28.10.2016
中古時計のコンディションはこう見る! ~中古品の腕時計を買うときのコツ~
Komehyo
ブログ担当者:荒川
「高級腕時計を買おう!」と思ったときに、皆さんは新品と中古のどちらを選びますか?
どちらを選ぶかは発想の違いかもしれません。
「中古品には抵抗がある」という方は、新品を選ぶと思います。付属品も全てそろっており、状態面の心配もありません。また、「自分がつける傷は気にならないけど、他の人がつけた傷は気になる」という発想をする方もいます。純粋に、新品は気持ちが良いのです。
逆に、「中古品にすれば、予算内でワンランク上のものが買える」と発想する方は、中古品を選ぶと思います。さらに、新品の場合、選択肢が現行モデルのみに限定されてしまいますが、中古品であれば過去の名作など幅広い選択肢から選ぶことができます。そう、新品も中古も一長一短なのです。
もし、中古品を候補に挙げられた方は、次は“価格”と“コンディション”が気になる要素です。それは…
コンディション良い = 価格高い
コンディション悪い = 価格安い
という傾向を意識するからです。つまり、コンディション面のマイナス要素が受け入れられれば、抑えた価格で購入できる可能性が高いため、自分の中のボーダーラインを直感的に設けます。そして、お店で実物と自分のボーダーラインを比較しながら、納得のいく着地ポイントを探すのです。
↑コンディション面のマイナス要素を
受け入れられるか
その際に必要になるのが、“コンディションを見極める力”です。つまり、「時計のどの部分に注目すればコンディションを見たことになるのか」という点を把握することが大事です。例えば、金属ブレスレットの留め具部など、時計の部位によっては構造上どうしても傷がついてしう部分もあります。このような傷はコンディションのマイナス要素ではないのです。ただ、それを知らずに、その傷を気にして悩んでいても仕方ありません。
今週は、中古時計のコンディションの見方について紹介いたします。
■中古時計のコンディションの見方
中古品のコンディションを把握するには、部位ごとに見ていくと良いでしょう。文字盤と針、風防(ガラス)、ケースとブレスレット、ムーブメントに分けて解説いたします。
①文字盤、針
↑針に劣化がみられる
時計の顔とも呼べる文字盤から見ていきましょう。 まずは、文字盤の“焼け”についてです。文字盤は程度の差はありますが、どうしても紫外線などで変色をします。これを“焼け”と表現します。エイジングと言うこともあります。アンティークやヴィンテージの時計は“焼け”を肯定的に見る場合が多いですが、最近の時計であればマイナス評価になることが多いです。ただし、個人的には“焼け”の評価は主観での判断で良いと思います。「かっこよく焼けていればOK、汚く焼けていればマイナス」というニュアンスでしょうか。さらに、1990年前後ぐらいまでの文字盤に施されたラッカー塗料や、シェル(貝殻)文字盤はひび割れを起こすことがあります。よくチェックしましょう。
↑文字盤の焼けが肯定的に表現される
デイトナ“ブラウンアイ”
文字盤の劣化を改善したい場合の手段は2つです。メーカー修理で文字盤を交換するか、時計の修理屋さんで書き換え(リダン)するかです。昔は後者のリダンはよくある修理メニューでしたが、現在行っている修理屋さんは少なくなっています。
次に針です。金属製の針が劣化して腐食している場合があります。少しであれば気になりませんが、あまりにもざらついている場合は要注意です。あとは夜光塗料が塗られている場合は、夜光塗料の変色がないかを見ます。新しい夜光塗料は白色に近いですが、茶色っぽくなってくると焼けている状態です。ただこの焼けは、文字盤と同じく雰囲気が良ければマイナス評価しない場合があります。気になるようでしたら、多くのメーカーは針交換を行ってくれます。ただし、メーカー修理で“針限定の修理”は難しい場合が多く、その他のメンテナンスを伴う場合がほとんどです。
また、夜光塗料にも種類があり、トリチウムという種類は最近ではカプセルに密封しない限りは使用しなくなっています。そのため、トリチウムの夜光塗料を採用した部品を交換する場合は、ルミノバという種類の夜光塗料に変わることになりますので、注意が必要です。
文字盤は時計の顔とも呼べるので、ポイントをしっかり見て、自分が納得できるまでの劣化していないものを選ぶのが良いと思います。
(次回へつづく)
次回:「中古時計のコンディションはこう見る! ~風防、ケース・ブレスレット、ムーブメント~」
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