高級腕時計の時計通信

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6.4.2018

左利きの人は、腕時計をどちらの腕につける? ~レフトハンドモデルの存在~

Komehyo

ブログ担当者:後藤

 

腕時計は、“左腕につける”ことが一般的です。特に日本人は右利きの人が多いので、腕時計を左腕につけることに抵抗がないはずです。

 

↑腕時計は、左腕につけることが一般的

 

では、左利きの人は、どちらの腕に時計をつければ良いのでしょうか?

 

特に左利きの方は、一度は考えてみたことのある疑問ではないでしょうか。

 

ただし、押さえておきたい点としてですが、そもそも「腕時計を右腕につけるか、左腕につけるか」は、自由な選択肢です。例えば、日本では多数派である右利きの人も、右腕に腕時計をつける人もいます。必ずしも「右利きの人は、左腕」と決まっているわけではないのです。そのため、もちろん右利きの人も「どちらの腕にするか」と考えることはあります。

 

しかし左利きの人は、日本では“少数派”という存在であることも事実です。左利きの人にとって、「一般的とは反対の右腕に時計をつける」という選択肢を検討することは、自然なことなのかもしれません。そのため、右利きの人よりも、左利きの人の方が「どちらの腕にするか」で悩むことは多いかもしれません。

 

では、左利きの人が考える「どちらの腕に時計をつけようか?」という疑問の正解は何でしょうか?それについては上でも書きましたが、“自由”ですので、どちらが正解ということはありません。好みで決めれば良いのです。

 

しかし現実として、“どちらの腕につけるか”によって、実用面などで違いが発生します。

 

そこで今回は、「腕時計を利き腕につけるか、逆の腕につけるか」という点について、“実用面”から考えてみたいと思います。さらに、左利きの人に向けて考案された「レフトハンド」モデルの存在も紹介します。

 

↑レフトハンドモデル

※パネライ/PAM00368

 

 

 

 

 

 

■「腕時計を利き腕につけるか、逆の腕につけるか」で、実用性が違う!

 

では、「腕時計を利き腕につけるか、逆の腕につけるか」で、実用性が違う点について説明します。その実用性の違いを明らかにしてくれる存在が、先に触れた「レフトハンド」モデルです。つまり、左利き用に作られたレフトハンドモデルを紐解けば、その違いが見えてくるのです。

 

 

まずは、上の画像をご覧ください。通常であれば時計のリューズは、ケースの右側(3時位置)にあります。しかし、レフトハンドモデルのリューズは、左側(9時位置)に設置されます。つまり、レフトハンドモデルのリューズ位置は、“通常と逆”ということです。

 

では、リューズを逆にすると、どんな利点があるのでしょうか?レフトハンドモデルのメリットを紹介しましょう。私が考えるメリットは、以下の3点です。

 

 

 

<レフトハンドモデルのメリット>

 

1. 左利きの人の操作性の良さ

 

2.左腕に着用時、リューズの“当たり”を気にせず使用できる

 

3.希少性

 

 

 

この3点が、レフトハンドモデルのメリットです。下で説明しましょう。

 

 

 

 

 

 

1.左利きの人の操作性の良さ

↑レフトハンドは左利きの人も操作がスムーズ

※グラハム「クロノファイター1695」

 

レフトハンドモデルは、リューズの位置が通常とは逆にあるため、左利きの人はスムーズな操作ができるようになります。

 

少し説明させていただきます。まずは、腕時計の一般的な状況を押さえてください。

 

一般的に、リューズの位置は時計本体の右側(3時位置)にあります。そのため、普通は“右手で”操作することになります。この“右リューズ”の設計が一般的な理由は、右利きの人が多いからなのでしょう。

 

また、一般的に腕時計は“利き腕と逆の腕”につけるという状況があります。多くの人は、左腕ということになります。これは、腕時計の誕生経緯が軍用としてであることが関係すると言われています。つまり、「銃器を構えながらでも時刻確認ができる腕」が左腕だからという理屈です。

 

実はこの腕時計の一般的な状況は、ある人にとって不親切な条件になります。それはもちろん、左利きの人です。まず、一般的にリューズは時計本体の右側にあるので、利き腕の左手で操作するには、腕時計を180度傾けてリューズを左にもっていくしかありません。さらに、仮に左利きの人が、“利き腕と逆の腕”である右腕に腕時計を着用したとします。そうすると、リューズが右側にあるために、着用中に左手では操作ができません

 

 

私は右利きですが、試しに、私も普段と逆の腕に時計をつけてみました。着用しながらリューズを操作しようとしても、当然そのまま操作することはできませんでした。また、人によるかもしれませんが、慣れない逆腕に時計をつけると、外すときに時計を落としてしまいそうになる危険を感じました。もしかしたら左利きの人は器用なのかもしれませんが、私は、「リューズを操作をするために必ず腕時計を外さないといけない環境」は大変に感じました

