17.4.2023
【2023年度版】高級腕時計 人気ランキング ~実データから導くTOP20メーカー~
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ブログ担当者:須川
■【2023年度版】高級腕時計 人気ランキング ~実データから導くTOP20メーカー~
高級腕時計の人気メーカー(人気ブランド)を測るために、今年も
高級腕時計の人気ランキングTOP20
を、2023年度版として発表します。
※去年の「2022年度版」も気になる方は、下のリンクからご覧ください
↓↓↓
この人気ランキングは、より信憑性をもたせるように、実際のデータに基づいて作成します。そのデータですが、今回も昨年と同様、「多くの人の関心を測る」指標として、店舗への「問い合わせ件数」を使います。多くの方は、関心があるから問い合わせをしてくるので、人気を測るにはうってつけな指標です。
また、ランキング作成にあたっては、“傾向”が掴みたいので、「1年間」というある程度長いスパンの集計をしました。それを、今回、2023年の「高級腕時計の人気ランキングTOP20」として紹介します。
■【2023年度版】腕時計の人気ランキングTOP20
では、人気メーカーのTOP20のランキングを発表します。前述しましたが、ランキングは、店舗への「問い合わせ件数」の集計から作っています。つまり、「問い合わせ件数」が多いほど順位が高いランキングになっています。ただし今回は、18位が「4メーカーが同順位」となりました。そのため、その4メーカーを全てランクインさせたことにより、実際は上位21メーカーの紹介となりました。
※「問い合わせ件数」の集計について
→この集計は電話とメールでの問い合わせをブランド毎に手集計したものです。集計の期間は、2022年4月1日から2023年3月31までです。
→1位
ロレックス(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:54.2%
※昨年順位:1位(56.8%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑GMTマスターⅡ(左リューズ)
→2位
オーデマピゲ(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:6.0%
※昨年順位:2位(6.0%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑ロイヤルオーク50周年モデル
→3位
パテックフィリップ(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:5.9%
※昨年順位:3位(5.9%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑ノーチラス
↑4位
カルティエ(フランス※)
→全問い合わせ件数に占める割合:4.2%
※昨年順位:6位(3.6%)
※時計はスイスで製造
※モデルと価格をチェック→こちら
↑サントス・ドゥ・カルティエ
↓5位
オメガ(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:3.2%
※昨年順位:4位(3.9%)
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↑CK859
↓6位
セイコー(日本)
→全問い合わせ件数に占める割合:2.7%
※昨年順位:5位(3.8%)
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↑グランドセイコーSLGA015
↑7位
ヴァシュロンコンスタンタン(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.8%
※昨年順位:8位(1.2%)
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↑オーヴァーシーズ
↓8位
ウブロ(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.7%
※昨年順位:7位(1.9%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑スクエアバン
↓9位
チューダー(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.6%
※昨年順位:8位(1.2%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑ブラックベイプロ
↑10位
シャネル(フランス※)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.5%
※昨年順位:14位(0.9%)
※時計はスイスで製造
※モデルと価格をチェック→こちら
↑J12ウォンテッド・ドゥ・シャネル
↑11位
ブルガリ(イタリア※)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.4%
※昨年順位:16位(0.8%)
※時計はスイスで製造
※モデルと価格をチェック→こちら
↑オクトフィニッシモ10周年限定モデル
↑11位
ブライトリング(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.4%
※昨年順位:13位(1.0%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑プレミエB09クロノグラフ
↓13位
タグホイヤー(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.2%
※昨年順位:11位(1.1%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑フォーミュラ1レッドブルレーシング
↑14位
ブレゲ(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:1.2%
※昨年順位:圏外(-%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑マリーン
↓15位
パネライ(イタリア※)
→全問い合わせ件数に占める割合:0.9%
※昨年順位:8位(1.2%)
※時計はスイスで製造
※モデルと価格をチェック→こちら
↑ルミノールルナロッサ
↑15位
フランクミュラー(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:0.9%
※昨年順位:18位(0.6%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑ヴァンガードヨッティング
↓17位
IWC(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:0.8%
