24.4.2015
パテックフィリップ「カラトラバ 3796」 ~シリーズ “ネクストヴィンテージ” 第1回~
Komehyo
ブログ担当者:中山
今週は「ネクストヴィンテージ」と題しまして、90年代前後に生産されたものを中心とした廃盤品の中から「銘品」といわれるものをピックアップし、事実と主観を交えながらシリーズでブログを書かせていただきます。
第1回目の今回は、パテックフィリップの銘品「3796」について。
↑パテックフィリップ「3796」
◆パテックフィリップについて
まずはパテックフィリップについて、「名前は知っているけど、どのようなブランドかよくわからない」という方もいらっしゃるかと思いますので、簡単ではありますが説明させていただきます。
パテックフィリップ(アルファベット表記:PATEK PHILIPPE)は、1839年に創業し、2015年に175周年を迎えた時計界最高峰の技術・品質を持っているメーカーです。独立した資本を持っているマニュファクチュール(時計のすべての製造工程を自社で一貫して生産を行う)です。 ここでは細かい歴史等は割愛させていただきますが、厳格な社内基準のもと生産される時計は、資産としての価値も高く、世界中のコレクターからも「トップブランド」として認められています。
◆なぜ「3796」は美しいのか?
「3796」とはパテックフィリップのモデルごとについているリファレンスの一つで、1932年に発表されたリファレンス「96」のデザインをベースにして、50年後の1982年に発表されたモデルです。
デザインの特徴としては、
・丸型の約30mmケース
・フラットなベゼル
・スモールセコンド
と、言葉にするといたってシンプルなものですが、数ある時計の中でも、非常に「美しい」時計として、時計の世界でも有名な逸品です。
では、時計に限らず、様々な製品を見たときに「美しい」と感じる理由は、いったい何なのでしょうか?
↑カラトラバ「3796」は美しい !
それに対する答えは人それぞれかと思いますが、美しいと感じるものに共通して言えることは、
「バランスの良さ」
ではないでしょうか?
時計で考えますと、
・ケース本体とラグのバランス
・文字盤と機能のバランス
・針の形状とインデックスのバランス
・腕にはめた時の、腕と時計のバランス
・ベゼルの広さ・形とケースのバランス
があげられるかと思います。
それらをより意識して、3796を今一度眺めてみると、そのバランスが非常に優れていることがわかります。
前述した通り、ケース径約30mmとなっており、現在のカタログモデルと比較すると、非常に小さく、現在のマーケットの需要には合わないモデルなのかもしれません。
しかし、リファレンス「3796」は、このモデルでしか表現し得ない「美しさ」があり、親から子へ伝え、受け継いでいけるような製品を作っていくというパテックフィリップ社の想いが込められた、いつまでも銘品として語り継がれるような、真の美しさが感じられます。
次の世代のヴィンテージとして語り継がれる銘品と言えるのではないでしょうか。
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