20.9.2017
【番外編】コスパの高い革靴を選ぶには?|「グッドイヤー」がおすすめな理由
Komehyo
毎週腕時計に関する記事を更新している本ブログですが、投稿の合間に「番外編」として、万年筆などの筆記具や革靴・メンズファッションなど、こだわり派の男性に楽しく読んでいただける内容についても投稿しています。ぜひ、こちらもお付き合いください!
ブログ担当:伊藤
「コスパの高い革靴ってない?」
私は仕事柄、お客様や友人からよくこの質問を受けます。
コストパフォーマンス、つまり、「支払った金額に対して、得られる効果が高い」革靴。
毎日使うものだからこそ、コスパは気になる所ですよね。
そしてこの質問に対し、私はいつもこう答えています。
「グッドイヤーの革靴がおすすめです!」
今日は私が個人的に推したい「グッドイヤーの革靴」について、その魅力を語りたいと思います。
■グッドイヤーとは?
グッドイヤーとは正式には「グッドイヤーウェルト製法」といい、簡単に言うと「靴の構造の一種」です。
↑グッドイヤーウェルト製法の革靴の底
このグッドイヤーウェルト製法で作られた革靴は安くて3万円前後と、イニシャルコスト、つまり初期投資としては少々高額です。
ただし、グッドイヤーウェルト製法で作られた靴は、量販店などでよく1万円前後で販売されている革靴と比較して、長い目で見ると実は非常にコスパが良いのです。
いったい何故でしょうか?
下で、その理由を説明していきます。
【グッドイヤーの革靴が良コスパな理由その①】靴底の交換が可能!
1つ目の理由が「半永久的に靴底の交換が出来る」ことです。
下の写真をご覧ください。
写真は、1万円前後で販売されている一般的な革靴の側面です。
靴底と本体が「接着剤」で固定されているのがお分かりになるかと思います。
接着剤で固定されている一般的な靴は靴底と本体を分離することが難しいため、事実上靴底の交換がほとんどできません。
つまり、「使い切り」に近いのです。
それに対してグッドイヤーウェルト製法では、靴底と本体は間接的に「縫い付けて」固定されています。
そのため靴底と本体を分離することができるので、半永久的に靴底の交換ができます。
靴底全体を交換することを「オールソール」といいますが、オールソールのコストは1足あたり1~1.5万円前後です。
ちなみに私は普段使用する靴を5足でローテーションしていますが、3年はオールソールしていません。
3年着用してオールソールで1~1.5万円かけて修理しながら履き続けるのと、1年ごとに1万円前後の靴を履きかえていくことと、どちらの方がコスパが高いでしょうか?
グッドイヤーウェルト製法の靴は、本体の革の品質や手入れの仕方によっては、10年でも履くことができます。
10年でみると、コストの差は歴然ですよね。
また、長く履けば履くほど、靴に対しても愛着が湧くというのも重要なポイントです。
【グッドイヤーが良コスパな理由その②】履き込むごとに履き心地が良くなる!
もう1つの理由は「中底が足の形に変化する」ことです。
グッドイヤーウェルト製法は靴底と靴本体の間の「中底」にコルクなどの「緩衝材」が入っていますが、この中底は使い込むことで「沈んで」きます。
つまり、「足の裏の形に合わせて変化していく」ということです。
低反発枕の上に頭を置くと頭の形に合わせて枕の形が変化する、あのイメージです。
1万円前後の靴には緩衝材がないか、あるいは入っていたとしても足の形に合わせて変化する素材ではありません。
これは長く着用することを前提に造られていないためです。
(もし足に馴染んだとしても、靴底の劣化によって1年前後で本体の買い替えをしなくてはいけません。)
それに対して、自分の足の形に変化するグッドイヤーウェルト製法は非常に履き心地がよく、着用による疲労が少ないことが特長です。
靴の履き心地も「パフォーマンス」として評価するならば、間違いなくグッドイヤーのほうがパフォーマンスが高いと言えます。
■グッドイヤーを採用している革靴ブランドの例
最後に少し、グッドイヤーウェルト製法の革靴を作っているブランドを挙げてみたいと思います。
「JALAN SRIWIJAYA(ジャランスリワヤ)」
革靴といえば欧米諸国のイメージが強いですが、そんな中インドネシア製という特徴をもつメーカーがこちら。
3万円台で手に入れられるため、最初の一足としてもおすすめなブランドです。
「CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)」
世界で最も多くの木型を持っており、豊富な種類の中から自分に合った革靴を選ぶことができるのが魅力的なブランドです。
8万円~10万円程度で手に入れることができます。
「EDWARD GREEN(エドワードグリーン)」
素材、造りの良さ、洗練されたシルエットなどどこを取っても秀逸で、高級革靴の代名詞といっても過言ではないのがこちら。
価格帯はおよそ20万円ととても高額ですが、いつかは手に入れたいブランドです!
同じグッドイヤーウェルト製法の革靴なのに、なぜこんなに値段が違うのか?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
値段の違いは、使用している革の品質や細かな製造工程の違いなどです。
とはいえ手ごろな価格だからといって品質の悪い革を使用している訳ではなく、どれも信頼できるメーカーです。
革靴をこれから買い揃えたいという方には、まずは3万円前後の価格帯からスタートし、徐々に価格帯を上げて素材や作り、シルエットなどの違いなどにこだわるのがおすすめです。
■最後に
いかがでしたでしょうか?
まとめると、
①靴底と本体を分離できる構造であるため、靴底を半永久的に交換できる
②足の形に合った形に変化するため、足への疲労が少なく履き心地がいい
という2点が、コスパの面で私がグッドイヤーウェルト製法の革靴をおすすめする理由です。
どうしても「コスパ」と聞くと「低価格のモノ」と考えがちですが、修理や交換をしながら「愛着があるもの長く使い続ける方」が実はコスパが高いのです。
革靴の購入をお考えの方の選択肢に、グッドイヤーの革靴を入れて頂けたらとても嬉しく思います!
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