エールバッグとエールバッグ ジップは遊び心にあふれたエルメスのアイコンバッグ
■INDEX
・はじめに
・エールバッグとは
・エールバッグの進化系、エールバッグ ジップ
・エールバッグのサイズ展開
・エールバッグ ジップのサイズ展開
・素材・バリエーションについて
・エールバッグをユーズドで買う際の注意点
・最後に
■ はじめに
エルメスの数あるバッグの中で、最も”遊び心”にあふれたバッグと言えば何を思い浮かべますか?
私はエールバッグを真っ先に思い浮かべます。
ハイブランドのバッグでありながら、自分でバッグを分解し、再度組み立てることができるという唯一無二の特徴を持ったバッグが”エールバッグ”です。
今回はエールバッグと、後継の”エールバッグ ジップ”の特徴についてご紹介します。
※この記事では、販売終了になったバッグを”エールバッグ”、現行のデザインを”エールバッグジップ”として表記します。
■エールバッグとは
エールバッグはエルメスを代表する”ケリーバッグ”のデザインを踏襲しながら、キャンバス生地を取り入れることにより、普段使いで持てるバッグとして1998年ごろに生まれました。
バッグの胴体部分を付け替えることができることができる点がエールバッグの最も特徴的なポイントです。
この付け替えのバッグは付属品として付いてくるため、その日の気分によって使い分けることができます。
また発売当初は10万円台で購入できたため幅広い年齢層に支持され、上記の要因も相まって瞬く間に人気となり、エルメスのアイコンバッグとして広く認知されていきました。その後、2010年ごろに販売終了となりました。
■エールバッグの進化系、エールバッグ ジップ
そして販売終了から数年後、エールバッグはデザインと名前を変えて”エールバッグ ジップ”として生まれ変わりました。
”エールバッグ ジップ”は発売以降、様々な素材・デザインが展開され、”エールバッグ”同様、アイコンバッグとして高い人気を獲得しました。
エールバッグ ジップ トワルオフィシエ 060300CK
販売終了のエールバッグとの違いは以下の3点です。
①胴部分の付け替えバッグがなくなった。
②背面にポケットが付けられた。
③インバッグとして使えるポシェットが付属品になった。
上記のように付け替えバッグとしての機能はなくなりましたが、小さい物を整理して入れることができるようになり、よりデイリーユースに寄り添う形に機能性が向上していると言えます。
定価は2022年2月現在で約30万円前後と、1998年の発売当初と比較すると上がっていますが依然として人気が高いバッグです。
■ エールバッグのサイズ展開
エールバッグのサイズ展開は4種類あります。
旧タイプ
TPM
横×縦×幅:約 16cm×20cm×7cm
最もコンパクトなTPMサイズは、バゲットバッグを彷彿とさせる縦長のシルエットです。ちょっとしたお出かけのアクセントにピッタリです。
PM
横×縦×幅:約 30cm×26cm×10cm
肩掛けショルダーとしてもハンドバッグとしても使えるPMサイズ。
持ち運びやすさと容量を兼ね備えた、まさにデイリーユースにちょうど良いサイズ感です。
MM
横×縦×幅:約 38cm×31(38)cm×14cm ()内は付属バッグのサイズ
MMサイズからは本体のバッグと替えバッグで縦のサイズが異なります。
カラーだけでなくシルエットも変わるので、バッグを変えるだけでコーディネートがガラッと変わります。
GM
横×縦×幅:約 52cm×33(40)cm×25cm ()内は付属バッグのサイズ
GMサイズはかなり大きく、2泊3日程度の旅行であれば荷物がすべて入るくらいの容量があります。
ボストンバッグの代わりとして旅行のお供に最適です。
■エールバッグ ジップのサイズ展開
エールバッグ ジップのサイズ展開はPMとMMの2種類です。
PM
横×縦×幅:約 30cm×25cm×10cm
エールバッグとほぼ変わらないサイズ感のまま、背面のジッパーポケット + ポシェット付きで見た目以上に容量があり小回りの利くバッグに進化したエールバッグ ジップPM。
2WAYで使える点も魅力的で、いつも通りの日常に特別感を与えてくれます。
MM
横×縦×幅:約 38cm×34cm×14cm
PMサイズよりも大容量になり、荷物が多くなってしまったときにも安心なサイズ感のMMサイズ。
画像のようなダークトーンのものは女性にはもちろん、男性にもおすすめです。
■素材・バリエーションについて
エールバッグはキャンバス生地を用いたバッグと紹介しましたが、キャンバス生地と言っても様々な種類があります。
以下にエールバッグで用いられる代表的な素材や、素材ごとの違いを細かく紹介します。
素材
レザー部分
ヴァッシュハンター
レザーの部分にはヴァッシュハンターと言われる牛革が使用されているものが多いです。
光沢感と張りの強さが特徴的で、目の細かいレザーです。
本体部分
トワルアッシュ
トワルアッシュはエルメスのキャンバスの中でも古くから使われてきた伝統的な生地です。
