12.1.2018
自分の腕時計をきれいに保つための3つの方法 ~自分でできる高級時計のメンテナンス&保管方法~
Komehyo
ブログ担当者:須川
以前私が、私物の時計をオーバーホールに出したときに、受付をしてくれた方に言われた一言です。
「すごく状態がきれいですね!」
↑時計はデイリーケアできれいに保てます
自分ではあまり意識していませんでしたが、そう言われると「長年使った時計としては、確かにきれいだな」と自分でも感じました。そこで、自分の普段の行動を思い返してみて、気付いたのです。
「日々の基本的な手入れ」と「保管方法」が良かったのだと。
確かに私は、時計初心者のころに覚えた基本的なデイリーケアを自然と続けていました。本当に基本的なことなのですが、長年それを行うと行わないでは、状態面に大きな違いがでるのです。
そこで今回は、時計をきれいに保つための方法を紹介します。それは、以下の3点です。
<時計をきれいに保つ3つの方法>
1.毎回、使用後に時計をセーム革で拭く
2.専用ケースで保管する
3.保管場所を暗所にする
私は普段この3つの方法をとっていたことにより、結果として時計の状態をきれいに保つことができました。基本的なことなのですが、日々の積み重ねもありますので、大きな効果があったと考えます。下で掘り下げて説明いたします。
■毎回、使用後に時計をセーム革で拭く
私は、腕時計を使い終わる度に、セーム革で時計本体を拭いています。セーム革とは、鹿の皮で作られたクロスのことです(他の動物のこともあります)。時にはマイクロファイバークロスやメガネ拭きを使うこともあります。
↑セーム革などで拭きましょう
とにかく使用後に、「付着した汗や汚れを拭いておく」ことが重要なのです。
腕時計に一番使われる素材は、ステンレスです。ステンレスは錆びにくい素材ではありますが、付着した水や汚れを放置しておくと錆びることがあります。
後は、もしできることであれば、時々ブラシなどで「隙間汚れを取る」ことをおすすめします。特にステンレス製の金属ブレスには隙間汚れが溜まりやすいので、金属ブレスの時計をお使いの方にはおすすめです。金属ブレスであれば、金属汚れ用のクリーニングスプレーや水で薄めた中性洗剤をつかって、柔らかめの歯ブラシや爪楊枝で汚れを落とすと良いでしょう。本格的な方は、本体から外して金属ブレスを超音波洗浄機にかけても良いでしょう。
本当に基本的なことですが、これが“時計をきれいに保つための極意”といっても過言ではないと思います。
■専用ケースで保管する
弊社の買取センターに持ち込まれる時計のコンディションも様々です。非常にきれいな状態の時計もあれば、かなりハードに使用された印象の時計もあります。ただ、腕時計は実用品ですので、私は「外装の傷は、持ち主と一緒に過ごした思い出の跡」として肯定的に捉えています。
しかし、“裏蓋の傷”は違います。裏蓋は腕に密着している部分であり、打痕がつくことは通常ありません。私にとって裏蓋の傷は肯定的なものではありません。なぜなら、裏蓋に傷がつく原因の多くは、「保管方法に問題があるから」です。
私が皆さんに知っていただきたいことは、「裏蓋は(基本的に)傷消しできない」ということです。多くの高級時計の裏蓋には、様々な刻印がされています。その刻印を消さないために、一般的に、裏蓋は研磨して傷消しをすることは推奨されません。厳密には傷消しをすることは不可能ではありませんが、裏蓋の刻印が消えてしまうというリスクを考えると、「裏蓋は傷消しできない」というぐらいに考えていた方が良いでしょう。
↑裏蓋の傷は「消せない」と考えたほうが良い
裏蓋に傷がつく具体的な原因は、“時計の置き方”にあります。例えば、金属ブレスの時計の場合、その多くは折りたたみ式(Dバックル式)の留め具を採用しています。もし時計のフェイスを仰向けにし、裏蓋の後ろに何も挟まない状態で時計を置くと、留め具が裏蓋に当たって傷がついてしまいます。
↑裏蓋と留め具が当たる様子
私は、「“腕時計専用の保管ケース”に入れて、時計を保管する」ことをおすすめします。
専用の保管ケースであれば、時計を巻きつけるクッションがあったり、時計の外装が接する部分も傷がつきにくい素材になっています。そして、“決まった保管場所がある”という状況があれば、忙しく過ごすときでも、自然と時計を保管ケースにいれるようになります。つまり、習慣になるのです。特に、着替えをする部屋に保管ケースを置いておくと、より自然な流れで保管ケースにしまうようになります。
■保管場所を暗所にする
同じく保管場所の話ですが、私は「“暗所”に保管をする」ことをおすすめします。
なぜなら、“文字盤”や“革ベルト”の変色を防ぐことができるからです。実は、太陽光や照明の光を長期間浴びると、文字盤や革ベルトは変色します。特に革ベルトは、「湿気・乾燥・光の浴び過ぎ」を防いであげると長持ちしますので、暗所に置くだけでなく、湿気や乾燥にも気を使ってあげた方が良いでしょう。
もちろん、湿気に気をつけるのは、金属ブレスの時計も同じです。時計内部の密封性を保つパッキンも、経年劣化があり、時計の防水性は時間とともに落ちます。もし時計内部に湿気が入った場合、ムーブメントはもちろん、文字盤や針にも劣化が起こります。
私は、蓋に透明な部分がある腕時計保管ケースを使っています。そのままだと光が入りますので、戸棚にそのケースをしまっています。そして、保管ケースの中に1つ乾燥剤をいれています。これで、光と湿気を防ぎます。さらに、時々、革ベルトに革用クリームを与えています。これで乾燥を防いでいます。
↑劣化した文字盤の様子
■最後に
まとめます。
「時計を使った後は、毎回セーム革などで拭き、暗い場所にある、時計保管ケースに時計をしまう」
これが、時計の状態をきれにたもつ秘訣です。
本当に基本的なことであり、習慣となれば、誰でもできることではないでしょうか!
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