30.9.2024
【徹底分析】SBDC197とSBDC101の違いは?気になるムーブメントの精度比較!
Komehyo
今回はセイコーの大人気ダイバーズモデル「SBDC197」と、その後継機種「SBDC101」の2つのモデルを比較します。
これまではスペックの比較のみを行ってきましたが、今回はムーブメントの精度まで比較したいと思います。
◾️スペックの比較
まず初めに、2020年に「SBDC101」が登場し、4年ぶりの2024年に「SBDC197」がマイナーチェンジされました。「SBDC101」にはCal.6R35というムーブメントが搭載されており、最新モデルの「SBDC197」にはCal.6R55が搭載されています。
パワーリザーブは70時間の「SBDC101」に対し、最新モデルでは2時間増えて72時間となりました。また、防水性能においては大きな変化があり、200m防水が300m防水に向上し、性能が1.5倍になっています。
価格は「SBDC101」が¥159,500、「SBDC197」が¥176,000となり、少し値上がりしました。
最後に、横幅、縦幅、厚みは少しずつ小さくなっています。
◾️実機の外装比較
【金属ブレスレット】
今回、外装面で大きく変わった部分は金属ブレスレットです。画像をご覧いただくと、デザインが大きく変化していることがわかります。
まず、「SBDC197」ではブレスレットの1コマ1コマが小さく、コンパクトになっています。また、留め具も小さくなり、全体的にスリムな印象を与えています。そのため、少しクラシカルでビンテージライクな雰囲気が漂っており、非常に魅力的です。
質感についても、フラッシュフィット(弓カン)の加工を見ると、エッジがかなり切り立った印象を受け、加工精度が向上したことがわかります。また、筋目を付けるヘアラインがより丁寧に加工されており、仕上げのレベルも上がっているように感じます。
細かい点ですが、「SBDC101」ではフラッシュフィットとラグの間に隙間がありましたが、「SBDC197」ではその隙間が少し埋まったように思います。隙間が埋まったことで、ケースとブレスレットの噛み合わせ部分がより精緻になったことも注目すべき点です。
【文字盤】
次に文字盤の違いを見ていきます。従来の「SBDC101」はグレーの文字盤でしたが、「SBDC197」では黒の文字盤に変更されています。さらに、文字盤の仕上げ方法にも変化がありました。「SBDC101」ではサンレイ仕上げという筋目のある仕上げが採用されていますが、「SBDC197」ではマットな仕上げに変更されています。
また、「SBDC197」はスペック表でも示されている通り、防水性が300mに変更されており、表記も300mに更新されています。加えて、パワーリザーブも70時間から72時間に延びたため、3日間のパワーリザーブを示す「3DAYS」という表記に変化しています。
【日付ディスク】
ご覧いただくとわかるように、「SBDC101」では3時位置に日付ディスクがありましたが、「SBDC197」では4時と5時の間に日付ディスクの位置が変更されました。さらに、従来の白色の日付ディスクは、新しいモデルでは文字盤と同じ黒色に変更されています。また、日付ディスクの枠の形状も四角から円に変わっています。
【ベゼルディスク】
こちらも文字盤と同様に仕上げが異なります。「SBDC101」は筋目を付けるサンレイ仕上げでしたが、「SBDC197」はマットな仕上がりになっています。さらに、ベゼルディスクの内側にミニッツマーカーがなかった部分がありましたが、今回のモデルからはすべてにミニッツマーカーが追加されました。
ベゼルで最も大きな変更点は、回転ベゼルのデザインです。従来は角ばったタイプでしたが、「SBDC197」はベゼルをテーパーにし、面取りを多めに施すことで、少し角が落ちた形状になっています。
【その他】
文字盤外周にあるミニッツマーカーの長さが変わりました。また、プロスペックスのロゴも少し小さくなっています。このように、細かい変更点はいくつか存在します。さらに、クラスプの調整幅も少し変更されており、従来は微調整の穴が4つありましたが、「SBDC197」では2つに減少しています。
外装部分の変更点を見てみると、細かいところも含めて多くの変更があることがわかります。その中でも、ブレスレットやベゼルは大きく変更されているため、好みが分かれる部分となりそうですね。
◾️精度の比較
以前の動画で「SBDC101」を紹介した際に、多くのコメントをいただきました。
その中でも、「Cal.6R35」の精度についてのコメントが非常に多かったため、今回は実際の精度を検証していきます。
今回の精度の測り方ですが、それぞれ3つの姿勢を測定したいと思います。
①時計を保管するときの文字盤が上になる姿勢
②腕に装着したときのように、リューズが下向きになっている姿勢
③デスクワーク時のように、12時位置が下側の姿勢
精度を測定するための機械がありますので、簡単にその見方を説明します。
※「s/d(セコンド・パー・デイ)」とは、1日あたりの誤差が何秒かを表しています。
SBDC101(6R35):1本目
文字盤上:+10秒
リューズ下:+5秒
12時下:+1秒
全体的に悪くない精度です。基準として、+5秒付近の精度が良好だと考えていただければと思います。
SBDC101(6R35):2本目
文字盤上:+5秒
リューズ下:-30~-40秒
12時下:-60秒
タイミングによって結果が少し変わることもありますが、文字盤が上の場合を除いて、精度が良くありません。1本目と比べると、個体差が大きく出ていることがわかります。
SBDC197(6R55):1本目
文字盤上:+5秒
リューズ下:+5秒
12時下:+1秒
すべて+5秒の誤差以下となっているため、非常に良い数字が出ています。電波時計のミスが+5秒付近の誤差であることを考えると、非常に安定した数値だと思います。
SBDC197(6R55):2本目
文字盤上:+10秒
リューズ下:±0秒
12時下:±0秒
非常に良い精度となっています。もちろん、+1、2、3秒となることもありますが、リューズが下向きの状態や12時位置が下側の場合は、概ね±0を指しています。
【まとめ表】
「SBDC101(6R35)」は1本目の精度が良好でしたが、2本目はかなりマイナスに振れてしまっていました。個体差の影響か、精度にバラつきがある結果となりました。
「SBDC197(6R55)」は両方とも良い精度を示したため、安定感がある仕上がりになっている可能性があります。ただし、どちらも振動数としてはロービートの21,600振動であるため、姿勢差は出てしまうと考えられます。
実際に皆さんがご利用の際には、別の精度が得られる可能性があることをご理解ください。あくまで、時計が止まった状態での計測だったという点をご留意ください。
◾️まとめ
今回はSEIKOダイバーズの大人気モデル「SBDC101」と「SBDC197」の比較をさせていただきました。
外装面でも改善が見られましたが、精度を測定した結果も向上していたと感じていただけたと思います。しかし、「SBDC101」も依然として魅力的なモデルであり、筋目を付けた文字盤やベゼルに惹かれる方も多いのではないでしょうか。
ぜひこの「SBDC101」と「SBDC197」の両方を、手に取って触れていただければと思います。
また、こちらの2機種をお使いの方がいらっしゃいましたら、コメントいただけると幸いです。
今回ご紹介した時計は、以下の動画でもご説明しています。
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