7.1.2021
【腕時計の基本】時計用語「リューズガード」とは何か?
Komehyo
ブログ担当者:須川
■【腕時計の基本】時計用語「リューズガード」とは何か?
時計業界内で使われる用語はたくさんありますが、その用語は、一般的でないことが多々あります。そこで今回は、時計用語のひとつを紹介したいと思います。
今回紹介させていただく用語は、「リューズガード」です。
もちろん、通常は使わない用語だと思いますが、時計を趣味にするならば、絶対に知っておいた方が良い言葉です。そして、最後で「リューズガードを上手に活用しているメーカー」も紹介しますので、是非、最後まで読んでみてください。
<目次>
■「リューズガード」とは何か?
■リューズガードのメリットとは?
■リューズガードを上手に活用するメーカー
■「リューズガード」とは何か?
まずは、「リューズガードとは何か」という点を説明します。
その名前の通りですが、リューズガードは「リューズを守るもの」です。定番的な形状としては、“リューズを挟むように設けられた突起”であることが多いです。
↑リューズガード
本来、イメージとしては、伝統的な(クラシカル)腕時計は“リューズガードなし”で、リューズガードが設けられている方が特殊ということになるでしょう。しかし、現在の感覚では、リューズガードが設けられた腕時計も多く存在しますので、今では特殊なものという印象は薄くなっています。
↑クラシカルな腕時計は“リューズガードなし”
これは、腕時計のスタイルの変化が関係しています。実は、リューズガードはスポーツウォッチに備えられることが多いので、スポーツウォッチが全盛の現在では、“よくある仕様”になったのです。
例えば、時計業界で最も人気のあるブランドはロレックスですが、その人気モデルのほとんどはスポーツモデルです。そのため、ロレックスを購入する人にとっては、きっと、リューズガードがある時計は馴染みのあるものでしょう。
↑ロレックスのスポーツモデル
■リューズガードのメリットとは?
次に、「リューズガードのメリット」を説明します。
リューズガードのメリットの一番大きな点は、「リューズの破損を防ぐ」というものでしょう。
これは、時計業界に身を置く私には、分かりやすいものです。例えば、リューズに関する故障の多くは、「リューズをぶつけたり引っ掛けたりして、リューズを物理的に破損させる」というものです。実際に私は、リューズが取れてしまう故障をしばしば見かけます。
どうしても、リューズは“飛び出した状態の部品”ですので、この故障は起こりやすいのでしょう。そこで、この“飛び出した状態の部品”、つまり、リューズを守る方法として、周りに突起状の部品を設けているのです。
このように、リューズガードは、リューズを守る“ガードマン”として役立っているのです。これが、リューズガードのメリットです。
■リューズガードを上手に活用するメーカー
最後に、「リューズガードを上手に活用するメーカー」を紹介します。
これは少し説明が必要だと思います。先に説明したように、リューズガードは「リューズを守る」メリットがあります。そのため、リューズガードを採用する場合の大多数は、この「リューズを守る」メリットを最大の効用と見なしています。しかし、一部のメーカーは、この「リューズを守る」メリットに加えて、他のメリットも見出しています。
それは、「リューズガードを個性にする」というメリットです。
例えば、下のモデルをご覧ください。
これは、パネライの「ルミノール」とカルティエの「バロンブルー」というモデルです。このモデルはどちらも、リューズガードに「リューズを守る」という役目をさせながら、同時に、「デザインアクセント」としても活用しています。非常に上手なリューズガードの使い方です。
リューズガードをこのように有効に使えるメーカーは、時計業界でも多くはありません。なぜなら、リューズガードが目立ち過ぎるデザインは、バランスの良いデザインにすることが難しいからです。特に、カルティエは、「パシャ」というモデルでも上手にリューズガードを活用していますし、かなり、リューズガードを上手に使うイメージがあります。
また、リューズガードを面白くデザインしたモデルに、オメガの「シーマスター プロプロフ」があります。このモデルは、深海でのタフネスも考慮されているダイバーズウォッチで、「リューズをなんとしても守ろう」としている外観が、とても面白く感じます。
上:カルティエ「パシャ」
下:オメガ「シーマスタープロプロフ」
このように、腕時計の「リューズガード」は、気にして見ていくと興味深いものがあります。是非、皆さんも、腕時計を見るときに、リューズガードに注目してみてください!
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