10.12.2017
なぜ、ロレックスを購入する人が多いのか?(後編) ~ロレックスを選ぶ“時計玄人”の考え~
Komehyo
ブログ担当者:須川(前編)
前川(後編)
前回は前編として、
「なぜ、ロレックスを購入する人が多いのか?(前編) ~“初めての高級時計”にロレックスを選ぶ人の考え~」
を投稿いたしました。
今回も前編と同じく、「なぜ、ロレックス(ROLEX)を購入する人が多いの?」という疑問に対する個人的な見解を紹介します。
前回は前編として“高級時計に詳しくない人”がロレックスを選ぶ理由を紹介しましたが、今回は後編として“高級時計に詳しい人”がロレックスを選ぶ理由を紹介します。
少し前回のおさらいをしましょう。私は、“高級時計に詳しい人”は次のように考えると想定しています。
<ロレックスを購入する“高級時計に詳しい人”の考え>
「気になるモデルに出会ったら買おう!」
↓
「手放すときに損のないように、“資産価値の高いもの”を選ぼう」
「レア度、細かな個体差・条件差にこだわろう」
↓
「ロレックスを買おう!」
これが、私が考える“高級時計に詳しい人”、つまり“時計玄人”の考えです。では以降の文章で、「なぜ“時計玄人”はロレックスを選ぶのか?」について、私の意見を紹介します。
■“時計玄人”がロレックスを選ぶ理由は、「楽しい」「損が少ない」
結論から言うと、“時計玄人”がロレックスを選ぶのは、「(趣味として)楽しい」「損が少ない」という理由からです。
↑デイトナ16520
例えば、上の画像のデイトナ16520は、時計玄人の方に人気のモデルです。現在、相場が上昇しており話題になっています。
このモデルは、今から言うと2世代前のモデルで、“中古市場でしか手に入らない”、“ゼニスのエルプリメロ搭載”、“細かな仕様変更がある”など、玄人にとって面白みのある要素があります。また、相場の変動も激しく、「今が相場の天辺なのか?」「まだまだ相場が上がるのか?」など資産評価の上下動も、玄人にとっては面白い要素です。
これが、「楽しい」ということです。
↑サブマリーナデイト16610
そして、相場の変動はあるものの、ロレックスは他のブランドに比べると圧倒的に資産評価が高いと言えます。
例えば、サブマリーナデイトの先代モデル16610は、生産されていた当時は、メーカー価格が50万円台でした。しかし、生産終了になった現在は、中古の売値が60万円台~80万円台ほどです。そして、状態や条件にもよりますが、おおむね現在の買取価格は、当時のメーカー価格を越えている状況です(投稿時点)。もし“投資”として見た場合は、成功と言えます。
これは「投資として良かった例」として、敢えて紹介したものです。もちろんロレックスの一般のモデルであれば、評価額は購入金額より安くなるのが普通です。しかし、ロレックスの一般のモデルも、他のブランドのモデルに比べると概ね高評価と言える状況です。つまり、“ロレックスの購入”は、“他の時計ブランドの購入”よりも損が少ないと言えるのです。
これが、「損が少ない」ということです。
■ロレックスの「楽しい」「損が少ない」という状況は、マーケットが出来上がっているおかげ!
↑ロレックスはマーケットが出来上がっている
次に、ロレックスに「楽しい」「損が少ない」という状況ができている理由についてです。その理由を簡単に言うと、「マーケットが出来上がっているから」です。下に状況を整理しました。
<ロレックスマーケットの状況整理>
①買い手・売り手が多い
「買いたい」「売りたい」時に、その取引相手になりたい人がたくさんいる。その状況により、ロレックスは“需要が高い”状態となり、高い販売価格と買取価格が実現している。
②品数が多い
ロレックスは人気の大手メーカーのため、高級時計市場の中では群を抜いて生産数が多い。そのため、多くの所有者、多くの取り扱い業者が存在する。また、「品数が多い=個品の選択肢が多い」ということなので、細かな仕様の違いにも注目される状況にある。
③たくさんの情報が出回っている
ロレックスの場合、インターネットや書籍などで豊富な情報が出回っている。そのため、ロレックスについての知識を持つ人も多くいる状況。専門的なコミュニケーションも生じるため、ロレックスを蒐集することが“趣味性の高いもの”となる。
実際にロレックスは、市場で多くの取引がなされ、たくさんの人の手に渡っています。しかし、それは単純な売り買いではありません。多くの方が、細かな情報にまでこだわりながら、こだわりの金額で取引をするのです。つまり、「“成熟した”マーケットが出来上がっている」のです。
特に、③の「たくさんの情報が出回っている」という点は、ロレックスならではの魅力です。次で紹介しましょう。
■「たくさん情報が出回っている」点が、ロレックスの魅力!
