7.8.2021
【時計愛好家に響くモデル】ジャガールクルト|「マスター」シリーズの黒文字盤、“マスターブラック”の魅力
Komehyo
ブログ担当者:須川
■【時計愛好家に響くモデル】ジャガールクルト|「マスター」シリーズの黒文字盤、“マスターブラック”の魅力
ジャガールクルトには、「レベルソ」と並ぶ代表シリーズに、「マスター」シリーズがあります。今回は、このマスターシリーズの中から、魅力的なモデルを紹介します。それは、「マスターブラック」と呼ばれる、1990年代を中心に存在する黒文字盤タイプです。
↑マスターブラック(マスタームーン)
「マスターブラック」という通称をもつ黒文字盤のマスターは、基本的にシルバー文字盤を採用するマスターシリーズにおいて、一味違う雰囲気を感じさせます。そのため、マスターシリーズの魅力的な“変化球”モデルとして、時計愛好家に受けが良いのだと思います。
もしかすると、「文字盤が黒いだけで、何が凄いんだ?」という声もあるかもしれません。そこで今回は、1990年代に輝いた、このマスターブラックの魅力を伝えたいと思います。
■「マスター」シリーズの“マスターブラック”とは?
先に、マスターブラックのことを説明します。
まず、ジャガールクルトが「マスター」シリーズを登場させたのは、1992年のことです。このシリーズは、デザインとしては伝統的なラウンドタイプで、長方形デザインのレベルソとは異なるアイデンティティをもっています。ジャガールクルトは、このマスターシリーズを重要なポジションに据えており、今では、同社の代表シリーズのひとつとなっています。現在はシリーズも整理されており、「マスターコントロール」「マスターウルトラスリム」「マスターグランドトラディション」に分けられて展開しています。
↑通常のマスターシリーズはシルバー文字盤
※画像はビッグマスター
そして、このシリーズの最大の特徴は、ジャガールクルトの自社検査「1000時間コントロールテスト※」を通すシリーズであることです。実際、このテストを通しているマスターシリーズの時計には、証として裏蓋側に「マスターコントロール」という刻印がされています。この1000時間コントロールテストはマスターシリーズから始まりましたが、今では、他のシリーズにも採用されるようになっています。
↑裏蓋には「MASTER CONTROL」の刻印
※1000時間コントロールテストについては、以前の投稿で説明していますので、そちらもご覧ください。
↓↓↓
やりすぎ感がおもしろい! ジャガールクルトの「1000時間コントロールテスト」 ~マスターコントロールから始まる自社検査~
そして、マスターシリーズのデザインですが、基本的にはシルバー色の文字盤を備えます。これは、マスターシリーズが、“伝統的なデザイン”を基本にしているからだと思います。しかし、ジャガールクルトは、1990年代にマスターシリーズに黒文字盤を追加します。それが、通称「マスターブラック」です。
↑マスターブラック(マスタージオグラフィーク)
マスターブラックの仕様を見ると、明らかにジャガールクルトは差別化をしたいのだと感じます。それは、「文字盤カラーを黒色にする」という点以外に、「裏蓋をシースルーにする」という特別な仕様も付随するからです。
つまり、
黒文字盤 + シースルーバック
という仕様にされた特別な存在が、マスターブラックなのです。
ただし、最初に「シルバー文字盤=金属裏蓋」「黒文字盤=シースルーバック」という棲み分けをしていたマスターシリーズも、時代を経るにつれて、その棲み分けを止めるようになります。なぜなら、シルバー文字盤がシースルーバックを持つモデルが現れるからです。この時点で、マスターブラックの“差別化モデル”という役目は減ったように感じます。
■「マスターブラック」の魅力とは?
では、ここからは、私が思う、マスターブラックの魅力を紹介します。
魅力①:デザインの良さ
マスターブラックは、そのかっこいいデザインが魅力です。そのかっこよさの要素のひとつは、“漆黒の文字盤”です。つまり、だた「黒い」だけではないのです。その黒は、かなり濃い色をしており、深みを感じます。そして、艶消しでなく、光沢のある黒色をしています。まさに、高級時計らしい黒文字盤です。
そして、差し色に赤いポイントを採用する点も、かっこいい要素でしょう。実際の赤色の採用箇所を見ると、“針先”や“日付数字の一部”に赤色を入れています。
通常のシルバー文字盤の場合、「かっこいい」よりは「渋い」イメージになります。そのため、マスターブラックを選ぶことにより、通常のマスターシリーズとは異なる印象を与えることが可能でしょう。
魅力②:嗜好品としての面白さ
別のマスターブラックの魅力として、嗜好品としての面白さが挙げられます。趣味を兼ねて高級時計を集めている方なら、マスターブラックは興味深いでしょう。特に、「何が何でもシースルーバックにしよう」とする意気込みが面白い作品を生み出しています。
例えば、「マスターメモボックス」と「マスターメカニカルクロノグラフ」のマスターブラックは、シースルーバックに向かないタイプにも関わらず、強引にシースルーバックにしています。そのため、その2モデルについては、裏蓋が普段見ることない見た目になっています。
↑マスターメモボックス(ブラック)
上の画像のマスターメモボックスのマスターブラックは、「アラームのゴングが裏蓋にあるにも関わらず、シースルーバックにする」という珍しいことをしています。そして、下の画像はマスターメカニカルクロノグラフのマスターブラックですが、「クォーツムーブメントをシースルーで見せる」という珍しい状況になっています。
↑マスターメカニカルクロノグラフ(ブラック)
この、「普段シースルーにしないモデルがシースルーバック化されている」という面白さは、マスターブラックの企画があったから実現したことでしょう。これは、趣味として高級時計を嗜んでいる方にとって、興味深い例になっているでしょう。
以上が、私が思うマスターブラックの魅力です。
■最後に
今回は、1990年代に魅力を放ったマスターブラックを紹介しました。普段はシルバー文字盤であるモデルも、黒文字盤でシースルーバックにすることにより、別の魅力を得られます。そのマスターブラック版をもつ該当モデルは、以下のモデルです。
・マスタームーン
・マスターリザーブドマルシェ
・マスタージオグラフィーク
・マスターウルトラスリム
・マスターパーペチュアル
・マスターメモボックス
・マスターメカニカルクロノグラフ
↑マスターリザーブドマルシェ(ブラック)
これらのモデルは、革ベルトを茶色に設定することも多く、「黒文字盤・茶ベルト」という組み合わせで存在することが一般的でした。その組み合わせでも十分良いモデルなのですが、私のおすすめは、「黒文字盤・黒ベルト」です。なぜなら、この組み合わせにしたときのかっこよさは、茶ベルトの場合の何倍にもなっているように感じるからです。
マスターブラックは、1990年代の魅力的なモデルで、当社でもネクストヴィンテージ(1990年代ごろの名品)として評価の高いモデルです。是非、興味のある方は、探してみてください!
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