10.12.2020

ご存知ですか？現在の高級時計の“流行色”　～今、人気の文字盤を紹介～

Komehyo

時計一般知識

ブログ担当者：須川

■ご存知ですか？現在の高級時計の“流行色”　～今、人気の文字盤を紹介～

高級時計の世界にも、トレンドカラーがあることをご存知でしょうか。

例えば、日本がバブルに沸いていた時代なら、「ゴールド色」が配色された時計が人気でした。しかし、バブル後は、次第にゴールド色の人気は衰えていきました。その後は、無難なカラーが絶対的な主流となり、ステンレスケースに「ブラック文字盤」や「シルバー文字盤」を組み合わせた時計が大多数となりました。

↑バブルのころは「ゴールド色」が人気だった

しかし、現在は状況が変わってきています。例えば、シャネルのJ12の登場以降は、「全体がブラックやホワイトカラー」の時計が当たり前になりました。そして最近は、新素材もたくさん登場して、様々な色味の時計が増えています。

↑J12は黒や白の時計を当たり前にした

そして今は、「文字盤カラーで魅せる」トレンドがあります。

↑文字盤カラーで魅せる

画像：ロレックス「116660/Dブルー」

そこで今回は、現在の高級時計で流行っている文字盤カラーを紹介します。

■現在、流行っている文字盤カラー

先に書いたように、現在の時計業界では「文字盤カラーで魅せる」トレンドがあります。これは、文字盤カラーを「黒」「白」「銀」といった無難な色にせずに、有彩色を使って“インパクトなカラー”にすることです。

ここ最近でもっともトレンドになった文字盤カラーは、「青文字盤」です。

↑青文字盤

画像：モーリスラクロア「アイコン」

この色が流行った背景のひとつに、技術の進歩で発色を良くすることができるようになった点もあると思います。しかし、より大きいのは、青文字盤をもつモデルの存在感が大きくなったからだと思います。

例えば、2010年代の中ごろから、パテックフィリップの「ノーチラス」やオーデマピゲの「ロイヤルオーク」の存在感が大きくなりました。これらのモデルの代表的な文字盤は、“青系の色”を持つ文字盤です。そして、2014年には、ロレックスが「Dブルー」と「Zブルー」文字盤を発表します。これも、“青系の色”を持つ文字盤です。このように、2010年代半ばから、青文字盤をもつモデルの存在感が大きくなってきたのです。

↑ミルガウス/Zブルー文字盤

実際に、この頃以降から、多くのメーカーがラインナップに青文字盤を加えていきます。そして、一部のモデルでは、「青文字盤の価格が高騰している」状況が発生しています。

そして今、青文字盤の流行を受けて、次のトレンドカラーが発生しつつあります。それが、「緑文字盤」です。

↑緑文字盤

画像：ウブロ「クラシックフュージョン」

例えば、2016年にロレックスから緑文字盤をもつイエローゴールドのデイトナが登場します。このモデルは、ゴールドデイトナの中でも突出した人気を獲得しました。その後、いくつかのメーカーが緑文字盤をラインナップに増やし始め、2019年にはパテックフィリップの「アクアノート」、そして、2020年にはIWCの「ポルトギーゼ」にも緑文字盤がラインナップされるようになりました。本当に、ここ最近で、どんどんと緑文字盤をもつモデルが増えています。

↑2016年には緑と青のデイトナが登場しました

■最後に

今回は、最近の時計業界のトレンドカラーとして、「青文字盤」と「緑文字盤」を紹介しました。これらの文字盤は、従来のスタンダードな文字盤カラーよりも主張するカラーで、よりファッション性を打ち出すものになります。

↑よりファッション性を打ち出す

画像：パテックフィリップ「アクアノート/青文字盤」

これはおそらく、ビジネスの服装がラフなものでも許容されるようになったり、オフィスに出勤せずに仕事ができるようになったりと、ビジネスシーンのファッションが変わったことも影響しているでしょう。つまり、“ガチガチのビジネススーツに似合う腕時計”ではなく、“ラフなファッションに似合う腕時計”が求められているのでしょう。その結果、スポーティなデザインや、腕元にアクセントを着ける“色もの腕時計”に人気が集まっている印象です。

今回は、「青」と「緑」のみを紹介しましたが、今後は、その他の色も人気を得るかもしれません。実際、今年ロレックスが発表した新作のオイスターパーペチュアルは、さまざまな“色もの文字盤”が用意され、人気を集めています。このモデルの「ターコイズブルー」や「グリーン」はもちろん人気ですが、「コーラルレッド」や「イエロー」も魅力的なカラーです。今後も、トレンドカラーは変化するかもしれませんので、注目したいと思います！