※昨年順位:11位(1.1%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑パイロットウォッチ・トップガン
↓18位
ゼニス(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:0.7%
※昨年順位:17位(0.7%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑デファイ スカイライン
→18位
ハリーウィンストン(アメリカ※)
→全問い合わせ件数に占める割合:0.7%
※昨年順位:18位(0.6%)
※時計はスイスで製造
※モデルと価格をチェック→こちら
↑エメラルド
↑18位
ジラールペルゴ(スイス)
→全問い合わせ件数に占める割合:0.7%
※昨年順位:圏外(-%)
※モデルと価格をチェック→こちら
↑ロレアート
↑18位
エルメス(フランス※)
→全問い合わせ件数に占める割合:0.7%
※昨年順位:圏外(-%)
※時計はスイスで製造
※モデルと価格をチェック→こちら
↑スリム・ドゥ・エルメス スケルトンリュンヌ
<次点>
シチズン(日本) 0.6%
<2022年よりランキング落ち>
カシオ(日本) 0.5%
※昨年順位:14位(0.9%)
ランゲ&ゾーネ(ドイツ) 0.3%
※昨年順位:20位(0.5%)
ジャガールクルト(スイス) 0.5%
※昨年順位:20位(0.5%)
■TOP20ランキングからみる「今、勢いがあるメーカー」
ランキングの順位を見ると、1~3位までは、2022年から変動がありませんでした。ロレックス、オーデマピゲ、パテック フィリップの3メーカーは、メインモデルがプレミアム価格になっていることからも、時計業界屈指の“勝ち組メーカー”です。
特に、1位のロレックスは、毎年、不動の位置を保っています。問い合わせに占める割合も、ロレックスは50%を超えていますので、
世間の大多数の関心は、ロレックスに集中している
という状況は、ずっと変わらない傾向です。
そして、このランキングから傾向を探ってみたいと思います。まず、トレンドを測るには、「順位の変動」を見ることが有効です。特に、ランキングが上昇したメーカーは、「今、勢いがあるメーカー」と言えるでしょう。
<ランキングが上昇したメーカー>
・カルティエ(6位→4位)
・ヴァシュロンコンスタンタン(8位→7位)
・シャネル(14位→10位)
・ブルガリ(16位→11位)
・ブライトリング(13位→11位)
・ブレゲ(圏外→14位)
・フランクミュラー(18位→15位)
・ジラールペルゴ(圏外→18位)
・エルメス(圏外→18位)
ランキングが上昇したメーカーの内、上昇した理由にすぐに行きつくことのできるメーカーがいくつかあります。
まず、カルティエは全般的に人気が上昇している感があり、「ヴィンテージモデル」「コレクション・プリヴェ・カルティエ・パリ(CPCP)」などの伝統デザインの機械式時計、そして、「タンク」「パンテール」「ベニュワール」などの女性用の金やダイヤモンドを使ったドレスライン、さらに、現行品の「サントス・ドゥ・カルティエ」など、ブランド全体で人気が底上げされていると感じます。
↑CPCPのタンク・ア・ギシェ
そして、ヴァシュロンコンスタンタンとジラールペルゴは、「オーヴァーシーズ」「ロレアート」というラグスポのヒット作があるので、昨今のラグスポブームの中では人気が上昇するのは必然のように感じます。
さらに、「J12」のモデルチェンジが好評なシャネル、時計業界の話題の中心にある「オクトフィニッシモ」を擁するブルガリも、ランクアップするに相応しい存在です。
そして、今回のランキングの上昇メーカーで印象的だったのが、ブレゲです。上昇した理由を紐解くために、問い合わせ内容を分析しましたが、その内容の半数以上は「マリーン」についての問い合わせでした。ブレゲの躍進は、マリーンが注目されることによって起こっているのでしょう。
↑マリーン5517
逆に、「ブライトリング」「フランクミュラー」「エルメス」のランクアップの理由は、私の中では答えが出ていません。問い合わせの内容を分析しても、特徴的な傾向はなかったです。もしかすると、これまでのブランディング活動が上手く効果に現れているのかもしれません。
■ランキング上昇メーカーから読み解く今後の展望
最後に、ランキング上昇メーカーを分析し、現在の状況と今後の展望を、私なりに分析してみようと思います。
昨年までの傾向では、ロレックス、そして、ラグスポを中心としたパテックフィリップやオーデマピゲの価格が高騰している状況が続いており、その他メーカーのラグスポにもその高騰の影響が波及している状況になっていました。例えば、ヴァシュロンコンスタンタン「オーヴァーシーズ」が高騰した状況は、その流れにおいてでしょう。
↑パテックなどの高騰に影響を受けたオーヴァーシーズ
しかし最近は、価格の高騰を続けるメインストリーム(ロレックス、パテック、オーデマピゲなど)とは距離を置く消費者が、一部で増え始めた印象があります。そして、その方々は、“知る人ぞ知る”という枕言葉をつけたくなるような「メインストリーム外の一級品」に注目するようになったと感じます。
そのため、メインストリームであるロレックスやパテックフィリップなどは高騰を続ける一方、それらに引けを取らない品質を持つ別メーカーの一級品の人気が高まりました。確かに、私が聞き及ぶところでも、最近はかなりニッチな時計が“即完売”したり、“○○年待ち”という状況になることが増えています。
↑ニッチな一級品も注目されている
※画像はナオヤヒダ「NH TYPE 1B」
その“メインストリーム外の一級品”のトップランナーのひとつが、カルティエの「伝統デザインの機械式時計」でしょう。カルティエのヴィンテージモデルは歴史的価値が高いですし、CPCPには時計師フランソワ・ポール・ジュルヌさんが関わった愛好家受けの良いモデルも存在します。これらの時計は少量生産品のためメインストリームにはなりえませんが、探されている方がかなり増えたと感じます。
そして、「ブレゲ」も、これまでメインストリームに乗っていなかった一級ブランドですので、その影響は波及してきている印象があります。例えば、「人気が加熱しているノーチラスやロイヤルオークではなく、ブレゲのマリーンにしようかな」という考えの方がいるのでしょう。
きっと、ブルガリ「オクトフィニッシモ」のヒットもこの影響があったに違いありません。オクトは、元々「ジェラルド・ジェンタ」ブランドの作品だったという歴史性があり、そして、ブルガリに統合された後は“薄さ”を追求することによって一級品の域に達したからです。このモデルも、“メインストリーム外の一級品”の範疇になるでしょう。
「太陽がの輝きが強くなるほど、影も濃くなる」ように、ロレックスなどのメインストリームが高騰すればするほど、今後も“メインストリーム外の一級品”の価値は高くなるでしょう。
そして同時に、今後は、「まだ注目されていない“メインストリーム外の一級品”探し」が過熱するのではないでしょうか!
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