8.2.2019
厳選!手首が細い男性に似合う機械式時計 ~細身の方におすすめのIWC、ジャガールクルト、ランゲ&ゾーネ~
Komehyo
ブログ担当者:篠田
皆さんは、どのような大きさの腕時計を着けていますか?
きっと多くの男性の方は、“アラウンド40mm”(ケース直径が約40mm)、または“オーバー40mm”(ケース直径が40mmより大きい)サイズを着けているのではないでしょうか。この状況に至った理由は、2000年代に大型化トレンドが起こったからです。その流れで、現在の標準サイズがこのようなサイズに落ち着いているのです。
↑ロレックス/エクスプローラーⅠ/214270
↑ウブロ/ビッグバン/301
このようなサイズのトレンドがあるにも関わらず、私は“アラウンド35mm”(ケース直径が約35mm)の時計を着けています。なぜなら、私は細身な体型であり、併せて手首も細いからです。トレンドの40mm以上のサイズは私には大き過ぎ、自分に合うと思えません。
私のような細身体型の人が、アラウンド35mmの時計の中から“メジャーなモデル”を選ぼうとすると、現行モデルにはあまり選択肢がないでしょう。しかし、旧モデルにまで目を向けると、選択肢があります。例えば、ロレックスの旧エクスプローラーⅠ(14270/114270、約36mm)や、オメガの旧シーマスターアクアテラ(2504~/2518~、約36mm)などです。これらのモデルはとても有り難い存在で、細身体型の人にも“メジャーなモデル”が選べるのです。
↑エクスプローラーⅠ
(14270/36mm)
↑シーマスターアクアテラ
(2504.50/36mm)
しかし私は、多くの方が選ぶ“メジャーなモデル”よりも、マニアックなモデルに目が行ってしまいます。「せっかく買うなら、より機械式時計らしさを味わえる“クラシカルな時計”が良い」と思ってしまうのです。そのクラシカルな時計が袖口からさりげなく見える姿が、とても格好良いと思うのです。
きっと、皆さんの中にも、私と同じ“クラシカルな時計が好きな細身の方”がいらっしゃるのではないでしょうか。今週は、そのような方へ向けて、私のおすすめ時計を紹介します。
■腕時計サイズの歴史について
きっと皆さんの中には、「腕時計の大きさの話をされてもピンとこない」という方もいらっしゃるかもしれません。そこで、皆さんの“腕時計サイズの知識”を向上を狙って、時計サイズの歴史を紹介します。
腕時計の登場前は、“懐中時計”の時代でした。懐中時計は様々なサイズが存在しますが、主流なサイズは35~50mmほどの大きさでした。そして、20世紀に入ると、“腕時計”が普及するようになります。この時代になると、黎明期にあった「腕時計=懐中時計を腕に巻いたもの」という発想から離れ、“腕時計専用のケース”や“腕時計専用のサイズ”が構築されます。
様々な腕時計が作られる中で、1932年に登場したパテックフィリップの「96」は、腕時計のシルエットのスタンダードを作った金字塔です。このモデルが、ケース直径30mm強でしたので、この時代の男性用腕時計は約30mmが標準的サイズだったと考えられます。その後、精度を追求するためにムーブメントの拡大が行われるようになり、時計のサイズも徐々に大きくなります。1970年代ごろまでには、33~35mm前後の時計も増えてきました。
昔の腕時計サイズがこのようなサイズ感ですので、「30~35mmぐらいの腕時計は、“クラシックサイズ”」というイメージがあるのです。
↑1930年代に誕生したパテックフィリップ「96」
また、20世紀前半期から、クロノグラフなど機能を搭載したモデルは35mm前後のサイズがありました。また、1950年代以降に登場するスポーツモデルは37mm以上のサイズがどんどん登場します。つまり、一般腕時計のサイズも拡大傾向にありますが、機能が付いた時計やスポーツモデルは、さらに大きいサイズが当たり前でした。
どんどんと時代が進むにつれて、世間が“アンダー40mm”の時計を目の当たりにしても、あまり違和感を持たない状況になっていくのです。
その後、機械式時計はクォーツ時計の台頭により存在感が薄くなりますが、1980~1990年代に人気を持ち返します。1990年代後半期には標準サイズがより大型化し、一般腕時計なら38mm前後、スポーツモデルが40mm前後となります。
↑“デカ厚”トレンドを牽引したパネライ
そして、2000年前後以降より、「デカ厚」ブームが起こります。「デカ厚=大きくて分厚い時計」です。44~48mmのより存在感のある時計が人気を集めたのです。牽引したのはパネライでした。しかし現在は、デカ厚ブームにも落ち着きが感じられます。私の感覚では、39~42mmぐらいの“アラウンド40mm”が、現在の標準サイズだと感じます。
つまり、今回私がおすすめする“アラウンド35mm”は、一般よりも小ぶりなサイズということです。
■“クラシカルな時計が好きな細身の方”への、おすすめウォッチ!
