16.3.2018
ロレックス|シードゥエラーとはどんなモデル? ~其の一、サブマリーナとシードゥエラーの違い~
Komehyo
ブログ担当者:篠田
ロレックス(ROLEX)のダイバーズウォッチと言えば、「サブマリーナ」が有名です。しかし、別のダイバーズウォッチとして「シードゥエラー」もあります。
↑上:シードゥエラー116600
下:サブマリーナ116610LN
上の画像は、シードゥエラーとサブマリーナです。細かな違いこそあれ、外観はほとんど同じに感じるのではないでしょうか。しかし、それは当然なのです。
なぜなら、シードゥエラーは“サブマリーナのバリエーションモデル”だからです。
では、サブマリーナとシードゥエラーの違いは何でしょうか?下で紹介しましょう。
■サブマリーナとシードゥエラーの違いとは?
サブマリーナとシードゥエラーは有名なモデルだけに、この2つのモデルの違いをご存知の方も多いかもしれません。端的に言うと、シードゥエラーはサブマリーナより高い防水性能を持つ、ハイスペックダイバーズウォッチです。下で、性能の違いを比較してみましょう。
<サブマリーナとシードゥエラーの性能比較>
※型式116610LNと116600で比較
①防水性能
・サブマリーナ:300m
・シードゥエラー:1220m
②エスケープガスバルブ(ヘリウムガス抜き装置)
・サブマリーナ:なし
・シードゥエラー:あり
③サイクロップレンズ(日付拡大レンズ)
・サブマリーナ:あり
・シードゥエラー:なし
上で紹介した3点が、よく言われるサブマリーナとシードゥエラーの違いです。もちろんその他に、デザイン上も細かな違いがあったり、世代によっての違いもあります。例えば、シードゥエラーの初期は現在と異なり610m防水でした。また、現在の最新のシードゥエラーにはサイクロップレンズを採用しています。それでも、一貫して言えることは、「“サブマリーナを超える防水性をもつ存在”という点が、シードゥエラーの立ち位置である」ということです。
■なぜロレックスはシードゥエラーを作ったの!?
では、なぜロレックスはサブマリーナという優秀なダイバーズウォッチを持ちながら、シードゥエラーを作ったのでしょうか?それは、登場の経緯も関係しますので、少し歴史を振り返りながら紹介しましょう。
↑なぜシードゥエラーは作られた?
シードゥエラーの開発にはサブマリーナの故障が関わっています。
かつて、フランスに潜水作業専門会社のコメックス(COMEX)という会社がありました。海洋調査、水中作業を主な業務とする会社です。このコメックス社は、ロレックスのサブマリーナに高い信頼を寄せており、作業ダイバーたちは潜水作業中にサブマリーナを着けていました。しかしある時、同社のダイバーが着けていたサブマリーナの風防(ガラス)が吹き飛ぶ事故が発生したそうです。原因は、時計内部にたまったヘリウムガスが減圧に耐えられず、膨張して内側から風防を吹き飛ばしたようでした。
この報告を受け、ロレックスは“プロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチ”を作るべく動き出します。そして、試行錯誤の後に誕生したモデル、それが初代シードゥエラー(型式1665)だったのです。ヘリウムガスを排出するためのエスケープガスバルブが搭載され、防水性はサブマリーナを凌駕する610mでした。風防は高い水圧に耐えられるように、サブマリーナにあるサイクロップレンズは省かれました。
↑初代シードゥエラー1665
(1967年登場/610m防水)
この誕生の経緯から見ても、シードゥエラーは“サブマリーナのバリエーションモデル”なのです。ただし、ロレックスは、サブマリーナのデザイン的完成度の高さ故に、シードゥエラーとサブマリーナの外観を大きく変えることはありませんでした。つまりシードゥエラーは、「外観はほとんどサブマリーナでありながら、サブマリーナとは違うモデル」という面白い存在になったのです。
■最後に
ここまでで紹介したように、シードゥエラーは「サブマリーナのようで、サブマリーナでない」面白いモデルです。この存在が故に、シードゥエラーを選んだ方は、「敢えてサブマリーナを外す」という心持ちでシードゥエラーを選択したように感じます。
しかし、現在は状況が変わりました。
ロレックスは最近、シードゥエラーを“サブマリーナのバリエーションモデル”という立ち位置から脱却させました。それについては、次回の投稿で紹介しますので、是非ご覧ください。
※次回の投稿はこちら
↓↓↓
「ロレックス|シードゥエラーとはどんなモデル? ~其の二、サブマリーナの“バリエーションモデル”からの脱却~」
※おすすめ投稿記事
「【考察】ロレックスの認定中古が始まることによる影響とは?」
※おすすめ動画
TAGLIST
- A.LANGE&SOHNE
- , AUDEMARS PIGUET
- , Bell&Ross
- , BLANCPAIN
- , Breguet
- , BREITLING
- , BVLGARI
- , CARTIER
- , CASIO
- , CHANEL
- , CHOPARD
- , CITIZEN
- , F.P.JOURNE
- , FRANCK MULLER
- , G-SHOCK
- , Girard-Perregaux
- , Glashütte Original
- , HAMILTON
- , HERMES
- , HUBLOT
- , IWC
- , Jaeger-LeCoultre
- , Longines
- , MAURICE LACROIX
- , MORITZ GROSSMANN
- , NEXT VINTAGE
- , NOMOS
- , OMEGA
- , ORIS
- , PANERAI
- , PATEK PHILIPPE
- , PIAGET
- , RICHARD MILLE
- , ROLEX
- , SEIKO
- , SINN
- , SWATCH
- , TAG HEUER
- , TISSOT
- , TUDOR
- , Ulysse Nardin
- , VACHERON CONSTANTIN
- , VINTAGE
- , ZENITH
- , その他
- , パテックフィリップ
- , ファッション
- , 人物
- , 時計一般知識
- , 独立時計師
- , 筆記具
- , 革靴
more
-
NEXT ARTICLE
次の記事へ
17.3.2018
ロレックス|シードゥエラーとはどんなモデル? ~其の二、サブマリーナの“バリエーションモデル”からの脱却~
-
PREVIOUS ARTICLE
前の記事へ
9.3.2018
【腕時計の名作を知る!】ジャガールクルト「マスターブラック メモボックス」 ~型破りな“裏スケ”アラームウォッチ~