 

私はこの時に思いました。「左利きの人とっては、リューズが左側にあった方が良いんだろうなぁ」と。

 

やはり、レフトハンドモデルの“逆リューズ”は、左利きの人にとって大きなメリットになりそうです。

 

 

 

 

 

 

2.左腕に着用時、リューズの“当たり”を気にせず使用できる 

↑左腕につけるレフトハンドは

リューズの“当たり”が気にならない

※パネライ「PAM00026」

 

また、「腕時計を利き腕につけるか、逆の腕につけるか」という観点で考えるときに、レフトハンドモデルは“右利き”の人にもメリットをもたらします。

 

例えば、パネライのようなケース径が大きな時計の場合は、“リューズも大きい時計”になる傾向にあります。大きなリューズは、“飛び出している”ように感じるかもしれません。そのような腕時計をつけると、手首にリューズが“当たる”感じが気になる人もいるのです。

 

特に、自転車やバイクに乗る人は、日常的にハンドルを握るために手首を曲げます。その方々のように手首を曲げる場面が多い人は、“リューズの当たり”という点が無視できない要素になるかもしれません。

 

普段、私はそこまで大きなサイズの時計を着用しませんが、こちらも自己体験をしてみました。パネライを試着してみたところ、手首を多く動かす様な作業の際には、確かに手の甲にリューズが当たります。後は、「気になるか」「気にならないか」の問題です。私はそこまで気にしませんが、「人によっては、気にする人もいるだろうな」と感じました。

 

では、リューズが逆側にあるレフトハンドモデルならどうでしょうか。左手にレフトハンドモデルを着用すると、リューズ位置は手の甲と反対側にきます。そのため、手首を曲げるような動作をしても、全く気になりませんでした

 

右利きである私にとっても、リューズ位置が反対側にくるレフトハンドモデルには、メリットを感じました。きっと左利きの人が、通常の“右リューズ”の腕時計をつけても同様でしょう。

 

 

 

 

 

3.希少性 

 

↑レフトハンドは希少性がある

※ジン「EZM3F」

 

ここまでは、レフトハンドモデルの実用性に注目しましたが、最後の点は少し脱線かもしれません。ただし、レフトハンドモデルのメリットの一つですので、紹介します。

 

それは、“生産数が少ない”という希少性です。

 

本来、左利きをターゲットに製造されているわけですから、単純に生産数がは多くありません。お店で販売していることも少ないでしょうし、さらに、持っている人も少ないでしょう。通常のモデルとは一味違った、こだわりを表現することができるはずです。

 

↑こだわりを表現できるレフトハンドモデル

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

ここまでで、レフトハンドモデルのメリットを紹介しました。その内容から、「腕時計を利き腕につけるか、逆の腕につけるか」という命題の答えに近づけます。例えば、右利きの人は“右リューズ”、左利きの人は“左リューズ(レフトハンドモデル)”という設定にすると、以下のようにまとめることができます。

 

 

一つの答えとして、

 

リューズが利き腕で操作できる」というメリットをとる

“利き腕と逆の腕につける”

 

です。

 

 

そして別の答えとして、

 

リューズの“当たり”を気にせずに使える」というメリットをとる

“利き腕につける”

 

です。

 

 

ただし、もし利き腕に対する“逆リューズ”を選ぶ場合は、「利き腕で操作をしやすい」というメリットはなくなります。そして、つける腕によっては、「リューズの“当たり”を気にせず使える」というメリットもなくなる場合があります。しかし、ご安心ください。実はここまでは、“リューズを中心とした実用性”に焦点を当てていましたが、その他にもメリットがあるのです。

 

例えば、「“書く”動作をするときに、利き腕に腕時計がない方が楽」という利点です。

 

↑書くときは、腕時計が利き腕にない方が楽

 

その他に、実用面と離れたとことでも利点を見出しましょう。例えば、左腕に腕時計をすることは一般的なスタイルです。そのため、左腕の着用だと、「なぜ右腕に時計をしているの?」という周囲からの質問を避けることができます。この質問をいちいち聞かれることが煩わしい人は、メリットかもしれません。逆に言うと、腕時計を右腕に着用することは、周囲から“こだわりのあるつけ方”と見てもらえることもあるでしょう

 

最後にここまでの内容をまとめておきましょう。

 

もし皆さんの中で「どちらの腕に時計をつけようか?」と悩んでいる方がいれば、上で挙げた「どのメリットを優先するか」を考えてみてください。きっと、答えが見つかるはずです!

 

 

 

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