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20.8.2020

ご存知ですか? “耳あり”のグランドセイコー ~GS「9F82-0AD0」を紹介(型式:SBGV013、SBGV213など)~

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■ご存知ですか? “耳あり”のグランドセイコー ~GS「9F82-0AD0」を紹介(型式:SBGV013、SBGV213など)~

 

今回は、グランドセイコー魅力的なモデルを紹介します。

 

それは、このモデルです。

↑グランドセイコーSBGV213

 

2014年に誕生したこのモデルは、通常のグランドセイコーとはケースデザインが異なっており、ケースの左右に膨らんだ突起部があります。まるで、「耳があるような」デザインです。この“耳あり”のグランドセイコーは、オーソドックスなデザインが多いグランドセイコーにおいて、特別なデザインに感じます。

↑左右の突起が「耳」のよう

 

この“耳あり”グランドセイコー は、電池で動くクォーツ式です。例えば、メンズモデルは、「9F82-0AD0」というケース番号をもっており、9Fムーブメントを採用しています。最高峰のクォーツムーブメントですので、高級時計として満足できるモデルでしょう。

 

今回は、この“耳あり”グランドセイコーを紹介します。併せて、セイコーがこのモデルを作った意図も考察します。是非、最後まで読んでみてください。

 

 

 

 

 

“耳あり”グランドセイコーの種類

 

まずは、“耳あり”グランドセイコーの種類を紹介します。この種類を理解するには、3つの要素を知ると良いでしょう。

 

 

 

①サイズの種類

 

“耳あり”グランドセイコーは、メンズ用レディス用があります。ケース径は、メンズ用が39mmで、レディス用は29.5mmです。

 

 

 

②文字盤の“新旧”で種類

 

“耳あり”グランドセイコーには、文字盤のロゴ表示が変わったことにより、新旧があります。これは、2017年にグランドセイコーが“独立したブランド”になったことによる変更点です。具体的には、新しい文字盤は、「SEIKO」の文字がなくなり、「GSロゴ」が12時側に移動しました。

 

 

 

③文字盤カラーの種類

 

文字盤カラーで種類があります。シルバー(銀色)、ブラック(黒色)、ブルー(青色)、ブラウン(茶色)が主なカラーです。

 

 

このように、3つの要素から“耳あり”グランドセイコーを見ると、その種類が理解できます。そして、その要素が変われば、当然、型式番号が変わります。

 

例えば、メンズ用なら、下のように型式番号が使い分けされています。

 

・旧ロゴ文字盤

→SBGV013(銀)、SBGV015(黒)、SBGV017(青)

 

・新ロゴ文字盤

→SBGV213(銀)、SBGV235(青)、SBGV237(茶)

 

 

 

以上が、“耳あり”グランドセイコーの種類です。

 

 

 

 

 

 

■セイコーが“耳あり”グランドセイコーを作った意図とは?

 

ここからは、セイコーが“耳あり”のグランドセイコーを作った意図を考察します。これは、もちろん正解がわかりませんので、私の個人的な見解です。

 

では、“耳あり”グランドセイコーを作った意図ですが、そのひとつは、

 

「9Fクォーツの“ワンランク上のモデル”を作りたかった」

 

だと思います。

 

これは、メーカー価格を見ると分かります。例えば、次の「グランドセイコー 9Fクォーツモデルの価格比較」を見てください。

 

 

 

<グランドセイコー 9Fクォーツモデルのメーカー価格比較>

 

・一般モデル:23~26万円(税抜き)

 

・“耳あり”モデル:32万円(税抜き)

 

 

 

メーカー価格から考えても、“耳あり”グランドセイコーは、一般の9Fクォーツモデルより上位モデルということになります。もちろん、価格が高価になることは、外装のこだわりから考えても妥当です。

 

例えば、「耳」にあたる部分の形状を見ると、複雑な形状をしており、さらに、その部分にザラツ研磨を施しています。ザラツ研磨は、ミスをすると挽回が難しい仕上げ方法なので、複雑な形状部にザラツ研磨をすることのハードルの高さは容易に想像できます。

↑複雑な形状部にザラツ研磨

 

そして、“耳あり”グランドセイコーを作った意図の、もうひとつとして、

 

「グランドセイコーに、“エレガント(優雅な)デザインをもつ種類”が欲しかった」

 

という点を挙げます。

 

少し説明します。まず背景として、グランドセイコーの多くが“オーソドックスなデザイン”をしていることがあります。これは、グランドセイコーのブランドコンセプトが、「最高の普通」、「実用時計の最高峰」であるからです。そのため、セイコーの“エレガントなデザイン”は、別ブランドの「クレドール」が請け負っている状況でした。

 

しかし、2010年以降、グランドセイコーは世界進出し、状況が変わりました。グランドセイコーは、世界で勝つために、世界のユーザーに向けて、デザインの幅を広げた印象です。例えば、「若者向けデザイン」や「女性向けデザイン」も、少しずつ強化しています。

 

そのデザインの幅を広げる一環として登場したのが、この“耳あり”グランドセイコーではないでしょうか。例えば、現在、男性用時計で「ラグジュアリースポーツ」と呼ばれるエレガントなデザインが人気です。そのエレガントな要素を取り込んだグランドセイコーとして、“耳あり”グランドセイコーを作ったのでしょう。

 

そして同時に、“耳あり”グランドセイコー のエレガントさは、「女性用向けデザイン」としても活きます。また、男性向けと女性向けのデザインをを揃えることで、「ペアウォッチ」としても有用です。

↑女性向けデザイン

 

これが私が考察する、「セイコーが“耳あり”のグランドセイコーを作った意図」です。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

最後に、この“耳あり”グランドセイコーを探す方へ、アドバイスをさせてください。

実は、グランドセイコーは細かく型式番号が設定されているので、インターネットで探す場合は大変です。

 

例えば、“耳あり”グランドセイコーの型式番号は、「SBGV~」というパターンで複数ありますが、他のモデルでも使われています。そのため、「SBGV」の部分だけで検索すると、“耳あり”グランドセイコー以外のモデルもヒットします。

 

また、ちゃんと型式番号を入力して検索する場合も、たくさんある個別の型式番号を入力することは大変です。

 

そこで私は、ケース番号で検索することをおすすめします。なぜなら、ケース番号は、サイズの種類が同じなら、同じ番号だからです。そのケース番号は、以下の通りです。

 

メンズ用=「9F82-0AD0

 

レディス用=「4J52-0AE0

 

特に、当社のオンラインストアでは、このケース番号でも検索にヒットするようにしていますので、是非、ご活用ください。

 

 

 

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