15.11.2020

ブレゲ｜どこが変わった？三代目「マリーン」　～マリーン5517とマリーン5817を新旧比較～

Komehyo

Breguet

ブログ担当者：須川

■ブレゲ｜どこが変わった？三代目「マリーン」　～マリーン5517とマリーン5817を新旧比較～

ブレゲの代表的スポーティウォッチと言えば、「マリーン」です。そのマリーンが、2018年にモデルチェンジを行い、“三代目モデル”に変わりました。

それが、最新の「マリーン5517」です。

↑マリーン5517（三代目マリーン）

今回は、新旧モデルを比較し、

最新の三代目マリーン（Ref.5517）と二代目マリーン（Ref.5817）はどこが違うのか

について話をさせていただきます。

■マリーンについて

ブレゲは、天才時計師と評価されるアブラアン・ルイ・ブレゲによって創業されたメーカーです。その創業者のブレゲは、フランス海軍の御用達時計師だったこともあり、1990年にそれをオマージュしたモデルが生れます。それが「マリーン」です。このモデルは、クラシックなドレスウォッチが多いブレゲには珍しい、スポーティルックな時計でした。この初代モデルのデザインは、高名なヨルグ･イゼッグ氏によって行われました。

↑初代マリーン

2004年に、マリーンはモデルチェンジします。それが、“二代目マリーン”です。このモデルは、現在人気のラグジュアリースポーツらしい外観をもっており、人気を獲得しました。そして2018年、マリーンは14年ぶりに刷新されます。それが、現行モデルの“三代目マリーン”です。

■マリーンの三代目（最新）と二代目はどこが違うのか？

では、マリーンの三代目（最新）と二代目はどこが違うのか、説明します。

①外観の違い

外観は大きく違います。まず、大きさが変わりました。二代目マリーンはケース径39mmでしたが、三代目は40mmになり、1mm大きくなっています。ただし、厚みは減りました。二代目は厚みが11.82mmでしたが、三代目は11.5mmになっています。

↑三代目マリーン5517

↑二代目マリーン5817

そして、三代目マリーンはケースデザインも変わりました。ベゼルが細く絞られ、文字盤が広くなりました。そして、ラグは、一般的な“4つ脚ラグ”ではなく、“センターラグ”になりました。また、メインモデルは二代目マリーンがステンレス素材でしたが、三代目はチタン素材になりました。

そして、フェイス部も違います。二代目マリーンはラージデイトを採用していましたが、三代目は一般的な“3時位置デイト”になりました。あと、三代目は、インデックスにも夜光塗料が塗布されるようになりました。また、針や文字盤デザインにも変更が加えられています。

②ムーブメントの違い

マリーンの二代目と三代目は、ムーブメントが違います。それは、次の通りです。

・二代目：

→Cal.517GG

・三代目：

→Cal.777A

二代目マリーンに搭載されるムーブメントはCal.517GGです。これは、見る限り、ベースムーブメントにフレデリックピゲ1150系を使っています。これは、1990年代から2000年代にかけて高級エボーシュとして存在感を示したロングパワーリザーブムーブメントで、信頼性の高い機械です。つまり、このムーブメントをベースにし、グランギシェ（ラージデイト）を搭載したムーブメントがCal.517GGです。しかし、秒針停止機能がないなど設計がクラシカルで、現在の最新ムーブメントに敵わない部分もありました。

そこで、三代目マリーンはムーブメントを刷新し、Cal.777Aを搭載しています。これは「クラシック」シリーズによく採用されているムーブメントの派生です。例えば、2006年に登場した「クラシックシリシオン（Ref.5177）」と呼ばれたモデルには、Cal.777Qが搭載されました。これは、Cal.777Aと同じキャリバー数字をもつ兄弟機です。

ここで「シリシオン」という言葉が登場したことからも分かりますが、このムーブメントはシリコン製パーツが標準搭載されています（二代目のCal.517GGは、最終的にはシリコン製パーツが搭載されましたが、基本的にはずっと金属製パーツだった）。日付表示は、グランギシェでなく、3時位置デイトになりました。秒針停止機能を追加し、自動巻も両方向巻上げにされています。より、“現代の実用機”に近づいた印象です。

下に、新旧のスペック比較リストを用意しましたので、細かな点はこちらでご確認ください。