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14.6.2022

【10万円台で手に入るこだわりの国産時計】セイコーの“薄型”自動巻時計は一味違う!

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■【10万円台で手に入るこだわりの国産時計】セイコーの“薄型”自動巻時計は一味違う!

 

我が国が誇る、国産時計のトップメーカーはのひとつは、セイコー(SEIKO)です。

 

セイコーは“世界初のクォーツ腕時計”を開発した歴史をもっており、電池式の時計も得意としています。しかし最近は、高級時計ブームの流れの中で、自動巻式のセイコーウォッチも人気です。特にセイコーの自動巻時計は、スイスメーカーの自動巻時計よりも購入しやすい価格なので、現在、高級時計のエントリーモデルとして注目される存在です。

↑注目される自動巻のセイコーウォッチ

 

しかし、“自動巻セイコーウォッチ”が消費者から支持されている一方で、「モデルの選択肢が多すぎる」という問題点があります。特に、中古品までも選択肢に入れる方にとっては、過去の作品も選択肢に入るので、どれを買えばよいのか困ることになるでしょう。

 

そこで今回は、「こだわった“自動巻セイコーウォッチ”を選びたい」という方に向けて、おすすめモデルを紹介いたします。

 

今回、私は、少しマニアックにはなりますが、

 

“薄型”自動巻セイコーウォッチ

をおすすめしたいと思います。

 

この“薄型”自動巻セイコーは少し珍しい存在にもかかわらず、10万円台で購入できる可能性があるモデルなので、是非、気になる方は最後まで読んでみてください。

 

 

 

 

 

 

■“薄型”自動巻セイコーウォッチをすすめる理由

 

先に、私が“薄型”自動巻セイコーウォッチをすすめる理由を話しておきます。

 

それは、単純な理由で、

 

薄型モデルが珍しいから

 

です。

 

逆に言うと、

 

自動巻セイコーウォッチは厚みがあるタイプが一般的です。

↑自動巻セイコーウォッチは厚みがある

 

例えば、ロレックスのスポーツモデルは12㎜の厚みのモデルが基本です。ちょっと薄めのエクスプローラー1だと、11㎜強ぐらいになります。感覚的にも、私は、このサイズを業界スタンダードだと感じています。

 

それと比較すると、自動巻セイコーウォッチは、スポーツモデルで13㎜以上あり、ドレッシーなモデルでも12㎜近くあります。私の感覚では、このサイズは、「厚めである」と感じます。

 

“厚みがあるタイプ”が好みの方にとっては、自動巻セイコーウォッチは特に問題ないと思います。しかし、“ロレックスぐらいの厚み”が好みの方や、“薄めタイプ”が好みの方にとっては、少しこの厚さは抵抗があるかもしれません。しかし、自動巻セイコーウォッチのラインナップの大多数は、“厚めがあるタイプ”になっているのが現状です。

 

しかし、モデルは限られますが、“薄型”の自動巻セイコーウォッチが存在します。例えば、プレザージュSARA015というモデルは、厚さが9.8㎜です。業界スタンダードのロレックスよりも薄く、かなりスタイリッシュな時計です。

↑SARA015

 

上のプレザージュSARA015は、自動巻セイコーウォッチの中では圧倒的に薄く、10㎜を下回る薄さです。実際、私の周りの自動巻セイコーウォッチのユーザー方から、「かなり薄い」という感想がありました。なぜこのような感想が出るのかというと、薄型の自動巻セイコーウォッチは出回りが少ないため、多くのユーザーがこの薄さのモデルを見慣れてないからです。

 

この「出回りの少なさ」が薄型自動巻セイコーウォッチの魅力を上げており、ちょっとした“珍品”のような存在になっています。この”珍品”感も私のおすすめポイントのひとつです。

 

 

 

 

 

 

■“薄型”自動巻セイコーウォッチはどんなモデルがある?

 

先に説明したように、“薄型”セイコーウォッチは少し珍しい存在です。その理由は、対象となるモデルが少ないからです。下で、それらのモデルを紹介しましょう。

 

 

 

①プレザージュ/SARA015

これは先に紹介したモデルです。伝統を重んじるプレザージュシリーズなので、落ち着きのあるデザインに好感がもてます。9.8㎜厚のシースルーバックモデルです。2018年の1881本限定で、メーカー価格は240,000円税抜でした。執筆時点では、中古品が10万円台後半ぐらいで出回っています。

 

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②メカニカル/SARA001~

↑SARA009

 

こちらは2006年に登場した、伝統的な機械式時計を前面に押し出したシリーズです。ラウンド型のSARA001/SARA003/SARA005(メーカー価格180,000円税抜)、その琺瑯文字盤のSARA007/SARA009(メーカー価格200,000円税抜)が代表的なモデルです。こちらも薄型で10.2㎜厚です。最近は出回りが少ないですが、中古品では10万円前後の価格になることが多いです。

 

 

 

