31.7.2015

時計業界で存在感を放つフェラーリ　～フェラーリが示すパネライとウブロの意外な共通点～

Komehyo

ブログ担当者：須川

「フェラーリ」と言えば、誰もが知っているスポーツカーを得意とする自動車メーカーです。実はフェラーリは、積極的に時計メーカーとコラボレーションする自動車メーカーとして時計業界では知られています。

今週はフェラーリと時計業界の関わりについて紹介したいと思います。

（時計業界とも関わりの深いフェラーリ）

◆自動車メーカーと時計メーカーのコラボレーション

「高級時計」と「高級車」の購入者層は同じ層であるとイメージすることは容易だと思います。自動車メーカーと時計メーカーが手を取り合うことは自然な流れなのかもしれません。有名自動車メーカーの知名度と格を取り込みたい時計メーカーの思惑と、自動車以外のものにも自社ブランドのロゴを配して顧客との接点を増やしたい自動車メーカーの思惑が、そのコラボレーションを誕生させたのだと思います。下で有名なコラボレーションの例を紹介いたします。

＜時計メーカーと自動車（関連）メーカーのコラボレーション例＞

○メルセデスベンツ：　タグホイヤー

○AMG：　IWC

○ベントレー：　ブライトリング

○BMW：　ボールウォッチ

○ポルシェデザイン：　IWC、エテルナ

○アストンマーチン：　ジャガールクルト

○マクラーレン：　タグホイヤー

○アルファロメオ：　ショパール

○マセラティ：　ブルガリ

○ブガッティ：　パルミジャーニ・フルリエ

※左が自動車メーカー：右が時計メーカー

このように、名だたる有名時計メーカーと自動車メーカーのコラボレーションは数多くあります。しかし、その中で最も時計業界にインパクトを与えているコラボレーションは、「フェラーリとのコラボレーション」です。

◆フェラーリと時計メーカーの関わり

フェラーリは1995年にジラールペルゴと提携します。これは当時のジラールペルゴの社長であるルイジ・マカルーソ氏が元レーサーだったとこが大きく関わっています。当時はジラールペルゴの知名度は今ほどありませんでしたが、フェラーリの「跳ね馬」ロゴが入った時計を作ることで、知名度を大きく伸ばしました。まさに、ジラールペルゴにとってフェラーリとの提携は大成功だったと言えます。

私たちは「ネクストヴィンテージ ※1」というシリーズブログを持っていますが、私はこのフェラーリコラボレーションの時計も1990年代を代表するネクストヴィンテージウォッチだと思っています。他業種とコラボレーションする効果の絶大さを時計業界に知らしめた業績は大きいと思います。

（フェラーリクロノグラフ：8020）

2006年からフェラーリはパネライと提携をします。ちょうど「デカ厚」ブームの時期ですので、時計業界での大きな話題になりました。「パネライ」ブランドとして売り出したわけではなく「フェラーリウォッチ・エンジニアリングバイオフィチーネパネライ」というブランド名で展開しました。ただし、残念ながら約１０年間展開したジラールペルゴとの提携よりも短命に終わってしまいました。いつかレア品という見方がされることもあるかもしれません。

（グラントゥーリズモクロノグラフ：FER00018）

2011年からフェラーリはウブロと提携し、現在に至ってます。先見の明のあるウブロの現会長のジャン・クロード・ビバー氏のことですので、成功の方程式が見えた提携なのでしょう。サッカー、ヨットなど数々のコラボレーションで知名度を上げ続けるウブロは、まさに「コラボレーションの勝ち組」の筆頭と言われるメーカーです。

（ビッグバンフェラーリオールブラック：401.CX.0123.VR）

ジラールペルゴ、パネライ、ウブロというビッグネームと次々と提携するフェラーリは、時計業界でいつも大きな話題になる自動車メーカーです。元レーサーだったマカルーソ氏の存在で提携したジラールペルゴは特例として、フェラーリがパネライとウブロをパートナーに選んだのには意図がある気がします。「2006年時点でのパネライ」、「現在のウブロ」は時計業界のトレンドを牽引するトップランナーです。私はフェラーリの提携基準は「その業界のトレンドを牽引している存在であること」だったように感じます。フェラーリはパートナーにもトップを走っていることを求めているのではないでしょうか。フェラーリのこだわりのコラボレーションに、これからも注目していきたいと思います。