25.7.2017
【番外編】はじめての高級筆記具の選び方 その③~万年筆のインク補充形式について~
Komehyo
ブログ担当者:栗田
以前の記事「はじめての高級筆記具の選び方 その②~自分に合った万年筆の選び方~」では、はじめて万年筆の購入を検討している方に向けて、当社スタッフおすすめの「選ぶポイント」を紹介させていただきました。
今回は、最後に少し触れられている「万年筆のインクの補充形式」についてご紹介したいと思います。
万年筆といえば、瓶に入ったインクとセットになっているイメージがあるのではないでしょうか?
また、もしかするとそのイメージから、「万年筆は面倒臭い、とっつきづらい」と敬遠してしまっている方も多いのではないでしょうか?
確かにかつては、ボトルからインクを補充する形式が一般的でした。しかし、今ではよりお手軽にインクを補充できるタイプの万年筆も登場しています。
どのタイプを選ぶかは、万年筆を使いたいシーンに合わせて選ぶとよいかと思います。さっそく、どんな種類があるのか見ていきましょう!
まず前提として、万年筆のインク補充方法は大きく分けて3つに分類することができます。
「吸入式」
「カートリッジ式」
「コンバーター式(両用式)」
の3つです。
それぞれがどんな形式で、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
ひとつずつまとめてみます。
◆吸入式
吸入式は、ボトルに入ったインクをペン先から吸い上げることで万年筆の内部にインクを補充する形式です。先に述べた一般的な万年筆のイメージ通りの形式がこの吸入式になり、最も古くから使用されています。
高級ブランドの万年筆によく採用されている形式です。
吸入式のメリットとは?
吸入式のメリットは何といっても、「万年筆を使っている!」という実感が湧き、愛着が感じられることではないでしょうか。
吸入式万年筆の愛用者は、このインクを充填する手間こそが万年筆を保有する醍醐味と捉え、楽しんでいる方が多いように思います。
また、万年筆内部に直接インクを補充する形状から、他の形式に比べインクを一度に多く吸入することができます。
吸入式のデメリットとは?
吸入式のデメリットは、インクの補充に手間がかかってしまうことです。
またボトルインクがないと補充ができませんが、ボトルインクは持ち歩くには不便な上、インク漏れのリスクもあるため、オフィスや自宅などいつでもインクを補充できるシーンでの使用や、署名などそこまでインクを大量に使用しないシーンでの使用に向いているといえます。
◆カートリッジ式
カートリッジ式とは、インクの入ったカートリッジを万年筆に差し込むだけで使用出来る方式です。
ボールペンと同じように、インクが切れた際は新しいカートリッジインクを差し込むだけで使用が可能です。
カートリッジ式のメリットとは?
カートリッジ式のメリットは、吸入式に比べインク補充が簡単かつスピーディに行えるという点です。
また、カートリッジインクは持ち運びもしやすいため、出先でも簡単にインク補充が行えます。
カートリッジ式のデメリットとは?
カートリッジの価格が一般的にボトルインクと比べて高く設定されているため、手軽さと引き換えにランニングコストが高くついてしまうことが難点です。
また、インクの選択肢が吸入式に比べて狭まることも挙げられます。
◆コンバーター式(両用式)
コンバーター式は、取り外しが可能なボトルインクを吸入する器具(コンバーター)を装着し、ペン先から吸入式と同じようにインクを補充する形式です。また、コンバーターを取り外せばカートリッジを装着することも可能なことから、「両用式」とも呼ばれます。
コンバーター式のメリットとは?
メリットは、使うシーンに応じてコンバーターとカートリッジを使い分けできる点です。ご自宅やオフィスでは割安なボトルインクを使用し、出先など急なインク切れが心配な場合だけ替えのカートリッジインクを携帯しておくことで、スピーディかつ手軽にインクの補充が可能です。
また、コンバーターが劣化してしまった場合、万年筆本体でなくコンバーターのみを交換すれば良いためコストパフォーマンスにも優れているといえるでしょう。
コンバーター式のデメリットとは?
吸入式万年筆に比べ、コンバーター式万年筆はどうしても一度のインク充填量の面で劣ります。
いかがでしょうか?
3つのインク補充形式を紹介しましたが、近年主流となってきているのはコンバーター式です。
また、私個人としてもコンバーター式を強くおすすめします。
なぜなら、コンバーター式は万年筆を使用する上で一番の楽しみとも言えるボトルインクからの吸入を行え、さらにカートリッジインクを使用出来る、まさに「所有する愉しみ」と「利便性」のいいとこ取りの形式だからです!!
万年筆を購入される際にはインク補充形式もチェックすべきポイントのひとつになりますが、その際にこの記事がお役に立てれば幸いです。
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