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30.9.2017

ロレックス|「エクスプローラーⅡ」は面白い!! ~“アウトローな魅力”をもつスポーツモデル~(後編)

Komehyo

ブログ担当者:山田

 

前回投稿

ロレックス|エクスプローラーⅡは面白い!! ~“アウトローな魅力”をもつスポーツモデル~(前編)

で、エクスプローラーⅡの基本的な紹介をしました。

 

今回は、本題の「エクスプローラーⅡのアウトローな魅力」を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

■“アウトロー”なエクスプローラーⅡ!!

 

では本題の、エクスプローラーⅡの“アウトロー”な魅力についてです。実は、歴史を振り返ると、エクスプローラーⅡにはアウトローなエピソードがあります。そのエピソード自体が、アウトローな存在の証明にもなります。

 

では下で、3つのアウトローなエピソードを紹介します。

 

 

 

①「2ndモデル」の登場がアウトロー!

 

エクスプローラーⅡの2ndモデル(16550)は、1988年に登場します。この登場は「24時間針にGMT機能が追加される」という意味で、初代モデルからこの2ndモデルへの切り替えは魅力的なものでした。

 

しかし、この「1988年」はロレックス全体として大きな年でもあったのです。この1988年は、ロレックスが基幹となるベースムーブメントを新たな世代のものへ入れ替えるタイミングでした。つまり、ロレックス全体で新ムーブメント切り替えに舵をとる記念すべき年でした。そのため、この年ごろを境として、デイトジャスト、サブマリーナ(デイト)、デイデイトなどが次々と新ムーブメント搭載のためにモデルチェンジを行いました

 

前述したように、エクスプローラーⅡの2ndモデルは“1988年”に登場します。問題は、これが「旧ムーブメント搭載」である点です。つまり、他のモデルが次々と新ムーブメント搭載の切り替えに盛り上がっているタイミングで、エクスプローラーⅡはなぜか“旧ムーブメントで”新モデルを登場させたのです!

 

例えばGMTマスター(Ⅱ)の場合は、新ムーブメントへの切り替えのために、このタイミングで一旦モデルの生産をストップしたぐらいです。そんな状況の中で、「エクスプローラーⅡは足並み揃えなくて良いだろう」と言わんばかりに、飄々と旧ムーブメントで新作ですから面白いものです。

 

このエクスプローラーⅡの全体の空気を読まない登場は、まさに“アウトロー”です。2ndモデル恐るべし。しかし、案の定、この2ndモデルは短命に終わります。3年経たずして、新ムーブメント搭載の3rdモデルに切り替わります。

 

 

 

②コンセプトに合わない文字盤がアウトロー!

 

またも2ndモデルからです。2ndモデルには黒文字盤と白文字盤以外に、「アイボリー文字盤」があります。これは、2ndモデルにほんの一時のみ登場したレアな仕様の文字盤です。

↑左:アイボリー文字盤、右:白文字盤

 

上の、アイボリー文字盤と白文字盤の比較画像を見ていただくと分かりやすいですが、明らかに“アイボリー”は“白”とは色が異なります。このアイボリー文字盤は諸説あり、白文字盤のバリエーションという説や、白文字盤が変色した説など、様々な憶測が飛び交う謎の文字盤です(“アイボリー文字盤”と“クリーム文字盤”を区別する説もありますが、今回はアイボリー文字盤の範疇に収めます)。

 

ここで前回の投稿でも書いたエクスプローラーⅡのモデルイメージを思い返します。それは「冒険家や探検家に向けて作られた時計」でした。そこで大事になる点は、“視認性”です。見やすさを確保するために、エクスプローラーⅠは黒文字盤を採用しています。もちろん黒文字盤はエクスプローラーⅡにも採用されます。そして、バリエーションとして、白文字盤も存在します。白文字盤ではしっかり視認性が確保できるように、針は黒色にされます。

 

しかし、アイボリー文字盤にも種類がありますが、「アイボリー文字盤の黒針ではない個体」はとんでもなく視認性が低いのです。その文字盤は、文字盤色がアイボリー色で、針やインデックスの枠はメタル色です。おまけに夜光塗料は退色するとアイボリー色になるので、文字盤内の色がほとんど同化しているように見えます

 

ここまで視認性が低い文字盤を採用することは、エクスプローラーⅡのコンセプトに合っていないことは間違いありません。製品化をする前からでも、この仕様のアイボリー文字盤を採用すると視認性が低くなることは、おそらく分かるはずです。それでもきっと、“エクスプローラーⅠとの違い”を打ち出したい気持ちが強かったのでしょう。

 

ロレックスは商品開発において、「石橋を叩いて渡る」ような姿勢をもっているメーカーです。しかし、エクスプローラーⅡの2ndモデルに関しては、“勢いで作った”感じを受けてしまいます。それは、アイボリー文字盤の採用が一時だけだったことや、そもそも2ndモデルの製造期間も極めて短い期間だったことから感じます。ロレックスの企業イメージからすると、大きな“アウトロー”エピソードではないでしょうか。

 

 

 

③「現行モデル」のサイズ感がアウトロー!

 

エクスプローラーⅡの現行モデルは、2011年に誕生した216570です。このモデルはサイズが特殊です。現行モデルのケース径を比較すれば分かりやすいので、下で、いくつかのモデルのサイズを紹介します。

 

 

<ケースサイズ(39mm)>

・エクスプローラーⅠ/214270

 

<ケースサイズ(40mm)>

・サブマリーナ/116610LN

・デイトナ/116500LN

・GMTマスターⅡ/116710LN

・ヨットマスター/116622

 

<ケースサイズ(42mm)>

・エクスプローラーⅡ/216570

 

<ケースサイズ(43mm/44mm)>

・シードゥエラー/126600

・ディープシー/116660

 

↑上:エクスプローラーⅡ、下:サブマリーナ

 

超防水性を売りにしたディープシーやシードゥエラーを除くと、一般的なスポーツロレックスは40mmサイズが通常です。しかし、エクスプローラーⅡはなぜか“仲間はずれ”で、42mmの大型ロレックスとしてラインナップされています。しかも、前世代のモデル(16570)までは他のスポーツロレックスと同じサイズだったのに、現行モデルから差別化されてしまいました。

 

まさに、サイズ面でも“アウトロー”です

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

ここまでで紹介したように、エクスプローラーⅡには“アウトロー”なエピソードがあります。これらのエピソードを見ると、ロレックスは、敢えてエクスプローラーⅡを“他とは違うロレックス”にしたいように感じます。

 

やはり、紹介したエピソードからも、

 

「ロレックスは意図的にエクスプローラーⅡを“アウトロー”にしようとしている」

 

と感じるのではないでしょうか。

 

そもそもデザインも、どちらかというと奇抜に感じますし、やはりエクスプローラーⅡは、ロレックスの中でも「王道モデルを外したい方に向けたモデル」なのでしょう。人気のスポーツモデルでありながら、“外し感”を得られるエクスプローラーⅡの立ち位置は絶妙なバランスです。

 

エクスプローラーⅡ、ほんとに面白いモデルです!!

 

 

 

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