高級腕時計の時計通信

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24.4.2021

失敗しない方法お教えします!初めてのヴィンテージウォッチ入門

Komehyo

ブログ担当者:那須

 

■失敗しない方法お教えします!初めてのヴィンテージウォッチ入門

 

最近、ヴィンテージ(アンティーク)の腕時計を探す方が増えてきていますが、同時に

 

「どれを買ったらよいか分からない」

 

という声も聞こえてきます。

↑ヴィンテージウォッチはどれを選べばよい?

 

ヴィンテージウォッチが人気があるのは、最近、大手メーカーが新作として、ヴィンテージモデルを復刻しているという理由もあります。その復刻モデルが注目されていることにより、その元になったヴィンテージ時代のオリジナルモデルに目が向くのは自然な流れかもしれません。

 

ヴィンテージの腕時計は20世紀に入ってから流通が広がり、1930年ごろには、それまでの主流だった懐中時計を出荷数で上回るようになります。その後、ヴィンテージの腕時計はたくさん作られることになりますが、私は、「1960~70年代」の時計をおすすめします。なぜなら、ヴィンテージウォッチに初めて触れる方にも使いやすいモデルが多いからです。つまり、この年代の時計は、「ファーストヴィンテージ」としておすすめなのです。

 

私が、「1960~70年代」の時計をおすすめする理由ですが、それは、

 

 

①実用に耐えうるスペック

 

②スペックに対してお値打ち感がある

 

③現行品にない仕様

 

 

という要素があるからです。

 

この3つの要素を押さえることは、「失敗しないヴィンテージウォッチの選び方」になると、私は考えます。以降で、この3つの要素を説明させていただきます。

 

 

 

 

 

 

■ヴィンテージウォッチで失敗しないために

 

本題に入る前に、今回の趣旨を補足説明しておきます。

 

私は、皆さんに、「ヴィンテージウォッチで失敗してほしくない」と思っています。そのために、この記事を書いています。例えば、ヴィンテージウォッチで失敗した例として、

 

「繊細すぎて、日常使いできない」

 

という事例があります。

↑ヴィンテージウォッチは繊細

 

これは、ヴィンテージウォッチが“現代の時計よりスペックが劣っている”点、または、“当時の性能が既に失われている”点があるからです。この事実はヴィンテージウォッチの世界では常識であり、玄人の方は「承知の上」という感じだと思います。しかし、初めてヴィンテージに手を出す方は、この常識を知らないかもしれません。その場合は、失敗につながるかもしれません。

 

しかし、私がおすすめする「1960~70年代のもの」は、ヴィンテージウォッチの中でも、比較的、実用に耐えうるスペックを持っているモデルが多い印象です。この年代の時計は、“絶妙なバランス”を持っており、ヴィンテージ初心者には手が出しやすいはずです。例えば、この年代よりも古くなればなるほど、日常使用での実用性は低くなります。逆に、この年代より新しくなると、ヴィンテージ時計に求める“枯れ感”や“歴史の重み”は薄らいでしまいます。そのバランスがちょうど良いのが、「1960~70年代」なのです。

 

また、「1960~70年代」の時計は、「比較的まだ個体数が多い」「メンテナンスできる可能性がある」「価格が安定している」という傾向があります。そのため、購入にいたるまでのハードルを下げられるのではないでしょうか。さらに、“現行品にない仕様”も魅力で、例えば、“機械工作品”と“手作業品”の中間的な雰囲気があります。この独特の温かみのある雰囲気も、魅力のひとつだと感じます。

 

では、私がおすすめする「1960~70年代」時計の魅力になっている“3つの要素”を紹介します。

 

 

 

 

 

 

■1960~70年代の時計の魅力となる3要素

 

ここからが本題です。私がおすすめする「1960~70年代」のヴィンテージ品の魅力となる3つの要素を挙げます。

 

 

 

①実用に耐えうるスペック

 

日常使いをする上では、何と言っても「正確な時刻が分かる」という本来の機能がしっかりしていることが大前提です。そこで重要になるのが「精度」です。この「1960~70年代」のヴィンテージは、ヴィンテージの中では精度が良好なものが多い印象です。

 

