21.4.2018
【万年筆の生みの親・育ての親】~高級筆記具の歴史~
Komehyo
ブログ担当:那須
以前の記事で、モンブランの持つ魅力をその事業展開やラインナップから紹介させて頂きましたが、今回は高級筆記具の歴史を少し紹介しつつ、モンブランのあるシリーズについて説明させて頂きます。
皆さんは『高級筆記具』と聞いてどのようなブランドを思い浮かべるでしょうか。
パーカー、クロス、ペリカン、モンブランなど様々だと思いますが、その多くが創業100年を超える歴史あるブランドです。それだけに歴史的な著名人に愛用されていた事も多く、その1本のモデルに数々の逸話があります。
私はデザインや風格、機能的な優位性のみならず、そういったバックグラウンドこそ現在においてもそれらのブランドが高級筆記具としてステータスを保ち続けている一つの要因であると感じています。
また、一口に筆記具といっても、現代では万年筆やボールペンなど様々なものがありますが、これらも発売当時は画期的な新技術として人々の目を引くものでした。そしてその技術を確立させたのは元をたどれば現在の高級筆記具メーカーであることが多いのです。ここで少し万年筆が発明された経緯を紹介していきましょう。
■万年筆を発明したのはウォーターマン
ウォーターマンは、1884年アメリカにて前身となる「Pen Company」を創業し、現在はフランスを拠点にしています。「ライティング・ジュエリー」と称される美しいデザインが特徴の高級ブランドです。
同社は1883年に、世界で初めて毛細管現象を応用した万年筆を発明したことから、「万年筆の祖」と称されています。これは昔保険外交員をしていた創業者であるウォーターマンが、ある大口契約を結ぼうとしたところ、あろうことか大切な契約書をペンのインクで汚してしまい、ライバルに先を越されたという苦い経験が元となり開発されたものです。他にもインク漏れを解消するためのくぼみを設けたペン芯「スプーン・フィールド」供給システムなど、研究と開発に余念がなく、他にも、クリップ付きのキャップやカートリッジなどを発明し、万年筆の基礎を築き上げたと言われています。
ウォーターマン ル・マン100パトリシアンレッドラッカー
■万年筆の永遠のアイコンモデル
万年筆を発明したのがウォーターマンなら、万年筆を世に知らしめ、大人のステータスアイテムにまで成長させたのがモンブランです。中でも『マイスターシュテュック』は1924年の発表以来、万年筆の最高峰として不動の人気を誇っており、最も有名なモデルと言えるでしょう。まさに万年筆の王様です。
ボディには、プレシャスレジンと呼ばれる天然素材からできたこだわりのモンブラン樹脂を使用。手にしっくり馴染み、丸みを帯びたフォルムと大きめのペン先で書き心地は安定感があり滑らか。使えば使うほど手になじむ、まさに一生ものの逸品です。
モンブラン マイスターシュテュックプラチナクラシック 106526
■過去の歴史的著名人が愛用
私はモノが持つその背景やストーリーが大好きなのですが、マイスターシュテュックは、そういった逸話を沢山秘めたモデルです。
ジョン・F・ケネディ大統領やエリザベス女王、ダイアナ妃のほか、日本でも三島由紀夫、開高健、北方健三、松本清張、石原裕次郎など数多くの著名人に愛されてきました。それだけでもその品質への信頼性、ステータス性の高さがうかがえます。これらの著名人の影響もあり、1960年代には『万年筆=モンブラン』として認識されていたそうです。
作家にはモンブラン愛用者が多いのですが、自分の好きな作家がどんな筆記具を使っているのか調べてみると、職業柄かさすがに筆記具に対するこだわりや思い入れが強いことが多いので、面白い逸話に出会えるかもしれません。
また、最も著名な筆記具と言われるモンブランの中でも、世界中の重要な調印式の際にも使われてきた『マイスターシュテュック149』は、最高峰のモデルです。
1963年、西ドイツのアデナウアー首相がゴールデンブックに署名する際、自分の万年筆が見つからなかったアデナウアー首相に対し、ジョン・F・ケネディ大統領がモンブランの万年筆を差し出しました。当時すでに高齢だったアデナウアー首相に対するケネディ大統領の心遣いが伝わるエピソードですが、このとき使われたのも『マイスターシュテュック149』と言われています。
モンブラン マイスターシュテュック149(60年代)
圧倒的な存在感、手に持った時の完璧なバランス、ストレスのない滑らかな書き心地はまさに万年筆の最高峰と呼ぶにふさわしい作品です。
ぜひ歴史的瞬間に立ち会った傑作を手に取ってみて下さい。
きっと最新モデルとは一味ちがう、特別なモノが持つ何かを感じて頂けるはずです。
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