高級腕時計の時計通信

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13.10.2017

カルティエ|“男のタンク選び”で、私が「タンクMC」をおすすめする理由

Komehyo

ブログ担当者:栗田

 

カルティエの人気時計シリーズ「タンク」。今年はタンク誕生100周年ですので、時計に明るい方にとっても、今話題のシリーズです。

↑タンク・ルイ・カルティエ

 

ただし、タンクシリーズには多くのモデルが存在しています。

 

例えば、

「タンク・ルイ・カルティエ」

「タンクフランセーズ」

「タンクアメリカン」

「タンクアングレーズ」

「タンクソロ」

「タンクディヴァン」

などです。

 

多くのモデルが存在するために、タンクの購入を検討している方にとって、「どのタンクを選ぶべきか」はひとつの悩みになっているのではないでしょうか。そこで今回は、その悩みに対しての一つの回答として、私のおすすめタンクを紹介します。

 

私は、2013年に誕生した新たなタンク、「タンクMC」をおすすめします。

↑タンクMC

 

カルティエの時計と言えば、「クラシックなデザイン」が“売り”です。カルティエウォッチを欲しい方は、クラシック感が好きなはずです。しかし、タンクMCは「今風デザイン」も盛り込んでいます。

 

つまり、

 

陳腐化しない“高級感”を表現するクラシックな要素をもちながら、若い方にも「カッコいいじゃん!」と言ってもらえるモダンさをもつ

 

これが、タンクMCの魅力です。

 

以下で具体的に、説明していきます。

 

 

 

 

 

 

■タンクMCは自社製ムーブメントが“売り”!

 

まずは、「タンクMCってどんなモデル?」という点からです。

↑型式:W5330003

 

そもそもタンクMCの「MC」とは、「マニファクチュール・カルティエ」の頭文字が由来となっています。マニュファクチュールとは、時計デザインと組み立てだけでなくムーブメント製造まで行う「自社一貫生産をする時計メーカーのこと」です。マニュファクチュールの時計メーカーは増えてきてはいますが、時計業界全体を見渡すと、マニュファクチュールはまだまだ限られたメーカーだけです。

 

マニュファクチュールの意味をもう少し簡単な表現にすると、「ムーブメントも自社製ですよ」という意味です。つまり、一般的な時計メーカーはムーブメントを他社から供給してもらっているので、ムーブメントを自社で製造できることはひとつの“売り”になるのです。

↑自社ムーブメントCal.1904-PS MC

 

つまるところ、タンクMCは“自社ムーブメント搭載のタンク”なのです。それまでのタンクは基本的に他社製のムーブメントを搭載していましたが、2013年に誕生したタンクMCには、2010年に登場したカリブル・ドゥ・カルティエと同じ自社ムーブメント「Cal.1904-PS MC」が搭載されています。このムーブメントは、カルティエ初の量産用自動巻ムーブメントとして知られています。

 

最近のトレンドでは、大型サイズのムーブメントを作るメーカーが多いですが、カルティエは直径25.6mm、厚み4.0mmという従来の一般サイズで作りました。市場で流通するETA社の2892A2に近いサイズ感です。そして、主ぜんまいを2つ搭載する“ツインバレル式”ですので、「エンジンを2つ搭載」するイメージのムーブメントです。しかし、その主ぜんまいを2つにした大きなトルクは、「駆動時間の延長」ではなく「馬力を与えること」に使っています。パワーリザーブが48時間であることからも、そのように判断できます。つまりCal.1904-PS MCは、様々な機能を追加しても問題ない、“馬力”をもったムーブメントと評価することができます。

 

私はカルティエのモノ作りに対して、「外装デザインは創造的でありながら、製品の信頼性は高い」イメージを持っています。この自社製ムーブメントの開発でもそれを感じます。つまり、「様々なモデルに搭載できるサイズ感」で汎用性を高める点からは、高価になり過ぎない価格の信頼性を感じ、「機能を追加しても問題ない馬力」を持たせる“手堅さ”は、製品の信頼性を感じます。まさに、カルティエらしい堅実なモノ作りです。

 

 

 

 

 

 

■タンクMCの魅力は、“バランスの妙”!

 

次に、「タンクMCの魅力」を紹介しましょう。

 

ひとつの魅力は、前述した「自社製ムーブメントであること」です。それは、モデル名の後ろに「MC」を付けているところからも明らかです。まるで、「私たちはデザインだけじゃなく、ムーブメントまで自社開発しています!」と、声高々と主張しているように感じます。

 

そして、私が考えるタンクMCのもうひとつの魅力は、「“クラシカルなデザイン”と“現代的なデザイン”の融合」です。タンクシリーズは1917年の誕生以来、伝統的なデザインを脈々と受けついでおり、タンクMCもこの例に漏れません。文字盤にはギョーシェ彫りが施され、スモールセコンドを採用し、クラシカルな雰囲気をより強調しているようにも思えます。

↑ギョーシェ彫りとスモールセコンド

 

しかし、ケースサイズは約44mm×33mmと、現代的な大ぶりなサイズ感です。ただ、大ぶりデザインながらも、ケースとストラップが手首に沿うようなフォルムを描くことにより、現代的のデザイントレンドの“立体感”も演出しています。また、タンクシリーズの種類の中には、タンクアメリカンのような“縦長デザイン”のモデルもあります。しかし、タンクMCはラウンド型ムーブメントを搭載することもあり、“正方形に近い長方形デザイン”を持ちます。こちらの方が、よりモダンなデザインに感じます。

↑手首に沿うようなフォルムをもつ

 

このように伝統的なデザインを現代風にアレンジした点が、タンクMC独特の違いを作り出しているのではないでしょうか。このクラシカルと現代風との“バランスの妙”が、タンクMCの大きな魅力なのです。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

私がおすすめするタンクMCの魅力を、ご理解いただけましたでしょうか。伝統性と現代性を融合させた外観に、カルティエ初の量産型自社性ムーブメントを搭載している点に、私は魅力を感じます。

 

2010年に発表されたカリブル・ドゥ・カルティエにも同じ自社製ムーブメントを搭載していました。しかし、カリブル・ドゥ・カルティエは、同じくカルティエの伝統性を残してはいましたが、「やや現代性が強かった」ように感じます。それは、外装デザインが“新規に起こされたから”なのでしょう。しかし、タンクMCの外装デザインは“伝統のタンクデザイン”です。そのため、クラシカルさがしっかり表現されており、魅力的なバランス感を実現しています。

 

カルティエのメンズモデルの主役を競う点で、タンクMCはカリブル・ドゥ・カルティエとは違うベクトルで地位を確立しようとしています。クラシカルとモダンのバランスに挑むチャレンジ精神こそが、タンクMCの大きな魅力です!

 

 

 

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