高級腕時計の時計通信

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4.11.2016

高級腕時計選び、あなたは何年代派? ~人気は90年代!?~

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

突然ですが、下はゼニスの代表モデル“クロノマスター”です。皆さんはどの時計デザインが好みでしょうか?

 

↑クロノマスター・エルプリメロ(40mm)

↑クロノマスターXXT・オープン(45mm)

↑クロノマスターオープン

・パワーリザーブ(42mm)

 

「一番上のクラシカルなモデルが好き!」という方もいれば、「一番下のモデルがかっこいい!」という方もいるでしょう。実は一番上が1994年登場、真ん中が2003年に登場、一番下が2011年登場のクロノマスターです。つまり上から、1990年代、2000年代、2010年代となります。1990年代のモデルはクラシカルなデザインで、2010年代のモデルはかなりモダンなデザインになった印象です。

 

このクロノマスターはあくまで一つの例ですが、実は時計業界にもトレンドがあり、年代によってデザインが変わることが多いのです。

 

今週は、時計業界における年代ごとの製品のトレンドを紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

■時計史の振り返り

 

1990年代以降の話をする前に、少し難しい話になりますが、それ以前の時代のことも紹介させていただきます。19世紀までは“懐中時計”の時代で、20世紀になると“腕時計”が普及し始めます。この時代の時計は“手巻式”です。そして、1932年にロレックスが実用的な自動巻機構“パーペチュアル”を広めると、次第に“自動巻式”も普及していきます。1950年代になるころには、多くの時計メーカーが自動巻式を積極的に採用するようになりました。その後は、自動巻式全盛の時代になります。ここまではゼンマイで動く機械式時計の話です。

 

しかし、徐々に電気で動く腕時計の開発も盛んになります。1960年にはブローバ社が“音叉式”時計を発表し、電池式時計の実用化の道ができました。しかし、音叉時計は普及に至りませんでした。ちゃんと自動巻式などの機械式時計に引導を渡したのは、“クォーツ式”時計でした。1969年にセイコーが世界初のクォーツ腕時計“クォーツアストロン”を発表したのを皮切りに、クォーツ式時計の時代が到来します。それまで機械式時計で世界シェアを握っていたスイスの時計メーカーは大打撃を受け、多くが廃業に追い込まれます。これを“クォーツショック”と呼びます。

 

↑セイコー「クォーツアストロン」

(復刻モデル)

 

クォーツショックにより、1970年代から1980年代の途中まではスイスの伝統的な機械式時計は下火になります。しかし、スイスの機械式時計の魅力を信じる偉人たちの活躍もあり、機械式時計の存在が見直され始めます。1980年代後半から1990年代前半は、まさに機械式時計復興の時期でした。

 

 

 

 

 

 

■1990年代は“創造”の時代!

 

ここまでに見た時代背景もあり、1990年代はスイスの時計メーカーに勢いがある時代です。新たな時計業界の勢力図を描くように、各メーカーが魅力的なモデルを発表します。ただし、1970年代を席巻したアバンギャルドなデザインのクォーツ式時計との違いを打ち出すかのように、1990年代の機械式時計の多くは地に足のついたデザインでした。つまり、地に足のついたデザインの範疇で、魅力的な時計を作ったのです。そのバランスの取れた作品はおのずと普遍性を持ち、現在でも評価される名作となりました。1990年代のモデルに名作が多いのは、当たり前かもしれません

 

↑1990年代の銘品「ジャガールクルトの

マスタージオグラフィーク」

 

(次回へつづく)

 

次回:「2000年代、2010年代の高級時計のトレンドは?

↓↓↓

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