高級腕時計の時計通信

RSS

8.12.2019

【ロレックスの今】なぜ「オイスターパーペチュアル」にはインパクトの強い文字盤が採用されるのか?

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

■【ロレックスの今】なぜ「オイスターパーペチュアル」にはインパクトの強い文字盤が採用されるのか?

 

最近、ロレックス(ROLEX)の文字盤カラーに、インパクトが強いものが増えているように感じませんか?

 

例えば、

この画像のような色の文字盤です。

 

見ていただくと一目瞭然ですが、随分、インパクトの強い文字盤です。これらの文字盤を今回は「ファッション文字盤」と呼びますが、最近、主に「オイスターパーペチュアル」というモデルに採用されています。

 

ただ、従来のロレックスのイメージから言うと、これらのファッション文字盤は、「ロレックスらしからぬ文字盤カラー」だと感じます。なぜなら、ロレックスは実用性を重視するメーカーであり、宝飾ジャンルを除いては、“堅い”文字盤カラーを選ぶ印象があるからです。

 

“堅い”文字盤カラーの例を出すと、視認性の高い「ブラック」「シルバー」「ホワイト」「グレー」、ゴールド素材の外装カラーに合わせた「ゴールド」などでしょう。少し外しのカラーを採用した場合でも、ロレックスは「ブルー」や「ピンク」など、ある程度メジャーな色味を選択します。

↑従来のロレックスは“堅い”文字盤カラー

(画像は当社オンラインストアより)

 

しかし最近は、「レッドグレープ」「ホワイトグレープ」「オリーブグリーン」など、インパクトの強い文字盤が登場しました。今回は、このような文字盤を、「“堅い”文字盤の対極にあるもの」と位置づけ、「ファッション文字盤」と表現します。そして、このファッション文字盤が登場した背景を、私なりに考察していこうと思います。

 

 

 

 

 

 

■オイスターパーペチュアルに採用されるファッション文字盤

 

では、実際にオイスターパーペチュアルに採用されるファッション文字盤を紹介しましょう。

 

 

①レッドグレープ

「赤ぶどう」を意味するカラーです。

↑型式114200

 

 

②ホワイトグレープ

「白ぶどう」を意味するカラーです。

↑型式116000

 

③オリーブグリーン

オリーブの緑色をイメージさせるカラーです。

↑型式114200

 

④アズーロブルー

アズーロはイタリア語で「空色」を意味します。爽やかな青色が特徴のカラーです。

↑型式177200

 

⑤ダークグレー

ダークグレーは濃いグレーであり、「ねずみ色」のことです。従来のロレックスの「グレー」はもっと薄い色味のグレーであり、この濃いグレーは従来のロレックスにはなかったカラーです。

↑型式177200

 

上で紹介した文字盤は、色味を2色使ったり、そもそもの色味にインパクトがあったりと、強い印象を残す文字盤です。色味の選択としては、“守り”ではなく“攻め”の選択になるのではないでしょうか。これが、ファッション文字盤の特徴です。

 

 

 

 

 

 

■最近、ロレックスがファッション文字盤を採用する理由

 

次に、「ロレックスがファッション文字盤を採用する理由」を考察します。

 

 

私は、その理由を

 

若い世代にアプローチするため

 

と考えています。

 

 

少し具体的に説明します。実は、現在、高級時計業界の多くの企業が、若い人への普及に力を入れています。なぜなら、10年後、20年後を見越すと、今の若い人が販売のメインターゲットとなるので、「若い人の高級時計離れ」は将来のリスクになるからです。

 

では、その“若い人”とはどのような人なのでしょうか?これについては、「ミレニアル世代」という言葉が使われています。ミレニアル世代とは、一般的に“1980年代から1990年代生まれの世代”を指し、「デジタルネイティブ」とも呼ばれています。つまり、彼らは、スマートフォンやSNSが当たり前のように使いこなせる世代なのです。

 

ミレニアル世代はSNSを通して、個人個人に「いいね!」を与え、また、自分自身の個性を発信します。つまり、多様性を認め合う文化が育まれており、「人それぞれ違うこと」をポジティブに捕らえられる世代なのです。

 

そのため、メーカーは商品のラインナップを、“定番モデル”や“無難なデザインのモデル”のみで構成すると、多様性を認めるミレニアル世代には響かない可能性があります。

 

むしろ、ミレニアル世代に訴求するのであれば、「選択可能な個性あるラインナップ」を用意すべきでしょう。なぜなら、「こういう面白い選択をした」という体験をもたらすことができるからです。

 

さらに、ミレニアム世代はまだ20代・30代ですので、彼らに向けてのアプローチであれば、価格はエントリークラスにすべきです。

 

そこで、用意されたモデルが、「オイスターパーペチュアルの“ファッション文字盤”」なのです。

↑オイスターパーペチュアル

(ファッション文字盤)

 

オイスターパーペチュアルは、シンプルデザイン・シンプル機能で、ロレックスの中ではリーズナブルな価格設定になっています。また、サイズバリエーションと文字盤バリエーションも豊富に用意されています。

 

例えば現行モデルであれば、オイスターパーペチュアルは

 

 

①26mmサイズ(女性用)

(メーカー価格:510,400円税込み)

 

②31mmサイズ(女性用)

(メーカー価格:521,400円税込み)

 

③34mmサイズ(男女兼用)

(メーカー価格:532,400円税込み)

 

④36mmサイズ(男性用)

(メーカー価格:566,500円税込み)

 

⑤39mmサイズ(男性用)

(メーカー価格:599,500円税込み)

 

 

という選択肢があります(価格は執筆時点)。

 

つまり、現在のオイスターパーペチュアルは、サイズも選べ、“ファッション文字盤”という個性のある文字盤も選べます。そして、ロレックスのスポーツモデルに比べてリーズナブルです。

 

さらに、オイスターパーペチュアルは、スポーツモデルのようなロレックスの“主役級”ではありません。そのため、「ちょっと変わったロレックスを選びました」という印象を与えることができるのです。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

ここまで挙げた理由により、ロレックスはオイスターパーペチュアルに“ファッション文字盤”を採用しているのだと思います。つまり、先に言ったように、ロレックスは「若い世代にアプローチしたい」と考えているのです。

 

これが、ロレックスの意図だと、私は考えています!

 

 

 

※おすすめ投稿記事

【考察】ロレックスの認定中古が始まることによる影響とは?

※オンラインストアリンク

・オイスターパーペチュアル→こちら

TAGLIST

more close

BRAND

 

OTHER

RANKING

ARCHIVE