高級腕時計の時計通信

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12.4.2019

【腕時計の名作を知る!】ジラールペルゴ「スリーブリッジ トゥールビヨン」 ~あまりにも美しい伝説のトゥールビヨン~

Komehyo

ブログ担当者:須川

 

今回は、時計業界の名作を紹介する企画として、ジラールペルゴの「スリーブリッジ トゥールビヨン99250」を紹介します。

 

そのモデルとは、こちらです。

↑スリーブリッジ トゥールビヨン99250

 

スリーブリッジトゥールビヨンの魅力は、その外観を見れば一目瞭然です。

 

美しい

 

の一言です。

 

このモデルは、ジラールペルゴの代表作であり、ジラールペルゴの“伝説のモデル”でもあります。そしてスリーブリッジトゥールビヨンの中でも、今回注目する型式「99250」は、私の中では評価の高いモデルです。その理由を、以降で説明いたします。

 

 

 

 

 

 

■スリーブリッジ トゥールビヨンは伝説のモデル!

 

まずは、「スリーブリッジトゥールビヨンはどのようなモデルか」という点から解説します。

簡単に言うと、「ジラールペルゴに名声を与えた伝説のモデル」です。

 

説明します。スリーブリッジトゥールビヨンは、コンスタン・ジラールによって考案され、1867年に発表されました。それは、「スリーブリッジ」という表現の通り、文字盤に“三つの橋”が架かったようなデザインを採用する懐中時計でした。その“三つの橋”は金素材で作られており、「スリーゴールドブリッジ」とも呼ばれます。

 

さらに、機能としても、凄いのです。なんと、当時から作ることが難しいと評価される複雑機構である、“トゥールビヨン”を搭載しています(※1)。専門的に説明すると、“三つの橋”のそれぞれの中央に、香箱、二番車、キャリッジを取り付けています。そのため、3つの“円形部品”が一直線に並ぶデザインになっています。

 

つまり、文字盤から、「技術の高さ」と「作りの美しさ」を見せつけるデザインなのです。

 

このデザインは、当時、圧巻だったのでしょう。登場した年である1867年、スリーブリッジトゥールビヨンは、パリ万国博覧会において金賞を受賞しました。さらに、1889年の万国博覧会でも受賞しており、ジラールペルゴに名声をもたらしました。これだけ世間にインパクトを与え、実際に評価された時計ですので、ジラールペルゴとしては、“伝説のモデル”という位置づけになるでしょう。

 

 

 

 

 

 

■スリーブリッジ トゥールビヨン「99250」の魅力

 

では、今回注目するモデルである、スリーブリッジトゥールビヨン「99250」の魅力を紹介します。

 

説明します。「ジラールペルゴの伝説の懐中時計」であるスリーブリッジトゥールビヨンは、1991年、創業200周年記念として、腕時計で再現されました。かつてコンスタン・ジラールがデザインしたように、文字盤にアロー(矢)型の“三つの橋”を備え、さらに、トゥールビヨンを搭載して、腕時計サイズにリデザインされたのです。もちろん懐中時計の時代と同じように、手巻式のムーブメントが採用されました。当時のデザインは、スペード型の針を採用しています。

↑手巻式のスリーブリッジトゥールビヨン

 

その後、1998年には、ミニサイズのスリーブリッジトゥールビヨンや、裏蓋側に“三つの橋”を移動したスリーブリッジトゥールビヨンを発表します。

 

そして、1999年、“進化したスリーブリッジトゥールビヨン”が登場します。それが、型式「99250」です。

↑型式99250

 

外観としては、針が以前の“スペード型”から“ドーフィン型”に変更になりましたが、もっと大きな進化があります。それは、「自動巻化」です。パッと見は分かり難いですが、腕の動きで回転する錘(おもり)である“ローター”を、香箱の裏に組み込んでいます。香箱に隠れるサイズにするために、ローターは小型なものを採用しています。つまり、マイクロローターの採用です。

通常、ローターはムーブメントとほぼ同じサイズのものを採用しますので、マイクロローターは時計業界で特異な存在です。例えば、パテックフィリップのCal.240、ピアジェのCal.12Pなど、採用例はほんの一握りです。「マイクロローター式ムーブメントを搭載」という要素だけでも時計愛好家の食指を刺激するはずですが、その要素がひっそりとスリーブリッジトゥールビヨンに取り込まれているのです。

そして、私の個人的な意見ですが、99250のケースサイズも魅力に感じます。99250のケース幅は、1990年代後期の標準である38mmサイズです。最近のスリーブリッジトゥールビヨンは40mmサイズですので、99250は1990年代ならではのサイズ感を備えます。

 

当社では、1980年代~1990年代の名作を「ネクストヴィンテージ」という呼び名で括り、現在のモデルとは一線を画して評価を与えています。その意味で99250は、1990年代の雰囲気をもったスリーブリッジトゥールビヨンであり、私には魅力的に感じるのです。

 

 

 

 

 

 

■最後に

 

皆さん、スリーブリッジトゥールビヨン、そして、型式99250の魅力をご理解いただけたでしょうか?

 

まとめると、この99250は、

 

ジラールペルゴの伝説のモデルを再現した腕時計

 

であり、

 

マイクロローターで自動巻化されたモデル

 

なのです。

 

さらに、1990年代ならではのサイズ感を持っています。

↑99250の裏蓋には自動巻の刻印がある

 

私は型式99250を、1991年の腕時計リデザインの初期タイプとも、現在のモダンなタイプとも異なるスリーブリッジトゥールビヨンとして、“名作認定”したいと思います!

 

 

 

※1・・・トゥールビヨンについては、以前の投稿「高級時計のシンボル的な存在「トゥールビヨン」とは何なのか?」をご参照ください。

 

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