18.9.2020
ショパール「アルパインイーグル」が話題になっている理由とは?
Komehyo
ブログ担当者:須川
2019年の新作として登場した、ショパール「アルパインイーグル」。
実は、このアルパインイーグルは、時計業界で話題のモデルになっています。
今回は、アルパインイーグルが話題になっている理由を、紹介します。
■「アルパインイーグル」とは?
まずは、「アルパインイーグル」について説明しておきます。
↑写真は41mmサイズのREF.298600-3001
アルパインイーグルは、2019年に登場したショパールの新作です。その名の通り、「アルプスの鷲」にインスパイアされて作られた時計です。
実は、このモデルには元になるモデルがあります。それは、1980年に発表した「サンモリッツ」です。
↑サンモリッツ
このサンモリッツを、現在、人気のある「ラグジュアリースポーツ(ラグスポ)」として再構築したモデルが、アルパインイーグルなのです。ラグスポというと、パテックフィリップ「ノーチラス」やオーデマピゲ「ロイヤルオーク」などが代表例として挙げられるカテゴリーです。現在、ラグスポは一世風靡していますので、ショパールもアルパインイーグルで、このカテゴリーに挑むことにしたのでしょう。
種類ですが、大きさは、ラージサイズの41mmとスモールサイズの36mmが用意されています。そして、素材は、オールステンレス、ローズゴールドとステンレスのコンビ、オールローズゴールドが用意されています。また、文字盤カラーは、ブルー、グレー、ホワイトマザーオブパール(36mmのみ)が用意されています。
ムーブメントは、グループメーカーのフルリエエボーシュ製で、ラージサイズに「Cal.01.01-C」、スモールサイズに「Cal.09.01-C」と、別のキャリバーが搭載されます。
↑Cal.01.01-C
■アルパインイーグルが話題になっている理由
ここからは、アルパインイーグルが話題になっている理由を説明したいと思います。
このモデルが時計業界で話題になっている理由は、「新しいステンレスを開発したから」です。
↑新しいステンレスを開発
その新しいステンレスの名前は「ルーセントスティールA223」と言います。なんと、4年の歳月をかけて開発されたと言われています。もちろん、わざわざ新しいステンレスを開発したわけですから、そこには、“狙い”があります。その狙いを知るために、まずは、ルーセントスティールA223の特徴を把握しましょう。
ルーセントスティールA223の特徴を挙げると、大きく次の3点があるでしょう。
<ルーセントスティールA223の特徴>
①従来のステンレスより硬い
②見た目が美しい
③金属アレルギーを起こしにくい
では、この3点について、少し説明しておきます。
①従来のステンレスより硬い
ルーセントスティールA223の名称の中にある「223」は、どうやらビッカース硬さの数字を表しているようです。つまり、「硬さが223ビッカースある」ということなのでしょう。
腕時計で使われる一般的なステンレスは、標準的な製法で作った場合、150~200以内ぐらいのビッカースです。そのため、アルパインイーグルのステンレスは「従来よりも硬いステンレス」と言えそうです。メディアによっては、「従来より1.5倍硬い」という表現を使っていることろもありました。成分から判断するとオーステナイト系ステンレスだと思われますので、おそらく製造時の加工によって硬化させたのだと思います。
外装素材がより硬い方が、「日常使いでの傷がつきにくい」ので、アルパインイーグルで使われるステンレスはよい良いものでしょう。しかし、通常のステンレスより大幅に硬いわけではありませんので、傷のつきにくさを過信するような使い方は避けるべきでしょう。
②見た目が美しい
ルーセントスティールA223は、従来のステンレスより、“見た目”が美しく感じます。具体的に言うと、通常のステンレスよりも白っぽく感じます。
一般的にステンレスは、シルバー系の色味をしていますが、どこか“黒み”を感じます。しかし、このルーセントスティールA223は、“白み”を感じるのです。例えば、“白み”を感じる金属としては、白金族の「プラチナ」がありますが、ルーセントスティールA223も近い雰囲気があります。
③金属アレルギーを起こしにくい
ルーセントスティールA223は、金属アレルギーを起こしにくいステンレスのようです。
腕時計は直接、肌に触れるものなので、ステンレスの時計で金属アレルギーを起こす方もいます。例えば、装着部分が赤くなったり、かゆくなったりします。そのため、金属アレルギーの方は、ステンレスではなく、チタン素材などの“アレルギーを起こしにくい金属”の時計を選ぶことになります。
しかし、ルーセントスティールA223であれば、通常のステンレスよりも金属アレルギーを起こしにくいので、金属アレルギーの方でも使える可能性があります。もちろん完全に大丈夫と断言できるものではありませんが、ずっと着用できる可能性は高いでしょう。
このように、ルーセントスティールA223は新たな可能性を秘めたステンレスです。ショパールが新モデルのために、「素材自体を新たに作った」ことは、凄いの一言です。時計業界で、話題になることも頷けます。
■最後に
今回は、アルパインイーグルが話題になっている理由を紹介しました。紹介した通り、その話題の中心である「ルーセントスティールA223」は、見た目が美しいステンレスです。そのため、ショパールのラインナップに「“美しいラグスポ”=アルパインイーグル」を加える大きな要因となりました。
↑“美しいラグスポ”=アルパインイーグル
おそらくショパールは、「一流を目指す」気質もあり、新たなラグスポを生み出す際に、ノーチラスやロイヤルオークを意識したに違いありません。
↑ノーチラス
その強力なライバルに挑むには、“強力な武器”が必要です。きっと、その“強力な武器”こそ、美しい見た目を与えるルーセントスティールA223に違いありません!
今回のアルパインイーグルは、動画でも紹介していますので、そちらもご確認ください。
↓↓↓
※おすすめ記事
TAGLIST
- A.LANGE&SOHNE
- , AUDEMARS PIGUET
- , Bell&Ross
- , BLANCPAIN
- , Breguet
- , BREITLING
- , BVLGARI
- , CARTIER
- , CASIO
- , CHANEL
- , CHOPARD
- , CITIZEN
- , F.P.JOURNE
- , FRANCK MULLER
- , G-SHOCK
- , Girard-Perregaux
- , Glashütte Original
- , HAMILTON
- , HERMES
- , HUBLOT
- , IWC
- , Jaeger-LeCoultre
- , Longines
- , MAURICE LACROIX
- , MORITZ GROSSMANN
- , NEXT VINTAGE
- , NOMOS
- , OMEGA
- , ORIS
- , PANERAI
- , PATEK PHILIPPE
- , PIAGET
- , RICHARD MILLE
- , ROLEX
- , SEIKO
- , SINN
- , SWATCH
- , TAG HEUER
- , TISSOT
- , TUDOR
- , Ulysse Nardin
- , VACHERON CONSTANTIN
- , VINTAGE
- , ZENITH
- , その他
- , パテックフィリップ
- , ファッション
- , 人物
- , 時計一般知識
- , 独立時計師
- , 筆記具
- , 革靴
more
-
NEXT ARTICLE
次の記事へ
25.9.2020
【IWCの2019年新作】新しい「ポルトギーゼクロノグラフ」はどう変わったのか?
-
PREVIOUS ARTICLE
前の記事へ
11.9.2020
【ロレックスの新作】グリーンサブマリーナ126610LVを実際に見て思うこと ~旧モデル116610LVとの違い~