2色の糸で編み込まれており、耐久性に優れています。
トワルGM
トワルGMはGMという名前の通り、トワルアッシュよりも太い糸で編み込まれたキャンバスです。
トワルアッシュ同様摩擦に強く耐久性が高いです。
トワルオフィシエ
トワルオフィシエはトワルアッシュと比べると、1色のみの細い糸で織られていることがわかります。
エールバッグにおいて色のついたバッグは、このトワルオフィシエか次に紹介するトワルミリタリーでの展開であることがほとんどです。
トワルミリタリー
トワルミリタリーは一見するとトワルオフィシエとよく似ていますが、使用されている糸がナイロンとコットンの組み合わせという点が異なります。
これにより毛羽立ちにくいのがトワルミリタリーの特徴です。
ヴィブラート
ヴィブラートはヤギ革素材の1つです。
エルメスでヤギ革というとシェーブルが有名ですが、ヴィブラートは染色したヤギ革を何層にも重ね、それを裁断してバッグに用いた素材です。
バリエーションについて
エールバッグには様々なバリエーションが存在します。
素材の違いと組み合わせると紹介しきれないほどの種類がありますので、ここでは一部をピックアップしてご紹介します。
エールバッグ カバ トワルオフィシエ 036908CB
横×縦×幅:約 41cm×21(30)cm×16cm ()内は付属バッグのサイズ
通常のエールバッグよりも横長になり、よりショルダーバッグとして使いやすい形です。
マチが広くとられているため、替えバッグに付け替えるとさらに高い収納力を発揮します。
エールバッグ (サック) アド トワルアッシュ 030116CK
横×縦×幅:約 29cm×26(35)cm×12cm ()内は付属バッグのサイズ
アド(A Dos)のDosは背中という意味のフランス語で、その名の通りリュックタイプの構造です。
キャンバス生地で軽く、そのうえ耐久性のあるトワルアッシュを用いているため実用性も兼ね備えています。
エールバッグ ジップ キャビン トワルミリタリー 077673CK
横×縦×幅 :約 48cm × 40cm × 22cm
ボストンバッグサイズのエールバッグ ジップが”キャビン”です。
エールバッグのGMサイズと比べるとやや横長なシルエットになり、長方形のデザインとなっています。
背面のジッパー付きポケットもサイズに合わせて大きくなっており、たくさんの荷物であってもすっきりと整理して収納できるのが魅力です。
内縫いと外縫い
エールバッグ ジップにはバーキンやケリーのように内縫い/外縫いの違いがあります。
内縫い:エールバッグ ジップ トワルミリタリー 078971CK
縫い目を内側に織り込んでいる方が、若干カジュアルな印象になります。
日常に溶け込むようなゆったりとしたバッグを探している人にとっては、内縫いのほうがイメージに近いバッグではないでしょうか。
外縫い:エールバッグ ジップ トワルオフィシエ 060300CK
縫い目が外から見えるように真っ直ぐ縫い付けてあり、内縫いと比較してかっちりとした印象があります。
デイリーユースの中にも、少しフォーマルな印象を求めている人には外縫いをオススメします。
■エールバッグをユーズドで買う際の注意点
現行のエールバッグジップにはあてはまりませんが、販売終了になったエールバッグを購入する際には、以下の付属品の有無に注意してください。
1.胴部分の入れ物
2.本体と蓋部分のレザーを固定するストッパー
エールバッグは付け替えることでバッグのデザインを変更することができる点が、最大の特徴といえます。
エルメスで唯一自分で組み立てる楽しみがあるバッグを買うのですから、せっかくならその組み立てが充分にできる状態のバッグを買いたいですよね。
しかしながら、付属品が不足しているエールバッグを買ってしまうとうまく付け替えができなかったり、最悪の場合使用している間に勝手に分解してしまったりという可能性があります。
特に注意すべきなのは”ストッパー”と呼ばれるパーツです。
セリエ金具(飛び出ている丸い金具)の根本にある、黒いレザーからペンチのような金属がぶら下がっているパーツが”ストッパー”です。
エールバッグの付属品の中でも紛失しやすいパーツです。
(なお、エールバッグ ジップに関しては前述の通りバッグの取り換えができなくなっているため、このストッパーは元から付属していません。)
上記の理由により、付属品が揃っているか確認をしてから購入することをおすすめします。
■ 最後に
エルメスを代表するキャンバスバッグの1つ、エールバッグをご紹介しました。
遊び心にあふれたエールバッグも、実用性が大幅に向上したエールバッグ ジップも、それぞれ似ていながらも独特の良さを持った名作です。
特にエールバッグは自分で組み立てられるという唯一無二のバッグであると同時に、生産が終了しているため今後の流通量は減っていく希少性の高い一品と言えます。
この記事を読んでエールバッグに興味を持った方は、お早めに弊社オンラインサイトで探してみてください。