計業界を牽引する存在でした。現在は以前とは戦略を変え、高級時計としてはお手ごろな価格で良質な時計を提供するメーカーになっています。
ロンジンはどちらかというと“渋い”デザインの時計を得意としており、若者よりも上の年齢層の方に支持が厚いメーカーでした。しかし2007年、大ぶりでスポーティな「レジェンドダイバー」を発表したことによって状況が変わります。レジェンドダイバーの登場により、20代、30代の男性が「かっこ良い!!」と言うモデルが、ロンジンに誕生したのです。
そして私は、このレジェンドダイバーが気になる方に向けて、マニアックな選び方を紹介したいと思います。
それは、“日付なし”のレジェンドダイバーを選ぶことです
では、以降で詳しく説明していきます。是非、最後まで読んでみてください。
■レジェンドダイバーについて
まずは、もう少しレジェンドダイバーについて知ることから始めましょう。
前述の通り、ロンジンは名門老舗時計メーカーです。1832年創業というだけあって、過去に様々な名作が存在します。そのような過去の名作を復刻させたモデルのひとつが、レジェンドダイバーなのです。当時に近い仕様であり、42mm直径の自動巻モデルとして作られています。現在は、レジェンドダイバー以外にも過去の復刻が盛んに行われており、「ヘリテージ・コレクション」というシリーズ内で展開されています。
レジェンドダイバーは、1960年代のダイバーズウォッチを復刻させたもので、レトロな見た目が魅力です。さらにレジェンドダイバーは、回転ベゼルをガラスの“内側”にしまい込むことで、スタイリッシュさも兼ね備えています。通常のダイバーズウォッチは回転ベゼルを“外側”、つまりガラスの周りに設置するため、どうしても“迫力のある”外観になります。回転ベゼルが“内側”にあるレジェンドダイバーは、すっきりとした外観で、非常にデザイン性の優れた時計に感じます。
加えて、高級時計としてはリーズナブルな価格であることも、人気を加速させる要素になっています。例えば、定番のストラップ式、型式L3.674.4.50.0であれば、メーカー価格が274,320円です。並行輸入新品や中古品から探すと、十分に10万円台で狙えるモデルです(執筆時点)。
■レジェンドダイバーの種類について
次に、レジェンドダイバーの種類を押さえておきましょう。
まず押さえたい点は、「日付の有無で種類がある」という点です。2007年の登場時には、“日付なし”モデルとして登場しました。その後、2009年に“日付あり”をラインナップに加えます。しばらくは“日付あり”と“日付なし”が両方とも存在する状況でしたが、2011~2012年ごろに、“日付なし”モデルが生産終了となります。
つまり、
・旧モデル:“日付なし”
・現行モデル:“日付あり”
という状況なのです。
↑左:旧(日付なし)、右:新(日付あり)
この日付の有無による新旧以外にも、種類があります。素材はステンレス以外に、ゴールド素材もあります。さらに、通常の人工ストラップ以外に、メタルバンドやラバーベルトを採用したモデルも存在します。また、2018年には、PVD加工されたモデルと36mmのユニセックスモデルが追加されました(従来は42mmサイズ)。
■マニアックに選ぶなら、“日付なし”モデル!
ここからが、「レジェンドダイバーのマニアックな選び方」の本題です。
私がおすすめする“こだわりの選び方”は、“日付なし”モデルを選ぶことです。
もちろん、日付がない旧モデルは、登場から数年のみの生産であり、「希少だから」というのも理由のひとつです。
ただし、一番の理由を挙げるなら、「オリジナルモデルを、より忠実に再現しているから」という理由になります。なぜなら、1960年代のオリジナルモデルは当時の自社製のムーブメントCal.290を使用しており、日付の表示がありません。つまり、“日付がない”方が、よりオリジナルに近いデザインなのです。オリジナルに近い雰囲気を味わいたいのであれば、私は、間違いなく“日付なし”をおすすめします。
また、“日付あり”モデルにも共通することですが、そもそもレジェンドダイバーは、オリジナルに対する再現度がとても高いモデルです。文字盤のデザイン、42mmというケース径に加え、当時のプラスチック風防の盛り上がったドーム型形状も再現しています。しかも、実用性を高くするために、復刻モデルはわざわざ加工が難しいサファイアガラスで再現しています。
↑サファイアガラスでドーム型を再現
ここまで忠実に再現しているのであれば、より再現度が高い“日付なし”を選択することが、こだわりになるのです。皆さんも、この内容を知ると、“日付なし”を選択したくなるのではないでしょうか。
■最後に
実用面だけで考えるのであれば、もちろん日付がある方が便利です。現に、現在のロンジンのCEOである ウォルター・ボン・カネル氏は、「ロンジンの時計は、日付があることが好ましい」と考えているようです。きっとロンジンの社内でも、「忠実な復刻」と「ロンジンの目指す実用性」を天秤にかけながら、レジェンドダイバーを作成してきたのでしょう。その試行錯誤の中で、日付がなかったり、日付があったりと、レジェンドダイバーの仕様にブレが生まれたのでしょう。
結果的にロンジンは「ロンジンの目指す実用性」に重きを置き、レジェンドダイバーを“日付あり”モデルにしました。きっと、デイリーユースの時計としては、こちらの方が正解でしょう。つまり、「メジャーな選択」としては、“日付あり”レジェンドダイバーの方が正解です。
しかし私は、レジェンドダイバーを、オリジナルの「忠実な復刻」にして欲しかったです。その私の個人的な想いから、今回は“日付なし”レジェンドダイバーをおすすめさせていただきました。こちらは、あくまで「マニアックな選択としての正解」ですが、きっと、一部の方には理解してもらえると思います。
“日付なし”レジェンドダイバーは、もう中古市場にしか存在しないモデルです。そのため、中古価格も上昇傾向にありますが、もし遭遇できれば、それはチャンスかもしれません!
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