3.2.2017
ロレックスの不思議なモデル“サンダーバード”とは?
Komehyo
ブログ担当者:栗田
ロレックスには不思議なモデルがあります。そのモデルは“サンダーバード”と呼ばれています。
↑サンダーバード(型式16264)
ロレックスと言えば、サブマリーナのような“スポーツモデル”やデイトジャストのような“ドレスモデル”のイメージがあるのではないでしょうか?
↑ロレックスと言えばこのようなイメージ
※左:サブマリーナ、右:デイトジャスト
ところがサンダーバードは、全体のデザインはデイトジャストでありながらサブマリーナのように回転ベゼルをもつのです。
つまり、サンダーバードはデイトジャストとサブマリーナを合わせたようなデザインなのです。なんとも不思議なデザインです。しかし、この不思議なデザインがサンダーバードの大きな魅力なのです。今週は、サンダーバードの魅力に迫ります。
◆“サンダーバード”はニックネーム!
ロレックスに明るい方であればご存知だと思いますが、“サンダーバード”は正式なモデル名ではなくニックネームです。正式なモデル名は「(オイスターパーペチュアル)デイトジャスト」です。しかし実際には、「デイトジャスト」と呼ばれることはあまりなく、やはり「サンダーバード」と呼ばれることがほとんどです。ではなぜサンダーバードという呼称はこれほどまで高い知名度を誇るようになったのでしょうか?少しサンダーバードの歴史を振り返ります。
サンダーバードの登場は60年ほど前の1956年まで遡ります。アメリカ空軍アクロバットチーム“サンダーバーズ”の隊長ドン・フェリス氏の引退記念として、“デイトジャストに回転ベゼルを搭載したモデル”を特別発注したことが始まりです。それが由来で「サンダーバード」と呼ばれることになります。実は、ロレックスの回転ベゼル搭載モデルは1953年のターノグラフ(Turn-O-Graph)が既に存在します。しかしこのモデルは、デザインを見てもサブマリーナの原型といえるものでした。それに比べて、サンダーバードはドレッシーなテイストを持っており、まさにデイトジャストの回転ベゼル搭載モデルという雰囲気でした。
サンダーバードは2004年に新生ターノグラフが登場したことにより約50年の歴史に幕を下ろしました。下で、簡単に系譜を記しておきます。
<サンダーバードの系譜>
第一世代:REF.6309 1956年頃発表
第二世代:REF.6609 1958年頃発表
第三世代:REF.1625 1962年頃発表
第四世代:REF.16250/16253 1977年発表
第五世代:REF.16264/162363 1988年発表
※その他ゴールド素材のモデルも存在します
↑左:1625、右16250
↑16264
上のように、サンダーバードは5世代にも渡り生産されました。しかし、搭載ムーブメントの変更や細かな仕様変更は多々あるものの、デザイン上の大きな変更は行われていません。このことが、“サンダーバード”というデザインコードがロレックスに存在する証でもあります。
◆サンダーバードの魅力は“不思議なデザイン”!
そして、サンダーバードの大きな魅力は何といっても“不思議なデザイン”です。つまり、「スポーツモデルでもない、ドレスモデルでもない」という曖昧なデザインが、時計愛好家の琴線に触れるのかもしれません。
さらに、別の興味深いポイントがあります。それは、バリエーションによって雰囲気が大きく変わるという点です。例えば下の画像を見ていただくと分かりやすいと思います。16263/16264の時代はブレスレットが2種類存在していますが、どちらのブレスレットが装着されるかによって雰囲気が大きく変わります。さらに、イエローゴールド色が入るかどうかによっても、大きく雰囲気が変わります。これは、サンダーバードが中間的なデザインをもつが故の特徴かもしれません。
↑16263(オイスターブレス)
↑16264(ジュビリーブレス)
さらに、文字盤カラーやインデックスの種類でもバリエーションがあります。
↑インデックスの種類
組み合わせ次第で“七変化”するサンダーバードは、本当に不思議なデザインです。
サンダーバードについて紹介しましたが、いかがでしたか?正式名称ではないにもかかわらず世間から“サンダーバード”と呼ばれ、バリエーション次第で雰囲気が七変化する不思議なモデルです。現在は生産終了となっており、さらにロレックスのメジャーモデルというわけでもありませんが、気が合う愛好家に愛されるモデルです。その独特の存在感こそが、サンダーバード最大の魅力かもしれません!
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