③キングセイコーKSK復刻/SDKA001

2021年に登場した、2代目キングセイコーの復刻限定モデル。限定本数は3000本。こちらも薄めに作られており、11.4㎜厚です。メーカー価格350,000円税抜き。現在、中古品の価格は30万円前後となっています。

 

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④アルピニスト1959復刻/SBEN001

2021年にプロスペックスシリーズから登場した、1959年のロレールアルピニストの復刻モデル。1959本(国内は300本)限定。こちらも薄型で、11.1㎜厚。メーカー価格は300,000万円税抜で、中古品は20万円台後半で出回っています。

 

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⑤クレドールシグノ/GCBW989~

↑GCBW989(メーカー価格34万税抜)

 

高級ドレスシリーズの「クレドール」にも薄型の自動巻ウォッチが存在します。例えば、GCBW989/GCBW991(8.8㎜厚)、GCBW993/GCBW995(9.3㎜厚)、GCBW997/GCBW999(11㎜厚)などです。特に、8.8㎜厚のモデルは、自動巻セイコーウォッチの中でかなり薄いモデルになります。これらは最近出回りが少ないですが、メーカー価格が30万円台で、中古品は20万円前後でした。

 

 

 

 

 

 

■“薄型”自動巻セイコーウォッチが特別な理由

 

ここまでで、いくつか“薄型”自動巻セイコーウォッチを紹介しました。どれも、厚みのある一般的な自動巻セイコーウォッチとは異なり、厚みが12㎜未満です。つまり、ロレックスよりも薄いセイコーウォッチです。まさに特別なモデルです。

 

これらが、他のモデルにはできない“薄型化”を実現できる要因は、ムーブメントにあります。

 

この“薄型”モデルの中には、

 

キャリバー「4L25」

(または、その派生機)

 

が入っています。

↑4L25の派生機「6L35」

 

4L25は、2006年に登場し、2013年ごろまで活躍したムーブメントです。主に、メカニカルシリーズに搭載されました。派生機としては4L75があり、クレドールに搭載されました。その後、2018年には現行の6L35が登場し、先のプレザージュ・キングセイコー・アルピニストのムーブメントとして、その技術が今に引き継がれています。

 

例えば、6L35のスペックは次の通りです。

 

 

<6L35スペック>

 

直径25.6×厚さ3.69mm

26石

28,800振動/時(8振動/秒)

日差+15秒~-10秒

パワーリザーブ最大約45時間

日付機能

秒針停止機能

 

 

これは、現在のセイコーがもつムーブメントの中では、かなり薄いサイズの自動巻機です(例えば、グランドセイコーの9S65は、2mm以上厚い5.9mm )。しかし現在、セイコーはこのムーブメントを主役にすることはありません。それは、このムーブメントが特殊な存在だからです。

 

実は、4L25は、スイスへの供給を見越して作られたと言われています。これは、スイス最大のムーブメントメーカーETA社が、薄型メイン機2892A2の供給を削減する方針を打ち出したことが発端です。それをビジネスチャンスと捉えたセイコーが、スイスメーカーに提供できる代替機として、ほぼ同サイズ・同スペックでムーブメントを開発しました。2892A2のサイズが直径25.6㎜×厚さ3.6㎜なので、4L25がやや厚いぐらいです。石数は2892A2が21石なので、セイコーの方がより多い石を使っています。

↑ETA社の2892A2

 

そのセイコーの目論見はある程度現実となり、現在、4L25はスイスのソプロード社の「A10(M100)」ムーブメントの基本設計に採用されています。例えば、シャネルのJ12、フランクミュラーの自動巻など、特定のスイス時計の内部でその技術が活かされています。

 

つまり、4L25系のムーブメントは、「スイス基準で通用するスペック」が基礎体力にあります。そのムーブメントが搭載されている訳ですから、“薄型”自動巻セイコーウォッチには魅力を感じるユーザーもいるでしょう。特に、先の紹介で挙げたSARA015など10万円台で手に入るモデルは、よりお買い得感があるでしょう。

 

私のマニアックな視点から見ても、4L25系ムーブメントは、ETA2892A2の代替を狙いながらも、異なる点も持っているので興味深いです。例えば、2892A2をシースルーバック越しに覗いても、コハゼを見ることはできません。しかし、セイコーの4L25系ムーブメントには、見える部分にコハゼがあります。伝統的な手巻き時計を思わせるようなコハゼが裏から見えるので、私としては「ETAとは違う」と個性を感じます。そのようなマニアックな点が感じられるところも、4L25系の面白いポイントです。

 

 

 

 

 

 

↑6L35のコハゼ

 

この4L25系ムーブメントは、その登場経緯から考えても、セイコー自動巻ムーブメントの主役としては使い難い存在でしょう。だから、搭載モデルが限定的なのだと思います。ただ、逆に言うと、「特別感がある」とも表現できるので、今回のおすすめ時計に挙げさせていただきました。

 

“薄型”自動巻セイコーウォッチに興味がある方は、是非、店頭で試着をしてみてください。一般的な自動巻セイコーウォッチとは異なる、

「薄さ」を体験して、その魅力を感じてみてください!

 

 

 

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