16.6.2017
ジャガールクルト|レベルソの用語解説 ~難解な“レベルソ用語”を知る~
Komehyo
ブログ担当者:那須
ジャガールクルトの代表モデル「レベルソ」。
前回の投稿では、レベルソを理解するために、“サイズバリエーション”を紹介しました(※1)。しかし、レベルソをさらに知るためには、“レベルソ用語”を理解する必要があります。
例えば、次の用語はレベルソの種類を表します。
「デュオ」
「デュエット」
「デュエットデュオ」
↑「両面時計」のレベルソ・デュオ
これらの用語は、「両面時計のレベルソ」を表す用語です。しかし、レベルソについての知識がないと、その違いまでは分からないと思います。もちろん、これらの用語以外にも、レベルソにはいくつかの“専門用語”があります。
そこで今週は、レベルソをより理解するために、少し難解に思える“レベルソ用語”の解説をいたします。是非、お読みください。
■“時計本体の大きさ”を表す用語
前回の投稿ではレベルソの“サイズバリエーション”を紹介しました。その中で、“時計本体の大きさ”を表す用語も登場しています。前回はサイズに特化して紹介しましたので、今回は、その意味も含めて解説します。
①「クラシック(サイズ)」
レベルソ用語において、「クラシック」は「昔ながらのサイズのレベルソ」を指す用語です。また、特殊なモデルを除いては、“2針”モデルであることも特徴です。
私はどこかで、「本当に一流の人間はシンプルな2針時計を使う」という言葉を耳にしたことがあります。確かその所以は、一流ならば時間に追われないので、秒針は必要ないという事だったと記憶しています。クラシックサイズは秒針をもちませんし、何なら本体ケースを裏面に反転させると、時分針さえも隠すことが可能です。まさに、究極の一流時計かもしれません、
しかし、2016年のラインナップ刷新により、「レベルソ・クラシック」というシリーズが誕生しました。そのため、2016年以降の「クラシック」という用語は、サイズではなく「シリーズ名」を指します。
②「ビッグレベルソ」
上で述べたように、クラシックサイズのレベルソが“昔ながらのレベルソ”です。時を経て、徐々に時計サイズのトレンドは、大きなものにシフトしていきます。その中で登場したのが、「ビッグレベルソ」です。クラシックサイズより一回り大きなモデルで、基本は「手巻式、スモールセコンド(6時位置)あり」のモデルです。私の印象としては、日本人にフィットしやすいサイズのレベルソで、一番の売れ筋モデルという印象があります。
③「グランド」サイズ
↑グランドレベルソGMT
(上:表面、下:裏面)
さらに時計サイズのトレンドが大型化に向かい、登場したのがビッグレベルソより大きい「グランド」サイズです。特徴は、ゼンマイ残量表示、ビッグデイト、昼夜表示など、基本的に何かしらの機能が付加される点です。大きな本体ケースには内部に十分なムーブメントスペースがあり、ムーブメントへの“味付け”がしやすいのです。そのため、グランドサイズには、様々な機能をもつレベルソがラインナップされます。また、自動巻モデルも存在するのも特徴かもしれません。
グランドサイズ登場から何年かの時を経て、シンプルフェイスの「グランドレベルソ976」も登場しました。
■“機能”と“デザイン”を表す用語
①「デュオ」
↑左:表面、右:裏面
レベルソの基本モデルは、反転する裏面は“何もない金属の面”です。その裏面にも時計を組み込み「両面時計」にしたモデルがあります。そのひとつが男性用両面時計「デュオ」です。面白い点は、ムーブメントです。ムーブメントを車のエンジンに例えると、デュオは2つのエンジンで両面の時計を駆動するのではなく、ひとつのエンジンで両面時計を駆動しています。
通常は両面の時計は同じ時刻を刻みます。しかし、側面にあるボタンを押すと、裏面の時刻だけ別の時刻に変更できる点が特徴です。つまり、GMT機能として使える時計なのです。また、裏面と表面の文字盤カラーが異なる点も、面白い要素です。
②「デュエット」
↑左:表面、右:裏面
別の「両面時計」として、「デュエット」が存在します。デュエットは女性用モデルであり、「表面は通常フェイス、裏面は宝飾時計」という魅力的なモデルです。基本的に、裏面にはダイヤモンドがセットされます。普段は表面で“普通の時計”として使い、ドレスアップ時には裏面にして“イブニングウォッチ”として使うイメージです。この変身デザインは、多くの女性に支持されています。また、表面と裏面の時刻は常に連動しており、片面のみを別の時刻にすることはできません。
③「デュエットデュオ」
デュエットの上位機種が、「デュエットデュオ」です。こちらも女性用の両面レベルソですが、最大の特徴は、裏面の時刻だけ別の時刻に変更できる点です。これは、男性用のデュオと同じく、ケース側面のボタンを押すと裏面の時間が変更できます。つまり、女性用GMTモデルなのです。
④「グランスポール」
レベルソシリーズ内におけるスポーティモデル、それが「グランスポール」です。“曲線”を取り入れたのケースサイドに、夜光塗料を使った針とインデックスが特徴です。レベルソが手巻式とクォーツ式のみだった時代に、自動巻式を採用した画期的なモデルでもありました(全モデルではありません)。
⑤「スクアドラ」
基本的にレベルソは長方形の“レクタンギュラー”ケースです。そのレベルソの亜種として登場したのが、正方形に近い“スクエア”ケースを持つ「スクアドラ」です。
そもそも、長方形のレベルソは、ムーブメントも“長方形専用”である必要があります。長方形用のムーブメントは、独自のノウハウが必要で、業界内でも特殊な部類です。そのため、難易度は高めになります。一方、一般的な腕時計と言えば“丸型”が普通ですので、“ムーブメントは丸い”ことが一般的です。ここで正方形のレベルソの利点が見えます。正方形のケースであれば、丸型ムーブメントの搭載が可能で、同社の丸型ライン“マスターシリーズ”からムーブメントが転用できるのです。実際にスクアドラは、クロノグラフやGMT機能が難なく搭載されるレベルソとして、面白い存在になっています。
■最後に
上で紹介したように、レベルソには様々な用語があります。初めてその用語を聞いても理解できないと思いますが、一度覚えてしまうとピンとくるはずです。
もちろん、今回紹介した以外にも様々な“レベルソ用語”があります。例えば、「デュオデュオ」、「カラーデュオ」、「デコ」、「アールデコ」、「サンムーン」、「ブルーアイス」などなど、様々な用語が登場します。もし興味があれば、是非、レベルソの世界に足を踏み込んでみてください。きっと、知れば知るほど、そこには面白い世界が待っているはずです!
※1・・・前回投稿も是非ご参照ください
→ジャガールクルト|「レベルソ」の選び方 ~レベルソの種類(サイズ)をわかりやすく紹介~
※おすすめ投稿記事
「【世界に500本しかない歴史的名作】ジャガールクルト「レベルソ トゥールビヨン」(レベルソ コンプリカシオン第2弾)」
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