精度は各メーカーが大きな技術的な進歩を遂げて現在に至ります。最新のモデルの多くは、1日で「±10秒」前後の誤差を基準としています。しかし、ヴィンテージ時計の場合、1日の誤差が数分単位になることも珍しくありません。しかし、1960年代の時計は精度コンクールも盛んで、精度のよい時計が多くあります。

 

中でも、クロノメーター規格を取得したモデルは、精度が出やすいモデルですので、おすすめです。オメガのコンステレーションはその最たる例で、その後も数々の天文台コンクールに参加し優秀な成績を収めています。

↑精度が良好なモデルが多い

※オメガ/コンステレーション

 

また、湿気の多い日本で大切になるのが防水性です。古くはスナップバック式やハンターケース等と呼ばれる極めて防水性が薄いものが主流でしたが、1960年代に入り、ねじ込み式の裏蓋や性能の良いパッキンが登場したことで、防水機能は飛躍的に向上しました。これならば多少は水気のある場所でも安心です。

↑ねじ込み式の裏蓋

 

 

 

②スペックに対してお値打ち感がある

 

次に、価格についてです。現代の時計ではオールステンレス製のシンプルな3針モデルが、100万円を超えることも珍しくありません。しかし、「1960~70年代」の時計は、一部のモデルを除くと、とてもお値打ち感があるものが多いと感じます。

 

もしかすると皆さんのイメージで、「ヴィンテージ時計は高価」というイメージがあるかもしれません。しかし実際は、一部の人気モデルを除くと、「古い中古品」としての扱いから安く流通していることが多いです。

 

例えば、IWCの「ペラトン式自動巻き機構」は1950年代に開発され、その後は現代にいたるまで同社の様々なモデルに採用されてきました。この機構を搭載したムーブメントは、ヴィンテージ時代の人気ムーブメントながら、流通としては比較的購入しやすい価格で売られています。

↑ペラトン式ムーブメントを搭載しながらお値打ち

↑IWC/ラウンド/Cal.853/YG

 

この機構は2020年に発表された新型ポルトギーゼにも採用されていますが、1960年代のヴィンテージモデルなら、その1/5程の価格で購入できてしまうこともあるでしょう。現代の技術へ通じるスペックがこのお値段で手に入るなら、欲しいという方も多いのではないでしょうか。

↑IWC/新型ポルトギーゼクロノグラフ

 

 

 

③現行品にない仕様

 

ヴィンテージの時計には、“ヴィンテージらしい見た目”を与える要素があります。それは、1970年代までの「プラスチック風防」であったり、1990年代まで採用されてきた夜光塗料「トリチウム」などです。それ以外に、針の形状や文字盤の仕上げにも、ヴィンテージ品は特徴をもっています。「1960~70年代」の時計は、ヴィンテージ品の中では比較的新しい作りをしていますが、それでも“ヴィンテージらしい見た目”をしています

↑トリチウム夜光塗料とプラスチック風防

※ブライトリング/ダトラ

 

“ヴィンテージらしい見た目”の具体的な例を出しましょう。例えば、ロレックスのヴィンテージには、「段付き」と呼ばれる文字盤をもつものがあります。これは、文字盤の端が一段低くなるタイプのことです。

↑ヴィンテージに見られる「段付き」文字盤

※ロレックス/デイトジャスト1601

 

これは、リファレンスが4ケタまでの特徴で、5ケタからは現行と同様の平面タイプです。奥行が感じられ、これだけでもグッとヴィンテージの世界に引きこまれそうです。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

今回は、初めてのヴィンテージウォッチを探している方に向けて、私の意見で「失敗しない選び方」を書かせていただきました。

 

ここまでで語った私の意見を一言でまとめると、

 

「ヴィンテージの中でも、“比較的新しい年代のもの”が、実用面と価格面でおすすめです」

 

ということです。

 

その“比較的新しい年代のもの”を、今回は「1960~70年代の時計」と表現していました。

 

もちろん、今回紹介したものはほんの一例です。自分自身で明確な基準を持ってヴィンテージ時計を探してみるのもいいでしょう。じっくりと買いたいモデルと購入店を選び、納得いくまで店員に話を聞き、個体選びをするのは楽しいものです。少し手間はかかりますが、それだけ愛着を持って長年付き合えるだけの価値はあると思います。

 

ぜひ、世界でたった一つだけの自分だけのヴィンテージ時計をぜひ見つけてみて下さい。

 

 

 

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