3.7.2015
IWC「ポルトギーゼクロノグラフ」のマニアックな選び方
Komehyo
ブログ担当者:須川
「ポルトギーゼクロノグラフ」は1998年の登場以来、IWCの最も人気のあるモデルとして君臨しています。この時計に憧れている男性も多いのではないでしょうか?今週はこのポルトギーゼクロノグラフのマニアックな選び方を紹介したいと思います。
↑ポルトギーゼクロノグラフ
■ポルトギーゼクロノグラフは洗練されたモデル
以前、私は当社の時計売場の女性スタッフに「男性に着けて欲しい腕時計のNO.1は何ですか?」という質問をぶつけてみたことがあります。
その結果、最も多かった回答がこの「ポルトギーゼクロノグラフ」でした。
ポルトギーゼクロノグラフは厚みが7.9mmあるETA社製Cal.7750ベースのムーブメントを搭載していますが、1990年代の同じムーブメントを搭載した他のモデルはどうしても無骨なデザインになることが多く、ポルトギーゼクロノグラフのように洗練されたデザインのものはなかなかありませんでした。ポルトギーゼクロノグラフが洗練されている理由は、「手の込んだ立体的なリーフ針とインデックス」、「上質な文字盤」、「無反射コーティングが施されたドーム型のサファイアガラス」、「ケースを厚く見せないように工夫されたケースと裏蓋」、「スタイリッシュなプッシュボタン」などが挙げられると思います。
↑人気のIW371446
↑IW371445
↑IW371447
↑廃番後レア度が増した
IW371411:通称「パンダ文字盤」
↑こちらも廃番モデルの
IW371404:通称「逆パンダ文字盤」
※2017年、ステンレスモデルに、ブルー文字盤のIW371491が追加されました(2017.10.22追記)
↑IW371491(新色の「ブルー」)
■ポルトギーゼクロノグラフの変更点を整理
ポルトギーゼクロノグラフはロングセラーモデルですので、現在までにマイナーチェンジがあります。
分かりやすいところで言うと、文字盤のラインナップが変わりました。ステンレス素材のモデルを例に挙げると、全体がシルバー色でインダイヤルが黒色の通称「パンダ文字盤」と言われるモデルと、全体が黒色でインダイヤルがシルバー色の通称「逆パンダ文字盤」のタイプが廃番となっています。現在は全体が黒一色の文字盤と、シルバー色に青色のインデックスの文字盤と、シルバー色に金色のインデックスの文字盤が現行モデルとしてラインナップされています。
その他の変更点といえば、クラスプの変更が挙げられます。かつてのポルトギーゼクロノグラフは尾錠タイプでしたが、現在はDバックル(開閉式)タイプになっています。
↑尾錠(旧)
↑Dバックル(新)
そして、私が個人的に注目するポイントはインデックスの加工方法です。かつては「エンボス加工」でインデックスに立体感を与えていましたが、現在は「アプライド(植字)」で立体感を与えています。
「エンボス加工」とは、裏面から一部を押し上げて、表面の一部分を立体的にする手法です。「車のナンバープレートの数字部分」を思い浮かべていただくとイメージしやすいと思います。「アプライド」とは植字のことで、別の部品を取り付けることを意味します。つまり、アプライドインデックスの「1」「2」「3」などの数字は別部品が文字盤に取り付けられています。「インデックスを立体的にする」という同じ用途でも、ポルトギーゼクロノグラフは新旧で異なった手法を用いているということです。時計業界の中では、後者のアプライドの方が一般的な手法です。
↑エンボス加工(旧)
↑アプライド(新)
■最後に
現行モデルを選べば「Dバックル」という実用性が得られるメリットがありますが、私の個人的なおすすめは、「エンボス加工インデックス」のポルトギーゼです。もちろんアプライドの方がインデックスにより立体感を与えられますが、私は「初期モデルが採用した手法」で作られたポルトギーゼクロノグラフの方に魅力を感じます。つまり、初期モデルのポルトギーゼクロノグラフが私のおすすめモデルです。
前述したように、ポルトギーゼクロノグラフは発売当時、巷の他の自動巻クロノグラフよりも「手の込んだ作り」で市場に登場しました。エンボス加工のインデックスは、その「手の込んだ作り」のひとつの大事な要素だと思います。私はその初期のポルトギーゼクロノグラフの製作にかけられた、「他社製品より手の込んだ時計を作ろう」というIWCの情熱が色濃く表現されているタイプをとても高く評価しています。
私のおすすめはあくまで個人的な意見ですので、皆さんは、それぞれの価値観で評価していただければ良いと思います。新旧のポイントを把握した上でポルトギーゼクロノグラフを眺めてみると、よりマニアックな選び方ができるのではないでしょうか?
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