「たくさん情報が出回っている」点が、ロレックスの魅力です。この魅力があるからこそ、“時計玄人”はロレックスに惹かれるのです。先述のように、多くの方が細かな情報にまでこだわりながら、こだわりの金額で取引をしているのです。
例えば、ガソリンスタンドに行くと、「レギュラー、ハイオク、軽油」という選択肢があります。基本的にはそれだけが選択肢です。もちろん、「○○時期仕入れのレギュラーガソリン」、「○○地域より仕入れたレギュラーガソリン」などのこだわりはないでしょう。
しかしロレックスは違います。「生産終了直前の○○年ごろ製造の個体」、「並行輸入(海外)保証書の個体」など、“時計玄人”は細かな点にもこだわってロレックスを選びます。そのこだわりが一握りの人だけのものであれば、“ちょっとしたこだわり”ということなのでしょう。しかしロレックスの場合、多くの“時計玄人”がそのこだわりを共有しています。そのため、有名なレアロレックスが存在したりするのです。
↑レアロレックス
※廃番直前のエクスプローラー1016
(1980年代末ごろ製造)
たくさん出回っているロレックスの情報ですが、実は、他の時計メーカーとは異なるロレックスならではの特徴があります。下で、特徴的な2点を紹介させていただきます。
①モデルが大きく変わらない
“モデルが大きく変わらない”ことが、ロレックスの特徴です。例えば2000年以降を振り返ると、時計業界では「自社ムーブメント」「異素材(カーボン)」「フルスケルトン仕様」「デカ厚デカ時計」などが流行しています。その流行に合わせるかのうように、多くの時計メーカーが新たな新モデルを投入します。
しかし、ロレックスは20世紀中ごろに確立した「ロレックスデザイン」の形を壊さずに、現在も時計作りをしているのです。
↑エクスプローラー214270
例えば、上の画像は2016年新作のエクスプローラー1「 214270 」です。先ほどレアロレックス画像として紹介した1980年代の「1016」と比較しても、大きくデザインを変えていません。しかし、細かなマイナーチェンジはたくさんあるのです。大きくデザインを変えないことにより、モデルの知名度を保ちつつ、細かな仕様変更でマニア心をくすぐるのです。
③シリアル番号から製造年を推定することができる
↑以前の投稿でも、製造番号と製造年の関係を紹介
以前の投稿でも紹介しましたが、ロレックスはシリアル番号(製造番号)から製造年を推定する事が可能です。
実は、他の時計メーカーの場合、シリアル番号からの製造年特定は難しいのです。それは、シリアル番号と製造年の関係を表す情報が少なかったり、そもそもシリアル番号と製造年がリンクできない仕様だったりするからです。その状況において、シリアル番号から製造年が特定できるロレックスは特別なブランドなのです。
例えば、この文章の冒頭で紹介したデイトナ16520は、「P」で始まるシリアル番号の個体が高評価されています。これは製造終了直前の2000年ごろの製造個体です。つまり、同じ型式のモデルであっても、「何年製か?」という要素によって大きく評価が変わるのです。
この「○○年製」ということろまで注目できる点が、ロレックスの大きな魅力なのです。
■最後に
ここまでの前編と後編を通じて、「なぜ、ロレックス(ROLEX)を購入する人が多いの?」という疑問に対する、個人的な見解を紹介しました。前編では“時計に詳しくない人”の考え、後編では“時計に詳しい人”の考えに注目しました。
まとめると、
“時計に詳しくない人”は、
→「高級時計≒ロレックス」という認識があるために
“時計に詳しい人”は
→「趣味として楽しい」「損が少ない」という理由で
ロレックスを選ぶのです!
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