ここからが本題です。“クラシカルな時計が好きな細身の方”に向けて、私のおすすめウォッチを紹介しましょう。
①IWC「マークXII(マーク12)」
※ケース直径:36.5mm
・おすすめポイント
→「実用性の高い、“渋かっこいい”モデル」
1990年代につくられたケースサイズが36.5mmのパイロットウォッチ。文字盤は、視認性が高いアラビアのインデックスの黒フェイス。針とアワーマーカーには夜光塗料があり、実用性が高いシンプルな作りです。まさに「質実剛健」。その男らしい「無骨」なつくりが、とても格好良いです。ブレスレットは細かいコマを連ねたクラシカルなタイプです。
マークシリーズは、大型化をしながら、現在マーク18まで製造されています。しかし私としては、このマーク12が、“小ぶりなサイズ感”、“クラシック感”、“渋さ”で一番勝っていると思います。本当に、“渋かっこいい”時計です。
②ジャガールクルト「ビッグレベルソ 」
※ケース直径:横26mm/縦42mm
・おすすめポイント
→「大きさがジャストな、アールデコ調ウォッチ」
ジャガールクルトの代表作が「レベルソ」です。そのレベルソのワンサイズ大きいサイズとして誕生したのが、「ビッグレベルソ」です。しかしその後、より大きなサイズが登場して、今やビッグレベルソさえも“やや小ぶりなサイズ”という印象になっています。この点は、以前の投稿でも紹介しています(なぜジャガールクルトの「ビッグレベルソ」は傑作と言われるのか?)。
また、レベルソはアールデコ調のクラシックな時計だけに、「大きすぎるとクラシック感を損ない」、「小さ過ぎるとクラシック過ぎる」という、バランスが難しい時計です。現に私の場合、現在の“大きいサイズのレベルソ”は、腕からはみ出てしまいますし、そのサイズの合わせはかなり重要です。
しかし、「ビッグレベルソ」は、そのバランスがちょうどいいのです。まさに、ジャストな大きさです。やや小ぶりな大きさは腕に収まりが良いですし、反転ケースや長方形シェイプが、“クラシックウォッチとしての個性”を与えてくれます。そして、ジャガールクルトならではの“高級感”もあります。その「適度な個性を持ちながら、サイズ感で主張を控えめにするバランス」は、最高です。ただ残念ながら、現在は生産されておらず、中古でしか購入することはできません。
③ランゲ&ゾーネ「1815 (初期型)」
※ケース直径:36mm
・おすすめポイント
→「プロポーションが素晴らしい超高級ドイツ時計」
1995年に登場する「1815」の36mmサイズです。1815はその後大型化しますが、この初期の小ぶりなサイズは、プロポーションが素晴らしいです。特に初期の小ぶりなサイズ感が、間延び感を与えません。文字盤のアラビアインデクスがうまく空間を埋めており、シンプルなデザインながら、かなり洗礼された印象です。裏蓋はシースルーバックになっており、裏のガラスを通して見られるムーブメントも美しいです。3/4プレートにスワンネックを合わせており、ドイツ時計の素晴らしさも感じることができるます。
この1815は、今回おすすめする中では高価な一品です。その価格に見合う出来栄えであり、細部のこだわりを感じる限り、飽きがこないでしょう。実際に、「上がり時計(人生の最後の一品)」に購入する方もいらっしゃいます。まさに、“最高峰の細身の方向け時計”です。
■最後に
今回は、“クラシカルな時計が好きな細身の方”に向けたおすすめ時計を紹介させていただきました。今回は3つの時計を紹介しましたが、実は、この3つに絞った理由があるわけではありません。なぜなら、今回の3つのモデルを選んだ基準が、私が個人的に好きな時計だからです。
これは、
「人の好みを知って、自分の好みをハッキリさせる」
ということを狙っているのです。
つまり、ここで紹介した私の好みの時計を「好き」と感じるか「違う」と感じるかで、皆さんの好みが具体化するのです。
そして、皆さんの好みが具体化したら、最後は、流行に流されず、自分に合う時計を選んでください。それが大切だと思います。なぜなら、腕時計は人柄を表します。私は、皆さんの腕元から、皆さんの色を出して欲しいのです!
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